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PC遠隔操作事件:マスコミがあえて触れない「事件の真相」

 ここ数日、雑用も含め仕事に追われていたこともあるが、もしかして、どこか大手メディアで一社でも、まともな報道をするところがあるかどうかを見ていた。
 残念なことに、見事なほどなかったどころか、誤報を通り越して、むしろ、捏造に近い記事まで出ている有様なので、やはり書かねばなるまい。

 さて、まず、誰しもが不思議に思うのは、片山氏が真犯人であるとして、この真犯人は、

(1)1年もの間、全面否認を続けただけではなく、弁護団を騙し通した。言うまでもなく、この弁護団は、「人を見る目がない新人弁護士」ではなく、足利事件を扱った佐藤博史弁護士や、東電OL殺害事件に関わった木谷元裁判官も含む、「人を見るということにかけては大ベテラン」の方たちである。いわゆる「人を信じやすいピュアな人が詐欺にひっかかった」、というようなレベルの話ではないのは明らかだ。(というか、そう思っている人がいたら、相当な世間知らずであろう)

(2)では、なぜ、海千山千の弁護団が、自信を持って片山氏冤罪を信じたか。

 刑事弁護人である以上、原則として、被疑者の主張を信用するという立ち位置もあるが、それ以上に、この件に関しては、一年に及ぶ片山氏の主張に、通常、犯人であるならどこかに生じる齟齬や矛盾がなかっただけではなく、本当に犯人であるなら、「監視カメラに猫に首輪をつける瞬間が映っていた」「携帯から猫の写真が復元できた」といった「誰が見ても決定的証拠と思われる」報道に対して、動揺するどころか、自信を持って否認を続けたというところにある。
 そして、実際に、公判前の検察の証拠開示において、そのような「決定的な証拠」はまったくなかった。つまり、「監視カメラに猫に首輪をつける瞬間が映っていた」「携帯から猫の写真が復元できた」といった「誰が見ても決定的証拠がある」系報道は、すべて「誤報」、もしくは、「警察もしくは検察のデマリーク」に基づいた報道であった。

(※デマリークしていたのが検察だけと決めつけないでほしい、という検察関係の方からのご指摘があり、それはもっともですので、「検察」と決めつけた部分については修正させていただきました)

 一方で、後に、片山氏は「自分はサイコパスである」と佐藤弁護士に語った。それも、「真犯人の人格が出ているときは、平気でどんな嘘でもつける」「完璧な演技も自然にできてしまう」「その真犯人人格が出て切るときは、自分でもコントロールできない」と説明しているそうだ。

 いわゆる「片方の人格が出ているときは、もう一つの人格にはその記憶がない」といわれる典型的な多重人格ではないようだが、実際に、以前には、解離性回避性人格障害の診断を受けたことがあったのだそうだ。

(※「解離性」ではなく「回避性人格障害」の聞き間違いでした。これは人格障害としてはまったく異なるものです。申し訳ありません。30日の記者会見では、佐藤弁護士は、「解離性ではなく回避性」であることを、改めて強調されたそうですが、この記者会見に出席していなかったため、訂正が遅れたことをお詫び申し上げます。)

 佐藤弁護士は、改めて、今回、裁判所に片山氏の精神鑑定を依頼しようとしているが、それは、精神障害をもって、片山氏に責任能力がないことを主張するためではなく、あくまで事件の真相を解明したいからであるし、片山氏も精神鑑定をもって無罪主張や減刑を求めるつもりはないそうだ。(この点について、デマ報道をしているメディアがあるので注意)

(3)次にIT系の話になる。

検察は片山氏をウイルス作成罪で立件しなかった。すなわち、「FBIとの捜査協力で明らかになった、Dropboxの中に、片山氏がウイルスを作成していた痕跡」というのもデマリークだったことが、公判前に明らかになった。

 さらに、公判になって、検察のIT関係の主な主張は「片山氏にC#が使えた可能性がある」というものが主だった。むろんこれには証拠はないし、仮に多少使えたところで、それが犯人である動かぬ証拠、というのは無理がある。だから、そもそも、検察は、ウイルス作成罪では立件できなかったのである。

 そこで、検察が固執していたのは、片山氏の勤務先のパソコンの「ファイルスラック領域に痕跡がある」というものだった。これを「最大の証拠」としようとしていたのだが、この主張には、実は、どう考えても無理があった。

 つまり、もし、片山氏のバソコン(正確には、勤務先のパソコン)が、乗っ取られて、さらに遠隔操作されていたとする。
 その場合、原理的には、「ABC」と書いたファイルに「AB」で上書保存すればスラックには「C」が残る。特定のスラック領域に「C」と(OS経由で)書き込むのは難しいけれど、犯人の行為としては、どこに「C」を残してもOKだったわけだから、これは簡単なわけだ。
 というか、単に「痕跡と認められるもの」さえあればいいのであれば、真犯人が開発していた環境をまるっと片山氏のパソコンにコピーして、それを消してしまえば、あっさり検察の主張している状態になる。すなわち、真犯人が「iesys.exeを作った環境」を持って来て、それを全部消すだけで、検察の主張している「ファイルスラック領域に痕跡がある」状態にできてしまうわけだ。

 つまり、ITのプロが見れば、こんなの証拠でも何でもないわけで、相手が、ITに無知な裁判官であり、かつ、弁護人にもプロのアドバイザーがいなければ、騙し通せるかもしれない、というレベルの主張にしかすぎなかった。

 これからIT犯罪が増加するのは目に見えているだろうに、こんな無茶苦茶な根拠で、人が有罪にされては、今後、大変なことになる。
 それが、私と「当会協力者のITのプロ中のプロであるホワイトハッカーの皆様たち」の危惧であって、それだからこそ、ハッカソンを企画して、「検察のこの主張は無理がありすぎ」なことを実証しようとしたわけだ。

 この点について、「片山氏のパソコンが遠隔操作されていたなら、それはそれで、その痕跡が残るはずではないのか」という疑問をお持ちの方もあろうが、それも含めて、「いや、いろいろ『紛れ込ませる方法』とかあるんですよ」とかいうハッカーさんもいらっしゃったりしたので、そういったことも含めて、実験は必要であると考えたわけ。

(逆に言えば、『紛れ込ませる方法』も含めて、高度な技術を持つハッカーさんの手口を検証したうえで、問題のパソコンのアクセスログデータを改めて解析すれば、「遠隔操作されていなかった」ことを立証できたかもしれなかったわけで、私たちとしては、警察なり検察には、どうせなら、それぐらいのレベルの、皆が納得できる立証をしてほしかったわけだ)

