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田代政弘の犯罪と自民党裏金事件の関係

 さて、松本人志の事件をはるかに上回って、いま、日本を揺るがせている事件がある。
 言うまでもなく、自民党裏金事件だ。

 特捜が大々的に捜査を始め、次々に安倍派を中心に、与党議員がパーティー券の売り上げを裏金としていた事件は、与党と統一教会との癒着問題以上に、世論の批判を浴びている。
 そして..............世論の期待を裏切って、早々に数人の議員と、会計担当者を立件するだけで、3000万円以下の「裏金」は不起訴の見込みという「リーク」が流され、検察を批判する声と共に、検察審査会に期待する声が寄せられている。

 さあ、というわけで、このまったく関係のないはずの二つの事件がからんでくるのだ。
 小沢事件公判で、裁判所にはっきりと「虚偽報告書の作成」を指摘された、あの事件である。

 言うまでもなく、虚偽公文書作成(刑法156条)及び行使(刑法158条)は重罪である。公文書偽造は1年以上10年以下の懲役、罰金刑はない。そして、この田代のケースでは、裁判で嘘の証言をした偽証罪(刑法169条)なども成立するのは明らかだったし、検察審査会を騙した偽計業務妨害罪(刑法233条)も成立する可能性があった。だって、すでに裁判所がはっきりと犯罪を認定してるんだもの。

 裁判になれば、田代の有罪実刑は確実だった。
 それなのに、なぜ、彼に松本人志の弁護人ができるのか?
 それは、これほどまでに露骨な犯罪を「勘違いの範疇だった」という唖然とするような理由で、検察が不起訴にしたからである。

 田代の作った虚偽公文書もたいがいのものだが、しかも、田代の報告書をベースに、特捜副部長らも、この内容に沿った報告書を作成していた。
 そもそも、検察が、検察審査会に提出するのは、なぜ不起訴にしたのかを説明するための捜査資料のはずである。それなのに、小沢氏を起訴議決で陥れるための虚偽の証拠を作るというのは、あまりにも悪質であり、田代一人がその場の思いつきでやったこととは思われなかった。
 明らかに、当時の特捜部ぐるみの犯罪。首謀者は特捜部長東京地検次席検事であり、田代は上司の指示で、無意味な取り調べを行い、虚偽報告書を作成したと考えるのが妥当だ。

 だから、裁判で田代が裁かれるということになれば、田代一人の問題ではなく、特捜部長・副部長をはじめ、東京地検にぞろぞろ逮捕者が出ることになる可能性は濃厚だった。
 それだけではない。この虚偽報告書のことを最高検は裁判の前に把握していながら、その時点で逮捕も起訴しなかった。ということは、最高検察庁の全員にも犯人隠避が成立する。(厚労省村木さん事件では、この論理で特捜部長と副部長までも逮捕され、有罪判決を受けているからだ)
 だからこそ、検察は「検察崩壊」を恐れて、この露骨な犯罪を起訴しなかったのか?

 いや、検察の一部には、たとえ多数の逮捕者が出て、検察が大きな痛手を負うことになるとしても、このような事態を招いた暴走特捜部の膿を徹底的に出すべきと考え、起訴に向けて努力していた人たちは間違いなく存在していた。しかし、最終的には、起訴に至ることはできなかった。
 その理由は、検察内の、守旧派と改革派の対立の中、守旧派が押し切ったということになるが、その意を受けた田代自身が、「勘違いだった」の一点張りで押し通したということがある。
(上記は、当時の検察内部の信頼できる筋からの直接の情報提供によるものである)

 どちらにしても、田代は、「上司に命令されれば、ためらわず人を陥れるための虚偽文書をでっち上げることができ、バレたら勘違いだと言い張り続ける」ような「筋金入りの嘘つき」、そうでないとしたら、「メモも取らずに取調べを行ったあげく、『勘違い』で、まるっきり真逆の内容の報告書を作り、結果として他人を陥れておきながら反省の弁もない」無能なクズということになる。

 いずれにしても、この処分および最高検の出した報告書は、各社の報道でも、「身内に甘すぎる処分」「とても言葉を補うとか、補正するとかいうレベルではない」「検察の信頼の回復はない」と厳しい批判を浴びたほどの、ひどい内容だった。

 そんな中、この事件は検察審査会に持ち込まれた。
 その申立書を書いたのは、この私である。

 申立書 http://shiminnokai.net/doc/moushitate_tashiro.pdf

 この時点で、メディアも含め、多くの人が、これはいくらなんでも起訴議決は免れないのではないかと考えていた。

(続く)

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