さて、どうお受けになりますか:東京弁護士会を追い詰めてまいります

 さて、しばらく間が空いてしまいましたが、別に遊んでばかりいたわけではありません。
 東京弁護士会からは、なんと、下のような身もフタもないお返事が配達証明で届きました。

 東京弁護士会からの回答

 前回の「お手紙」扱いに比べれば、多少、返信に真面目さが見受けられますが、それにしても馬鹿にした内容であります。

 そうこうしているうちに、6日3日付けの東京新聞「こちら特報部」で、大きく、この問題について取り上げて下さいました。見出しだけでも、「陸山会事件虚偽報告書元検事に『不起訴不当』」「審査員への助言は元検察幹部」「検審の議決を誘導」「公正 疑われる人選」「開かれた司法に逆行」と、センセーショナルです。

 むろん2ページにわたる記事内容も、検審経験者へのインタビューや、弁護士自治とは何の関係もない他弁護士会の公正かつ明快な補助弁護士選任方法とも比較し、東京弁護士会の補助弁護士選任が、内部にさえ公開されていない、いかにも後ろ暗い代物であることを明るみにした、気合いの入った記事です。

 これを受けまして、さっそく、当会でも、三度目の公開質問状を送らせていただくことにいたしました。

先般の公開質問状に対するご回答は到底納得できる内容ではないため、再度、貴会において、弁護士会としての社会的責任を踏まえた、具体的かつ明確な回答をして頂くため、再度の公開質問を行う。

1. 元検事による虚偽の捜査報告書作成事件は政治的意味合いを持っており、検事正まで務めた人物が 審査補助員をしたことは、公正とは言えないことは、2013年6月3日付け東京新聞の記事を読むまでもなく明らかである。したがって、前回の質問状に対する回答である、「当会として適切かつ公正に選考し、推薦している」という回答は回答になっていない。

他弁護士会の場合、補助弁護士の推薦は、常議員会(あるいはそれと同等のもの)の議決によって決めるべきで、且つ、時間がない場合には、弁護士推薦委員会に諮問し、その答申をへて会長が決め、その場合でも常議員会に報告を行わなくてはならないとの回答を得ている。
東京弁護士会の場合も、同等の手順を適応されるのが相当と思われるが、実際には、東京弁護士会 の会報では、日付からして第5回常議員会の議題には、これに相当するものはない。

東京弁護士会が、実際に「適切かつ公正に選考し、推薦」しているのであれば、当然ながら、合議 によって推薦がなされているべきであり、また、報告も行われているはずであり、したがって、その内容を一般に公開できない理由はないはずである。

2. 回答書において、「選考過程を公表しないという取り扱いは、弁護士自治にも関わることから弁護士会として一般的であると認識している」とあるが、上記の質問は、具体的に澤弁護士の選考過程について尋ねているわけではない。
貴会から開示を受けた『審査補助員候補者及び指定弁護士候補者選任等に関する規則』の第7条第3項は、「会長は、審査補助員候補者又は指定弁護士候補者の推薦依頼を受けた場合は、原則とし て、推薦候補者名簿の中から、適切と思われる弁護士会員を合理的な方法をもって選択して推薦するも のとする。」と定めている。そこで、この規定にいう「合理的な方法」が、実際にどのようなものであるかを明らかにすべく、補助弁護士が東京弁護士会において、一般的にどのように推薦されているかを尋ねているわけであり、かつ、澤弁護士の推薦がそれに基づいて正当に行われたのかどうかを尋ねているのであって、これを明らかにすることは、「不祥事の未然の防止に努め、紛議調停・綱紀・懲戒などの手続に基づき、弁護士会の指導監督を徹底し、信頼の確保に全力を尽くします。」との菊池祐太郎会長のモットーでもあるはずである。

もし、貴会において、補助弁護士の選任が、同規定の趣旨に反して、「合理的な方法」ではない方法で行われていたのであれば、その旨を明らかにし、今後、「合理的な方法」による選任に改めることを、社会に対して明らかにすべきである。

3. 『条解弁護士法(第4版)』(日本弁護士連合会調査室編著)によれば、「弁護士自治とは、弁 護士の資格審査や弁護士の懲戒を弁護士階層の自律に任せ、またそれ以外の弁護士の職務活動や規律を、裁判所、検察庁又は行政官庁の監督に服せしめない原則をいう。(中略)弁護士自治の内容は、1 弁護士会による弁護士資格試験の施行、2 弁護士会による弁護士実務修習の施行、3 弁護士資格の付与と登録を弁護士会が行うこと、4 弁護士に対する監督と懲戒を弁護士会が行うこと、5 強制加入性の弁護士会が設立されること、に要約することができる」とされている。

しかし、補助弁護士の選任は、上記1〜5のいずれにも該当しないと考えられ、合理的な選任が行われたかどうかを説明することは、弁護士会に対する信頼の問題であって、弁護士自治に関わるという理由付けは、およそ社会の理解を得られるものではないと考える。さらに、今回のように検察庁との関わりが極めて深かった人物を補助弁護士として推薦すれば、それ こそ、弁護士自治の内実が疑われかねないのであって、貴会の前回の回答は、全く理由になっていないともいえる。

本件では、司法の一翼を担う貴会が審査補助員候補者の推薦制度を適切に運用しているか否かについて重大な疑義が生じているものであることから、司法が国民の信頼を取り戻すためにも、上記の疑問に対して、改めて、きちんとした説明を行って頂くことを要望する。
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 東京弁護士会さん、まさか、当会が「噂」で耳にしているように、陸山会事件にしても、田代事件にしても、これほどの大事件の補助弁護士を「人事委員会にも全く諮らず、担当副会長と会長だけでこっそり勝手に決めた」なんてことはないですよねえ。もちろん、そうだとしたら、何を疑われても申し開きはできないはずですし、きちんとした説明ができないのも道理ってことですけど。

 ところで、今週土曜に、神奈川県民センターで、この件も含め、検察問題と検審問題などに関する講演を行います。参加費わずか500円ですので、どうぞお気軽にご参加下さい。詳細とお申し込みは、こちらです。

テーマ : 政治・経済・時事問題
ジャンル : 政治・経済

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