 では、検察が、もっと別の、まともな証拠をなぜ出せなかったのか。
 おそらく、本当に、彼らは見つけられなかったのだと思う。
 某有名セキュリティ社が検察側の証人になっていたが、あくまで言えたのは、「片山氏に作れる可能性がある」ということだけだった。しかしこんなものはあくまで「悪魔の証明」に過ぎず、「作れる可能性がある」=「犯人」とはいえない。
 実際には、検察に協力していた、この某社の方も、ファイルスラック主張の致命的な欠陥に気づいていなかったわけはないのだが、実際に、それ以外に「片山氏が犯人である根拠」を、なにも見つけられなかったのだろう。

 「片山氏でもeisys.exeを作れたはずだから、犯人でもおかしくない」とかいうコメントをつけている人がいたが、「作れるかもしれない」=「犯人」ではないし、「犯人でもおかしくない」というのは、心証としてブログに書くレベルなら何の問題もないが、それを理由に裁判で有罪というのは、まともな司法のあり方ではない。

 ある意味、この検察の主張は、IT関係者に「サイバー警察とか検察の実力ってこの程度」みたいなことを晒すことになってしまったといえる。残念であるとともに、今後を危惧する。

(4)さらに、片山氏には、無実のかなり有力な証拠が出てきていた。つまり、猫の首輪につけたセロテープからは別人のDNAが検出されたのである。(このトリックについては真犯人メールで説明されている)

 刑事弁護士であるなら、刑事被告人が無実を主張している限り、いくら怪しくても、それに沿って、被告人の主張を代弁するのが仕事である(それが嫌なら辞任する)、という刑事弁護士としての「あるべき役割」は別としても、これだけの事実が揃っていれば、弁護団が片山氏の無実を信じたのはむしろ、まっとうであり、それを騙されたと責めるのは筋違いだ。

 また、江川紹子氏は、「このまま裁判が続いていたら、(IT関係の証拠などで)片山氏は有罪になっただろう」と書かれているが、それも違う。IT方面での検察の立証は無茶苦茶だった。むしろ、あの証拠で、有罪になっていたとしたら、そちらの方が問題だった。

(5)さて、ここからが本題だ。

 真犯人、片山氏は、狡猾極まりないトリックを使っていた。
 すなわち、先にも書いた、無実のかなり有力な証拠であった「猫の首輪につけたセロテープの別人のDNA」はトリックだった。このことは、彼が「真犯人メール」で自分でそのネタばらしを書いてしまったことで明らかになった。

 では、佐藤弁護士が、片山氏に聴き取りを行った結果わかったことだが、なぜ彼は、自信を持って、否認を続けることができたのか。

 それは啞然とするような理由だった。
 つまり、真犯人であったからこそ、片山氏は、「携帯から猫の写真が復元できた」などということがあり得ない、つまり、これがデマ報道であることを知っていたのだ。
 となると、なぜ、このようなデマ報道がなされるのか。当然、検察が片山犯人説を強めるためにデマリークをしているわけだが、本当に「堅い」証拠があるなら、こんなデマを流す必要はない。となると、他の「犯人確定」報道もすべてデマではないのか?
 であれば、決定的な証拠など、本当は、何ひとつないことになる。
 それが、彼の「自信を持って否認を続けられる根拠」だった。

 もちろん、彼が真犯人である以上、監視カメラに「猫に首輪をつける決定的な映像」がある可能性もあった。しかし、検察で最初に取り調べがあったとき、検察官が「江ノ島に行ったかどうか」を訊ね、片山氏はもちろんそのこと自体は認めたわけだが、それ以上、なにも突っ込まれなかった。いわんや、証拠の映像(もしあったら、本当に動かぬ証拠だ)を突きつけられることもなかった。そこで、彼は、監視カメラの決定的な映像も存在していないのだと確信したという。
 だとすれば、検察の主張はすべてデマであり、公判は自分に有利になる、彼はそう踏んだ。
 つまり、警察・検察のデマリークとそれに乗ったマスコミの誤報が、もっとも真犯人を利していたのだ。

 このことは、佐藤弁護士が5月22日の記者会見で詳細に述べたことであり、特に誤報(というか検察のデマリーク垂れ流し)を連発していた新聞社については、実名を出しての批判もされていた。

 しかし、その最も重要な(そして、マスコミ各社には不都合な)事実を報じた社は一社もない。この事件の報道に関しての検証記事を書いたところもない。それどころか、この記者会見そのものについても、トンデモな、捏造報道が行われた。これはあとで書く。

(6)さて、そうだとして、まだ大きな疑問が残る。

 私自身が、PC遠隔操作事件:河川敷のスマホにまつわるこれだけの謎で書いたことだが、その疑問のいくつかは、片山氏が佐藤弁護士に行った告白によって、かなり氷解しているので、ここで記す。

 まず、問題のスマホは秋葉原で白ロムを購入し、SIMは、ある方がコメントしてくださっていた
 http://ascii.jp/elem/000/000/884/884763/
 こんな買い方もできます。

 だった。もっとも空港まで行ったわけではなく、現在、秋葉原で自販機で売られているそうだ。

 彼はそれを入手し、一ヶ月かけて真犯人メールを書き、5月15日に埋め、16日の公判中に送られるようにセットした。真犯人メールに書かれていた「片山氏が一言一句記憶していないはずの『過去の真犯人メール』の文言」については、裁判の証拠開示の中で、彼がpdfファイルで入手していたので、それを書き写したのだそうだ。(このことは弁護人自体忘れていた)

 それにしても、DNAがべったりついたスマホを河川敷に埋めたのは、いままで狡猾だった犯人にしては、杜撰すぎる行動と思った人が少なくないだろう。

 興味深いのは、このメールに関して、受け取った落合弁護士は、「書きぶりがやや違う気がする」ことを第一印象としてツイートされている。

 それもそのはずで、片山氏によれば、それまでの一連の犯行を企て「謹賀新年メール」や「新春パズル~延長戦~」メールを書いた「真犯人人格」ではない方の、彼自身の人格が、この最後のメールを書き、河川敷に埋めたのだそうだ。

 つまり、自分で、「真犯人人格だったら、こういうふうに書くだろうな」と想像しながら、できるだけ汚い言葉を使って真犯人メールを書き、そして、狡猾な真犯人ではない方の人格だったからこそ、それまで真犯人人格がやっていたように、携帯のDNAをきれいに拭き取り(できれば他人の指紋やDNAをつけるぐらいの小細工をして)埋めるというようなことを「思いつかなかった」。また、万一、それを見られていても、「携帯を埋めたのは自分だが、それは裁判を終わらせたかったからで、あくまで自分は犯人ではない」と主張できるようなトリックも弄せなかったということだ。

(もっというなら、もし、これを真犯人人格がやっていたら、そもそも河川敷みたいな、携帯の発信基地局から場所の特定が容易なところに埋めなかったのではないか。)
 むろん、スマホを回収する気はなかった。

 もちろん、片山氏自身に「虚言癖がある」というか、自身が認めているように、完璧に嘘がつける人ではあるので、彼の言うことを100%信じられるわけではないが、この件に関して、「真犯人の狡猾さ」と「DNA付きのスマホを河川敷に埋めた行為のお粗末さ」の違いについて、見事に説明がつくのは確かである。

 そして、恐るべきなのは、本当は、この真犯人メールは、公判で、万一、彼が有罪になって収監されたら送るつもりだっていたのを、母親との対話の中で、早く裁判から解放されたいという気持ちから、こんなタイミングでやってしまったということだ。
 つまり、片山氏の中の犯人人格がもっと強ければ、あやうく、完全犯罪は成立するところだったのである。

 佐藤弁護士が記者会見で言っていた、「天が見ていた」というのはそういうことである。

(7)もうひとつ。警察の行確(行動確認=いわゆる尾行)の問題がある。

 すでに、いくつかの社が、「警察の執念」などというヨイショ記事を出しているが、それどころか、ここにも、とんでもなく大きな問題がある。
 もし本当に、警察官が片山氏がスマホを埋めた瞬間を目撃していたのであれば、すぐにそこを調べればいいことなのである。彼は保釈中なので、証拠隠滅の現行犯逮捕だって可能だ。であれば、事件は15日のうちに解決していた。

 さらなる問題は、16日公判中に真犯人メールが送られ、あわてて、前日に、該当するあたりで不審な行動があった報告を思い出して河原を掘り返し、スマホを発見したのであれば、その段階で、すみやかに、弁護士を通じて片山氏の任意出頭を求め、それに応じなければ逮捕すればいいはずである。
 にもかかわらず、19日に、先にマスコミにリーク情報が流れ、片山氏は逃亡した。

 片山氏が真犯人なら、逃亡する可能性があることは、バカでもわかることだ。むろん、泳がせたわけではない。その必要もない。
 このもっとも肝心な日、警察は片山氏には行確をつけていなかった。(報道していないだけで、実はつけていたかもしれません、とかいう想像系コメントは止めてもらいたい。つけていなかったことは確認済みだ)

 片山氏は、都内の公園で自殺を図ったが、ベルトのバックルが外れて自殺に失敗し、高尾山を彷徨ったが死にきれず、京王線で飛び込み自殺を図ろうとして、その前に佐藤弁護士に告白の電話をして、佐藤弁護士の必死の説得を受けた。
 前にも書いたが、もし、片山氏が自殺に失敗していなかったら、事件の真相は永久にわからないままだった。
 それを考えると、19日にスマホの件について片山氏の身柄を確保する前に、マスコミにリークしてしまったのみならず、身柄確保ができなかったのは、「警察の執念の捜査が実った」どころか、「あんたら、どこまで間抜けなの」という話にしかならない。

 いずれ裁判で明らかになるとは思うが、警察官がスマホを埋めたのを目撃したというのも、私は信用できないと考えている。遠くから行確していただけではないか。公判で、片山氏が猫を抱いているところが映っているだけの映像を「猫に首輪をつけている映像」と強弁し、失笑を買ったのと同じで、あとになって、しゃがんでいるだけの姿を「地面に何かを埋めるような仕草」というのは簡単だ。真犯人メールから送られた基地局を特定し、その付近に片山氏がいた形跡があったことから、あわてて、掘り返しただけではないのか?

 ちなみに、片山氏には、この携帯の基地局を偽装するプログラムを使うほどのIT能力はなかった。それをやられていたら、果たしてどうだったのか。これも微妙な問題である。

(8)いずれにしても、片山氏が一番恐れていたのは、検察ではなく、実は弁護団だったそうだ。
なぜ、検察が怖くなかったかという理由は上述の通り。なめきられてたわけだ。
 むしろ、IT専門家まで入れた弁護団を片山氏はもっとも警戒していた。ぶっちゃけ言うと、特別弁護人のN氏である。

 で、22日の記者会見のあと、この特別弁護人のN氏とおごちゃんことITのプロ中のプロである生越氏(自称:PC遠隔操作事件に日本で3番目に詳しいプログラマ)、日本報道検証機構の方と一緒に、裁判所の地下でお昼ご飯を食べたのだが、ここで、また濃ゆい話になった。

 つまり、片山氏が真犯人であったとしても、前述の通り、検察のファイルスラックに関する主張は、ITのプロから見れば、到底、証拠にはならないような見当外れな話だった。要するに「裁判官の無知を利用して騙せるかどうか」というレベルのもので、そんな証拠で有罪立証しようとしたことが問題であることは言うまでもない。

 今回、弁護側は、IT犯罪であることから、ITのプロであるN氏を特別弁護人として認めてもらったわけだが、今後、明らかにサイバー犯罪が増えてくることを考えると、「素人なら騙せるレベルのもっともらしい理屈ときれいに作ったパワポで、ITに詳しくない裁判官を騙して、有罪を取る」などという手法はあってはならないわけで、裁判官も、こういった事件の場合、検察からも弁護側も独立した、ITの専門家をアドバイザーとして入れるような制度が、絶対に必要だろう。

 そして、ここで濃い人たちが、「ほんとはこの部分を検察が、(捜査権限で開示させて)ちゃんと調べていれば、もしかしたら、もっと早くに片山氏が犯人であることが立証できたのじゃないか」みたいな技術的な話をしていたのだが、そこで、ちょうど喫茶店のテレビが、直前の記者会見の報道を始めたのを見て、一同、口をあんぐり開ける事態が起こった。

 記者会見で、佐藤弁護士が、一瞬、涙を見せた瞬間に、ここぞとばかりにシャッター音が響いたのは気づいていたが、それは「佐藤弁護士が騙されていたことを反省していた」わけではない。

 佐藤弁護士は、片山氏が生きていてくれて良かった、そのことで真相が闇の中ということにならなくて良かった、と言った部分である。そして、佐藤弁護士は、この記者会見では、一貫して、自分たち弁護団も片山氏に騙された最大の理由として、「検察のデマリークとそれに乗ったマスコミの誤報が、もっとも真犯人を利していた」事実と、このような事態を招いたマスコミに対して、反省と報道の検証を訴えていたのだ。

 それが、わずか30分も経たないうちに、映し出されたテレビのニュースでは、佐藤弁護士が涙を流して、騙されたことを反省しているかのようなトンデモ報道になっちまっているのである。

 このあまりの捏造っぷりに、N氏、おごちゃん、日本報道検証機構のYさん、私は、目が点になってのけぞってしまったのだが、その後の報道も、検証どころか、その後も、ミスリードや捏造に近い記事が出ている。それについては、記者会見に一緒に出席していた生越氏のブログをご参照頂きたい。
 https://www.shortplug.jp/profile/ogochan/diaries/3402

(9)さて、私の立ち位置だが、ずっとかかわってきた(田代元検事の捏造報告書問題については、現在もかかわり続けている)陸山会事件において、別に小沢氏個人に興味があったわけでも、小沢氏個人を支援していたわけでもなく、検察がこんなことで「有罪を作り出す」ということを徹底して問題にしてきたことは、ある程度の期間、このブログを読んできた、まともな読解力のある人なら、わかっておられるだろうと思う。(そして、にもかかわらず、すごく頭の悪い人たちが「小沢擁護」とアホみたいなバッシングをしてきたという経緯があることもご存じのはずだ)

 今回のPC遠隔操作事件についても、興味があった(というより、正確には、問題点を感じた)のは、検察の有罪立証に関わるやり方(特にデマリークによる情報操作)であって、片山氏個人にはまったく興味はなかった。

 そういう意味において、デマリークによる情報操作が、単に「被疑者を犯人だという心証を一般に強めさせ、世論誘導して、そのことで被疑者を精神的に追い詰めたり、裁判を有利にしようとする」だけではなく、今回は、結果的に「被疑者を有利にしてしまっていた」こと、さらに、人質司法や可視化の拒否も、結果的には、真犯人を利することにしかなっていなかったという点で、やはり、検察には今までのやり方を改めてもらいたい、という気持ちが一層強くなったという点で、揺らぎはない。
 今回、たまたま、「真犯人人格ではない方の(つまり、あんまり狡猾じゃない方の)片山人格」が大ポカをやったから、まぐれでなんとかなっただけで、あやうく完全犯罪は成立しかけていた。

 これに関して、援護する者がいたからではないか、という、これまた見当外れきわまりない批判をしている人がいるが、援護する人がいようがいなかろうが、刑事裁判とは、そういったことで決まるべきものではない。あくまで証拠によって立証されるべきものである。(この場合の証拠とは、自白を含む直接証拠のほか、客観性のある状況証拠の積み重ねなどのことだ)
 疑わしきは罰せずであり、その結果、真犯人を野に放つことになったとしても、冤罪を作るよりはマシであるというのが、近代の刑事司法の考え方であり、私の考え方である。

 ましてや、検察には反感も憎しみもない。そもそも恨みもない。もともと私はミステリファンなので、検察にはちゃんとしてほしい、みっともないことはやめてほしい、個々の現場の検察官には敬意を持つが、法治主義や民主主義を踏みにじるようなことになってしまっている「組織としての問題」は、なんとか是正してもらいたいというのが一貫した主張である。

 あ、それから、袴田事件での味噌樽ズボンは大昔の話であり、現代に証拠の捏造があり得ると考えるのは荒唐無稽と主張していた方には、こちらの記事でもどうぞ。味噌樽ズボンの件に関しても、見え見えの捏造証拠なのに検察はまだ否定し、再審請求にも全力で抵抗していたことも忘れてはならない。

 警察や検察が旧態依然のやり方をやっている限り、これから、いくらでも冤罪は起こりうるし、一方で、このITとネットの時代、片山氏以上に狡猾な犯人が出てくれば、完全犯罪が成立しうる可能性はより高くなるということだ。
 それに備えるためにも、限りなく犯人のオウンゴールに近いような、まぐれ当たりを喜んで美談にしてしまうのではなく、今後、IT犯罪を裁判においてどう立証していくか、とりわけ裁判所自身がどう対応していくか、ということはもっと真剣に論議されるべきだと思う。
 マスコミの問題は、言うまでもない。

 しかし、それらはぜんぶ別にして、いままでまったく興味がなかった「片山祐輔」という人物に、まったく別の意味で、興味が出てきているのは否定できない。IT犯罪としてはくだらない結末だったとはいえ、サイコ的事件とすれば、この件は面白すぎる。騙されたとか騙されなかったとかいう低いレベルの話ではなく、個人的には、「真犯人人格」の片山氏と対談され、片山氏が否認を続けていた期間にも公判ですべてを見てこられた江川紹子さんに、人間の持ちうる心の闇の問題として書いて頂きたいものだ。

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【ブログ記事紹介】PC遠隔操作事件:マスコミがあえて触れない「事件の真相」

ニコニコニュースにとんでもない記事が転載されていた。 PC遠隔操作事件:マスコミがあえて触れない「事件の真相」(音楽家・作家 八木啓代) | ニコニコニュース オリジナルの記事はコチラ↓だが、ニコニコのほうが読みやすい。 八木啓代のひとりごと PC遠隔操作事件:マスコミがあえて触れない「事件の真相」 きちんと内容を紹介する余裕が無いが、ぜひ一読されることをおすすめする。 ...

真犯人またもやメール出てきたよ これはいったい...どういうことか

「遠隔操作ウイルス事件「真犯人」メールが再び届く 「早く片山さんに伝えて楽にしてあげてください」 ITメディアニュース 6月1日 >遠隔操作ウイルス事件の「真犯人」を名乗るメールが6月1日午前0時過ぎ、報道関係者などに届いた。「今回片山さんに自作自演を指示...

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No title

江川紹子さんによる犯人の心理面の取材もさることながら、時系列に沿って(場合によっては過去の脅迫事件に遡り)犯人の行動を主線とした事実を緻密に整理したいですね。
当事件は過去のIT系犯罪と同一線上に位置づけられるものでありつつ、複数の意味で新たな局面が到来したことを知らしめる事件であった、と私は考えています。
(新局面と言うほかないのですが、ここで局面が劇的に変わったのでなく、変わっていることに気付く段階に至ったとするほうが正確でしょう)

まず、どれほど犯人がC#に慣れていたかわからないとしても、さほど能力が高くもない者がトロイの木馬を介して社会を混乱させ、無関係な人々の人生を狂わすことができるという実証になった。これが主たる新局面ですね。

次に、警察、検察の基本体質もさることながら、ネット犯罪に対して余りに低レベルの捜査能力と知識と経験しかないことが、他の事例よりも赤裸々となった。そして、この教訓を即座に反省材料とし、緊急に何らかの改革をする気はないだろうと思われること。
さらに、報道機関が大本営発表と猫カフェ取材に代表されるどうでもいい話の蒐集しかできなく、独自の検証を放棄しているかに見え、このどうしようもなさは現在の他の案件でも何ら変わっていない。また記者もデスクも、IT系の基本さえ理解しておらず、これは以前から指摘されつつも何ら対策を取っていない。
この二つは私たちの社会が新局面にまったく対応できない状態であることを示しています。

つまり、第二のゆうちゃんと成り得る者はごまんと存在し、そのうちの誰かがいまこのとき何かをしつつあって犯行がかたちとなって現れても手のうちようがないし、報道機関はただのスピーカーとして機能するだけ。
黒子のバスケ事件では、ネットワークより郵便のほうが足がつきにくいことを再確認させられたわけですが、こうなると交通事故や傷害事件、現行犯くらいしか警察は機能しないのではないかとも思わされます。

サイコ事件か否かは意見が別れるところでしょう。むしろ、誰もがサイコ(的)犯罪の首謀者や実行者に成り得る状態であり、過去のサイコパスは性質の変質性イコール犯行でしたが、ごくごく一般人が道具としてITを手にしたとき出来心でサイコ的犯罪を起こせると言ったほうが近いように感じます。



内容はさておき

長い。長すぎる。
そして自分自身の持つ「結論」から逆算して書きなぐった文章。
正直、DNAが付着したテープのあたりで読み通すのを断念した。
「ひとりごと」なのだから良いのかもしれないが……
誰かに理解してもらおう、伝えようという文ではない。自身のストレス解消のための文章だ、これは。

No title

>佐藤弁護士は、改めて、今回、裁判所に片山氏の精神鑑定を依頼しようとしているが、それは、精神障害をもって、片山氏に責任能力がないことを主張するためではなく、あくまで事件の真相を解明したいからであるし、片山氏も精神鑑定をもって無罪主張や減刑を求めるつもりはないそうだ。

これは詭弁です。八木さん、だまされてますよ。
刑事訴訟における精神鑑定は、
①犯行当時の責任能力を問うもの
②現在の被告人の訴訟能力を問うもの
の2つがあります。
精神鑑定の結果、①の責任能力に問題があれば心神喪失か心神耗弱が認められる可能性があり、②の訴訟能力に問題があれば訴訟手続の打ち切りの可能性が生まれます。
また、被告人の責任能力や訴訟能力が完全であることを弁護側が求める法的利益はないです。
つまり責任能力や訴訟能力の瑕疵を求めないのに精神鑑定を求めるなんてありえません。

だいたいですよ。どうして全ての黒幕(罪状認否からみてこう呼んでも構わないと思われる)である片山氏側が「真相を解明」しなきゃいけないのですか?
「真実を解明」などというのはですね、少なくとも訴訟においてはなぜこうなったのかがわからない側(かなり大雑把に言えば被害者側)が求めるものですよ。
文学的には「心の闇」などの表現を使って世間が求めることもありますが。

そもそもなぜ弁護士が精神鑑定を求めたのかというと、「他に方法がない」からです。つまり被告人自身が罪状認否を認めてしまったため、あくまでも弁護をしようとするならばこうするしかないのです。
しかし近年になって心神喪失(または耗弱)に対して風当たりが強くなる一方で、また精神障害を裁判のおもちゃにするという批判もあるので上記のようなことを比較的好意的に見えたであろう八木さんに吹き込んだのだと思います。

もしこの意見に疑義を感じたならば、他の無関係な刑事訴訟の得意な弁護士さんに「責任(または訴訟)能力や無罪・減刑を求めないのに弁護側が精神鑑定を求めることはありうるか?」と聞いていただければその方が詳説してくださると思います。

それにしてもこの弁護士さん、なかなかすごい人です。普通ならこの段階で心が折れています。

No title

↑またまた出ました、知ったかぶりの勘違い系コメントです。

精神鑑定については、佐藤弁護士が記者会見で公開で語ったことを書いているわけですが、何でそれが、「佐藤弁護士が好意的に見える私を騙した」話になるんでしょうね。

いずれにしても、この事件は、精神鑑定の必要はあると思いますよ。

妄想の垂れ流し2

面白い記事で毎回読ませていただき、いろいろ発見があります。
ありがとうございます。
ただ、気になった点が以下の点。

>(5)さて、ここからが本題だ。

> 真犯人、片山氏は、狡猾極まりないトリックを使っていた。
> すなわち、先にも書いた、無実のかなり有力な証拠であった「猫の首輪につけたセロテープの別人のDNA」はトリックだった。このことは、彼が「真犯人メール」で自分でそのネタばらしを書いてしまったことで明らかになった。

ちょっとうまくトリックの意味が取れなかったのですが、これは嘘だったんじゃないですか?
単純に何らかの原因で、他者のDNAが付着したってことだったと思うんですが。
意味をうまく取れていなかったのなら申し訳ない。

http://live.nicovideo.jp/watch/lv180118743?ref=zero_mytimeshift
2:29:00~

>(7)もうひとつ。警察の行確(行動確認=いわゆる尾行)の問題がある。
>このもっとも肝心な日、警察は片山氏には行確をつけていなかった。(報道していないだけで、実はつけていたかもしれません、とかいう想像系コメントは止めてもらいたい。つけていなかったことは確認済みだ)
 
と、あるのですが、私は「つけてた」と思いますよ。まあ、本当に尾行してたのかどうか疑わしいと思ってるのですけど。本当につけてたなら必ずつけてたはずです。たまたま非番の尾行グループが「泊りがけの山登り」にいってただけかもしれませんがね。公式にはないので表には出ないでしょうけど。陰謀論になっちゃうからこれ以上書きませんが、、「あんたら、どこまで間抜けなの」というほど、間抜けではないと思いたいw この件については、どの時期からどこまでの日時まで、尾行を付けていて、なぜ尾行を切ったのか、尾行をあの時点で止めたのはだれの命令だったのかを明確にしたら面白いことになりそうに思います。
「間抜けでした」って認めて、うやむやになりそうな気もしないではないですが。


「真犯人からのメール」の秘密の暴露はなかったんですね。
https://www.shortplug.jp/profile/ogochan/diaries/3403

ブログの内容を拝見するに、「遠隔操作事件」のみの証拠では無実になる公算が高い。
「真犯人からのメール」も物証にはなりえない。
現状、裁判を維持できる証拠になりえるのは、「真犯人からのメール」以降の容疑者の自白のみになるってことですよね。
この自白が、裁判を維持できる証拠たり得なくなった場合、無実になるんじゃないですかね?

ここから、「容疑者」と「真犯人」で人格を分けたいと思います。

「真犯人」が考えていることって、真犯人ではあるが、無実になることじゃないのかな。
それが警察検察を一番コケにできますからね。

「容疑者」が自白内容に犯罪を構成できる証拠がなく、撤回した場合、「容疑者」に残る犯罪は「真犯人からのメール」を出したことだけになりますよね。この「真犯人からのメール」を出したことって、なんか罪になるんですかね?迷惑防止条例とかまあなんか適用したとしても微罪でしょうから、仮に有罪になったとしても逮捕拘留期間を差っ引いたらすぐ出れるぐらいのものなのかな?
「心痛の母親」のために、自作自演メールを出した「容疑者」という立ち位置と逮捕前には自殺を図った不安定な精神状態。精神鑑定もそれに有利な形で出たらより補強できますよね。「容疑者」が考えたメール内容と杜撰・幼稚な自作自演メールの犯行計画も「真犯人」とは違う・・・。
「真犯人」の狙いは、無実を勝ち取って、警察からも賠償をとったら完全勝利なのかな。
この「真犯人」って、バカ扱いされてるような表現が他のブログでも多いですが、汚い表現で申し訳ないですが「クソ垂れること」に関しては天才的だと思ってます。何の評価にもなりませんがね。

ということで又、妄想を垂れ流してみましたw

有罪に出来る決定的な証拠とは?

>ITのプロが見れば、こんなの証拠でも何でもないわけで、相手が、ITに無知な裁判官であり、かつ、弁護人にもプロのアドバイザーがいなければ、騙し通せるかもしれない、というレベルの主張にしかすぎなかった。


もしも、弁護側のITのプロであるN氏やその他のITのプロが警察検察の一員として捜査した場合、有罪に出来る決定的な証拠を探しだして片山氏を有罪に出来たのでしょうか?

コンピューター上の記録は徹底的に痕跡消去を実行したりOS再インストールなどをすれば、一切証拠が残らないのではないでしょうか?
記録が残っていたとしても、「遠隔されていたかもしれない」という可能性はあるわけで、
有罪に出来る決定的な証拠なんてものは存在しないように思うのですが・・・。

警察検察が裁判で出した証拠以上の証拠ってどんなものがあるのでしょうか?

興味深く読ませて頂きました。
気になったので、コメントさせて下さい。

片山氏を警察が行確していたことですが、警察は本当に間抜けだったのでしょうか。

貴女の主張する片山氏を証拠隠滅で現行犯逮捕する点ですが、それは違法逮捕ですよね。
証拠隠滅罪は、他人の刑事事件に関する証拠を隠滅する罪ですから、片山氏がスマホを埋めていたとしても、自身の刑事事件に関する証拠とはいえても、他人の刑事事件というには無理があります。

どう考えても、その罪で警察が片山氏を逮捕することはできません。

私の考えですが、警察の行確は評価すべきです。
仮に片山氏が無罪になっていれば、さらなる遠隔操作の被害者が生まれたかもしれない。警察の行確により、それを防ぎ、真犯人だと認めさせたことは、それなりに評価すべきです。少なくとも間抜けという汚い言葉で罵ることを不適切でしょう。









本当に病気かな?

非常に失礼でステレオタイプな考えかもしれませんが、彼のルックスと性格の問題から今回の事件が起きたように思えます。
孤独で性的な魅力のない男性にはケアが必要なのかもしれません。

No title

今回の結末として、国を挙げてこんなコンセンサスが出来上がったら、困ります。

・今回とは異なり、世間がまったく注目しない事件なら、冤罪が量産されても仕方がない
・「最初から俺はあいつが真犯人だと思ってた、こんな怪しい奴は有罪で当然」
・真犯人を捕まえたんだから、4人の誤認逮捕は必要悪であり問題はなく、正当な行為だった
・プロの刑事がクロだと睨んだ容疑者は犯人に決まってるんだから、無理をしてでも有罪にしろ
・なんだふたを開ければ、やっぱり警察・検察・報道は間違ってなかったね

今はもう「結果」なのか

片山氏が自白をして犯行を認めましたが、決定的な証拠が出てきていない以上は
事実認定は時期尚早ではないでしょうか。

ぜひともハッカソンをやってください。
と言っても、片山氏が真犯人ならどのようにして
犯行を行ったかの検証となるかと思いますが。

私としては、未だ疑問に思うこと多すぎて
佐藤弁護士が会見で言ったことが真相とは受け入れられません。

・ポータブルアプリケーションの入ったUSBメモリはどうなったのか?
・駐輪所の屋根裏から見つかったPCに証拠が残っていたのか?
 もし残っていたら少なくともその事実ぐらいは報道されるはず。
・そもそも2回も家宅捜索をして見つけられないものなのか?
・playsportを本当に所持していたのか?
 所持していたらどうやって処分したのか?
・首輪を2つ別の日に万引きしたと言うが、いつ万引きしたのか?

そして一番引っかかるのが
なぜ検察が決定的な証拠を見つけられなかったのか?
ということです。

ここから先は私の妄想です。

「検察は証拠を見つけられなかったのではなく、見つけていたが開示できなかった」

のではないか。
ではなぜ開示できないのか。

・片山氏が犯人ではないことを示すものだったから
・真犯人(片山氏以外)の決定的な証拠だったから
・検察もしくは政府にとって不都合なことが含まれていたから

検察にとって逮捕した以上は
片山氏が犯人でなければ負けだったわけです。

ところが押収物から真犯人が別にいることの
証拠が出てきてしまった。

検察は真犯人を確保して真相を全て把握した上で
片山氏が真犯人であったという壮大なシナリオを作り上げた。

そして片山氏側にシナリオに乗ってもらうよう
司法取引を持ちかけた。

とまあ、こんなことを妄想しました。

真実を明らかにするためには
弁護側からも決定的な証拠を明らかにして欲しいです。

片山氏が犯人という立場に転じたのであれば
今まで出せなかった弁護側に不利となる証拠でも
全て開示して問題ないはずです。

No title

さっぱりしていてかわいいですね。
たまには料理記事も挟んでください。
料理もシンプルで好きですよ。

警察検察が真っ当で有能ならどうなっていたか

事件の真相が概ね明らかになった時点で非常に気になるのは、仮に捜査当局が完全に有能であって、しかも真っ当(ウソホントと問わずリークしない、決定的証拠もなく逮捕勾留しない)としたら真犯人に辿りつけたのかという疑問だ。

決定的証拠は結局なかったわけだから逮捕もできなかったかもしれない。

でも、リアルでボロが出る片山被告の性質を考えると、ひたすらマークしてればしっぽを押さえられたのかもしれないとは思う。
無論、そんなことは当時は分からなかったわけだが。

No title

これのどこがマスコミが触れない核心なのですか?

妄想の垂れ流し3

警察の尾行について妄想してみました。

尾行が本当にあったかどうか疑わしく思ってるのですが理由は以下の通り。

1.容疑者の失踪当日に尾行がついてなかった

尾行を付けない合理的な理由が全くありません。不自然すぎます。

2.裁判の始まった事件で、容疑者に対して尾行をつけれるのか?

裁判が始まったということは捜査をする警察の仕事は完了を意味します。
容疑者は保釈当時、無職でかつ、バイクを持っていることから24時間動け、行動半径も広い。そういった容疑者に対して尾行を付けるのであれば24時間体制になります。
素人が考えても最低限としても二人体制の八時間三交代制になります。
今回は二か月半で終息したわけですが実質期間は無期限で張り込むことになります。
これを許可することはないと思います。
費用面で考えても二人×3チーム/一日×日数になります。
2か月半で考えても2×3×75日=延べ450人の捜査員を投入したことになります。
これにチームの指揮官を一日一人とした場合525人。
日当二万としても(安すぎですがw)1000万以上、これに張り込むに使う住居や車など経費が掛かります。
ありえないでしょうし、これは最低限です。本気で取り組んだらこれの三倍ぐらい人員はいると思います。本当にこんな捜査ができたのでしょうか?もし今回の自演メールが今よりさらに一年後に送られたとしたらこの数倍の規模のお金を使ったとこになります。ほぼ確実に公費の無駄遣いとして、計画が上がってもどこかでストップがかかると思います。

3.本当に尾行していたのなら、河川敷の不審な行動後にすぐに掘り返してるはずです。

河川敷に容疑者がしゃがみ込んでるのに「うんこでもしてるのかな?」と思うような捜査員ならクビにしてしまえw 警視庁の捜査一課の人間がそんな無能なわけはありません。

4.自作自演メールからリークによる失踪までのタイムラグ

http://mainichi.jp/select/news/20140521k0000e040163000c.html

これによると15日の11:37に自作自演メールが流れて、同日15:00には警察が証拠品のスマホを掘り返してます。
19日に保釈取り消し請求、翌、20日、容疑者拘束。

16日から19日までの間って何をしてたんでしょうね?
DNAの特定に時間がかかったのか、それとも犯人を泳がしてたのか。動かないからリークをして動かしたのか・・・。
それとも証拠品のスマホを「探していた」のか?報道では15日に掘り返してますけどねw

で、以下妄想をしてみます。
以前、自作自演メールのスマホのGPSとか使って特定しただけで尾行はしてないんじゃないの?って書きましたけど、自作自演メールのスマホではなく、容疑者本人が持っている弁護団が認定していたスマホのGPSを保釈からずっと位置を特定し続けてただけなんじゃないか、それを「尾行」って言ってるのじゃないのかと疑っています。
これなら捜査費用ほぼなしですからね。
朝出社して、「さて昨日の容疑者はどこいったのかな?」とパソコンを開いて、5分毎とかで位置を表示するソフトでもあれば容疑者の昨日の足取りが判るわけです。

先に挙げたアドレスの記事の中に以下の文があります。

>実は、合同捜査本部は複数の捜査員で片山被告が保釈された今年3月5日から行動確認を続けていた。警視庁から投入されたのは、捜査1課で誘拐などの捜査に当たる精鋭の「特殊班」の捜査員。相手に感づかれずに尾行するプロだった。

誘拐の捜査に当たる精鋭の「特殊班」。ああ、なるほどそれなら尾行は得意だよね。
でも、誘拐の捜査って通信の傍受も得意ですよね。
よくいう逆探知とかです。
しかしこれをもし、してたら、これって号砲・・・。豪放なことしてたのかなw 

これを確認するにはいくつかあると思います。
1.自作自演メールで買ったシムを売っていた店に捜査員が聞き取りに来たのはいつか?
 まあ聞き取り自体、上の調査方法で調べてても行ってそうな気をしますが。15日以降に行ってるのならほぼ確実に心証黒ですね。買ったのは4月らしいし。尾行してたのなら、ほぼ確実に買った日に聞き取りをしてますよね。ということは自作自演メールの一か月前に、弁護団から認定されたい以外の通信機器を容疑者が持っているという認識であったということになります。

2.河川敷で容疑者を映したビデオや連日の尾行の報告書が証拠として出されない場合

3.弁護団が容疑者のスマホのGPSの追跡をしてみる

そういったGPSの追跡が今から可能かわかりませんけど。もし仮に当日、河川敷に容疑者行ってることが確認できれば、弁護側でも容疑者が確実に出したという傍証の一つなりますのでやるのは無駄だとは思いません。もしあたりが出た場合、失踪した時に、スマホの電源を落としてたのはなぜかなー?とはなりますが。

ということでまた妄想してみましたw

No title

これすご過ぎですね!
・遠隔操作ウイルス事件「真犯人」メールが再び届く 「早く片山さんに伝えて楽にしてあげてください」
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1406/01/news008.html

やっぱり尾行されていたのは当然で、片山さんもそれが頭にないはずがないですから、どうもおかしいと思っていました。

これが事実なら、没収された保釈金600万円も返ってきそうです。

映画化決定!?

先ほどの続きです。

真犯人メールのこの部分。
「片山被告に対しては、プライバシー情報を入手することで「従わなければ
今まで入手したプライバシー情報を全て拡散する」と脅したのだという。」
この程度の脅しで従うとは思えないし、片山さんも真犯人の計画に自分から
のったのかもしれませんね!

当然、母親が出してくれた保釈金1000万円がパーになるような事をやるはずがないだろう!と思っていましたが、真犯人の脅しでやったという事になれば、
保釈金は返ってくるでしょうし、片山さんもある意味で安心して事に及べると。

「それにしても世間の皆さんひどい手のひらの返しようでしたねぇ。まったくヒドイ世の中ですねー」
これもその通りで、それまでの警察・検察の不利な状況や、片山さんが保釈された時の記者会見の事は全く報じられないのに、スマホの自作自演メールや自分が真犯人です告白の報じ方といったら見ていられませんでした。

話は脱線しますが、この大事件が全く報じられない理由は分かりますが異常です。
・福岡の複数不明「遺体の遺棄関与」と夫
http://www.xanthous.jp/2014/05/14/fukuoka-chikugo-city-munder-suspicion-3/

今回の真犯人メールの内容が事実ならば、映画化してもらって
八木さんも是非、監修に加わってもらいたいですね。
警察OBは、警察の腐敗を告発されている飛松さん。
検察OBは、仲間に嵌められた元大阪高検公安部長の三井環さん。


No title

メール全文をみつけました。
・メールは今まで通りの25人に送られているらしい。その一人の矢野さとる氏(おーぷん2ちゃんねる管理人)が全文を公開しているので転載
http://blog.livedoor.jp/itsoku/archives/39135937.html

この真犯人のメールにある、
「片山さんが自殺を試みたとの報道がありましたが、生きていてくれてよかったです。
せっかく用意したゲームでプレイヤーに死なれてゲームオーバーになったんじゃ話にならないので。」
という部分。

そうだとすると、
首を吊ろうとして切れたベルトを持っていたという話が、佐藤弁護士からありましたが、信憑性を持たせるための片山さんの演出かもしれませんね。

「実は(これも)片山被告がタイマー機能を使って送信したメール」
2チャンネルのアンケートでこういう選択肢がありましたが、もしそうであれば、佐藤弁護士が言われていた「事実は小説より奇なり」どころではありません。

片山氏が自白したと言ってる割にその内容は乏しいですね。河川敷からメールが送られてくる前と状況は何も変わらないように思います。片山氏が使っていたPCにあった数万件という事件の報道関係サイトの閲覧はどうなったのでしょう。片山氏が真犯人だとするとそれをどう説明できるのでしょうか。それに雲取山に埋めたUSBの件もあります。片山氏は12月1日に埋めたと言ってるそうですが、これもおかしな話しです。検察は埋めた日については12月頃と言っていました。片山氏が登った12月1日と考えていないのです。これはUSBが写った写真の解析により12月1日ではないと思っているからです。シャフトの影から分かる太陽高度は1日とするには低すぎるからです。もっと後だと思っているはずです。6月1日のメールはさて置き、片山氏を真犯人とするには矛盾する話しが多過ぎます。

No title

名無し様

>>貴女の主張する片山氏を証拠隠滅で現行犯逮捕する点ですが、それは違法逮捕ですよね。
>>証拠隠滅罪は、他人の刑事事件に関する証拠を隠滅する罪ですから、片山氏がスマホを埋めていたとして

確かに、刑法104条の証拠隠滅罪は「他人の犯罪の証拠を隠滅すること」です。したがって、自分の犯罪には適用されません。しかしそれは、犯人が自分の罪の証拠を消そうとするのは当然なので、その罪を加えての起訴をされないということであって、犯人が証拠を隠滅している瞬間が警察に目撃されたら、もちろん、それは警察の事情聴取の対象にはなります。そうでないと、たとえば、殺人犯人が血のついた衣服を燃やしているところを警官が見たとしても、逮捕できないことになります。その場合は、自白に匹敵する直接証拠を見つけられた、ということになりますね。
(それに、片山氏が犯人でなかったとしたら、「証拠隠滅」の可能性もあるわけです)

やっぱり真犯人メール!?

単純に考えて、これって真犯人しかできないのではないでしょうか?

「新たなメールは1日午前0時過ぎ、ITmedia契約ライターや落合洋司弁護士らに届いた。宛先はこれまでのメールと同じとみられる。」

この「これまでの宛先」というのは、誰でも(模倣犯でも)知る事ができるのでしょうか?
関係者以外が知る事ができなければ、同じ宛先に今回のメールを
送る事ができるのは真犯人ですよね。

No title

自分のコメントのコピペ部分にみつけました。
「メールは今まで通りの25人に送られている」
ですよね。

今までに25人にメールを送ったという情報と、具体的な宛先の詳細を
関係ない者が知り得たのか?

No title

第10回公判の弁護団記者会見を見ると、神保さんが質問されているサーバーの件が、やっぱり片山さんが真犯人だとするとおかしいのでしょうか?(片山さん本人が、2台目のサーバーが分らない。)

・【遠隔操作ウイルス事件】片山被告、ウイルスが上書きされる仕掛けを自ら語る
http://www.youtube.com/watch?v=kxt6g3wUD8g

私、パソコンがど素人なのですが、八木さんはどう思われますか?
別に真犯人がいるとすると、今回のメールで片山さんが真実を話す
事ができるようになったので、佐藤弁護士との接見で聞くでしょうから時期に分るのでしょうが、早く知りたいですね。

ウイルスソフトをつくる事ができるかのテストはやらなかったのでしょうか?

証拠隠滅罪の関係ですが、現行犯逮捕の要件等を勉強し直した方が良いでしょう。

証拠隠滅に当たらない可能性高いのに事情聴取するために現行犯逮捕するって、そんな違法な捜査手法許されるんですか。

「殺人犯人が血のついた衣服を燃やしているところを警官が見たとしても、逮捕できないことになります。その場合は、自白に匹敵する直接証拠を見つけられた、ということになりますね。 」とありますが、その例でも証拠隠滅では現行犯逮捕できないでしょう。
なお、血が付着した服を燃やしたという事実は間接証拠ですね。

また、仮に片山氏が犯人ではない可能性があったとしても、片山氏がスマホを埋めた時点では、他人の刑事事件の証拠であることが明らかと判断することはできませんこら、証拠隠滅で現行犯逮捕することは無理でしょう。
警察が人の自由をそんな簡単に奪っていいはずがないです。

とにかく記事の文章は、片山氏を現行犯逮捕できたのに警察はしなかった、間抜けだと、読んだ人をミスリードしていると思われるので、そこは訂正した方が良いと思います。

No title

大庭孝広さん、映画化決定とか楽しそうですね。そういう気持ちの人がいて、そういう気持ちで当事件を見ているのはわかります。

私は八木さんの代弁者でもないし、八木さんとは見ず知らずなわけですが、まだ真相は薮の中で、八木さんだって全てお見通しであったり、推論できる材料を持っているはずもなく、故に語るべき時期でもなく、新メール以前のエントリーを野次馬的な興味だけで読まれることは望んでないように思いますよ。

明かされたくないプライバシー、罪をかぶってでも守りたいプライバシーなんてあるのでしょうかね。私自身は金融関係のプライバシーは財産の安全の為に死守したいですが、彼と同じ立場にあったら病歴も日々の行動も、PCの中身もブラウザのキャッシュも全世界にばらまかれても平気ですね。しかも既に彼はあることないことプライバシーが丸裸にされています。もし時効になっていない、現在の容疑より重い犯罪を犯していたら別ですが。
いずれにしろ、この事件で翻弄されたのは当事者である誤認逮捕された人々、警察、検察、報道関係、弁護人、八木さんなどの方々、そして私たち。この経験をふまえて、当事件から派生するものを見、行動しないと、警察や検察や報道のありかたを批評、批判できないと思いますよ。

No title

>犯人が証拠を隠滅している瞬間が警察に目撃されたら、もちろん、それは警察の事情聴取の対象にはなります。そうでないと、たとえば、殺人犯人が血のついた衣服を燃やしているところを警官が見たとしても、逮捕できないことになります。

事情聴取と逮捕は全然違うわけで、血の付いた衣服を燃やしたって逮捕は無理じゃないですか?


>その場合は、自白に匹敵する直接証拠を見つけられた、ということになりますね。

何が直接証拠だとおっしゃっているのでしょうか? 血の付いた衣服も、それを燃やしていたという目撃証言も殺人の直接証拠にはならないと思いますが。

そもそもスマホを河川敷に埋めるという行為は、いかにも怪しい行為ではあっても、ただちに証拠隠滅だと言えるような行為なんでしょうか?少なくとも現行犯で逮捕できるというような行為ではないように思いますが。


「君たちマヌケだから、僕が負けてあげるよ(笑)」
というのも、あるだろう。
万が一の事があってもプライド守れるし、
自分の中では権力をあざ笑ったことになる。

「権力がとりうる手段」の予想と採点とかは、犯人さんの「遊び」のほんの一角でしかない・・・。
というのはこれ以上、真犯人(笑)が出てこない場合の話。

全部まとめて何がしたいのかわかんないけど、シナリオとしては分岐数に富んでいて素晴らしい。追いつめても追いつめても逃げの一手を打たれそう(笑)

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