九州電力と佐賀県の新たなる「やらせ」タッグ
第三者委員会が指摘した、2005年に開かれた九州電力玄海原子力発電所(佐賀県玄海町)のプルサーマル発電計画を巡る公開討論会での「やらせ」問題について。
これはある意味、やらせメールなどよりよほど大きな問題でした。
会場の過半数が推進派になるように社員や関係者を動員し、かつ、やらせ質問をおこなって、「最後は推進派で終わらせ」、それをもって「推進派に分がある」としてプルサーマル導入を事実上決定した、重要な公開討論会だったからです。
この問題については、佐賀県が百条委員会でも第三者委員会でもなく、副知事を座長にした調査チームという甘々な体制で検証していたのだが、ここに、ひとつの落とし穴があったのは周知の通り。
つまり、この「露骨な動員」「やらせ質問」を県が容認していたのであれば、それは九州電力との露骨な癒着であり、県民に対する重大な裏切り行為であり、知事の責任は免れない。
そして、県が関知していなくて、九電が勝手にやったのであれば、これは、県の重大な主催事業の結果を勝手に私企業の利益のために歪めたことになるのだから、偽計業務妨害に相当するとして、県は九電に対して、それなりの対応をすることが要求される。
もちろん、いままでこれだけの問題に関して、佐賀県知事が、九電に対して、なんのアクションも起こしていなかったこと自体が、もう見え見えだったのが、今日になって、出してくる結論が、苦しまぎれの、「県知事は知らなかったが、県職員は知っていた」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111120-00000820-yom-soci
なんとか、大阪地検特捜部「FD改竄事件」問題と同じように、トカゲの尻尾切りで済ませようというのがあからさまな結論です。
しかし、これは村木さんの事件のように、部下が書類一枚を夜中に勝手に作ったという話ではないんですよね。
これだけの規模の重大な公開討論会の内幕が、知事にまったく報告されず、職員だけで勝手に仕切るって、佐賀県、どんだけガバナンスむちゃくちゃで、それに「まったく気づかない知事」ってどんだけ無能なの?!
そんな重大な報告ひとつ知事にあげないほどの県庁なら、原発事故が起こっても知事はまともな報告を受けられないってことです。そんな無茶苦茶な運営の県に原発って正気の沙汰ではありません。
落とし穴を必死で避けたつもりが、首に「無能」の札を吊り下げたようなものじゃありませんか。
落とし穴を避けたつもりと言えば、もっと間抜けなのが九州電力です。
郷原弁護士にボコボコにやられていたところを、謎の人物「九州太郎氏」による、私に簡単に論破される程度の怪文書レベルの誹謗中傷ブログを真に受けて、というか、「救いの神登場!」と狂喜乱舞して、ブログのプリントアウトを社内で配ったり、このブログを社員に読ませるために、社内ネットワークのアクセス禁止解除をしたまでは、たぶん、無邪気に「ヤッター」と思っていたんでしょうね。
で、マスコミからの問い合わせにも、得意げに「解除したのは『九州太郎ブログだけではなくて、ヤフーブログ全体』」とお答えになったそうです。要するに、九州太郎ブログだけを解除したのではないという理屈で、批判を避けようとしたと。
これを知って、お腹を抱えて大爆笑したのが、我がヲタ仲間である、周囲のIT関係者たち。
そもそも、企業や学校などで、セキュリティのために「ブログや有害サイトなど、業務に関係ないサイトについて基本的に社員が閲覧できないようブロックするシステムを採用している」場合、その理由は、マルウェア対策およびサボりの禁止ということです。
マルウェアというのは、いわゆる「不正かつ有害な動作を行う意図で作成された悪意のあるソフトウェアや悪質なコードの総称」、いわゆるウイルスとかトロイの木馬とかスパイウェアとかのたぐいの総称なわけで、マルウェア防止という観点からは、安全が確認された特定のサイトとかならともかく、「ヤフーブログ」のような巨大な規模の、(コメント欄も含めて)誰でも匿名で書き込めるようなところを、まるまる制限はずすと、まったくセキュリティの意味がないわけ。
全てのマルウェアに完全に対応したセキュリティソフトなどは存在しませんから、これを許可するというのは、マルウェア対策としては巨大な抜け穴を作ったようなもので、それを「大丈夫」と言ってのける九電のセキュリティ関係部署って、NASA以上の天才集団をずらりと揃えて、24時間監視体制でも敷いていらっしゃるのか、そうでなければ、よほどの○○。
ということで、ある大企業のセキュリティシステム管理をしているシステムエンジニアの知人が笑いながら語ってくれたところによりますと。
「本来、ブログ全体にアクセス制限をかけるレベルの高度なセキュリティを必要とする会社であるなら、ヤフーブログをアクセス解除するのは、非常に危険。ブログに貼り付けられているウイルスなどは膨大にあり、ウイルスならまだ良いが、トロイの木馬型のP2Pソフト(一時期問題になったWinnyのようなファイル共有ソフト)などを送り込まれると、感染パソコンの中の書類がごっそり流出する。それを個別に防ぐ方法はまったくない」
「その程度の会社なら、おそらくOSもWindowsで、それも最新版ではないと考える。となれば、社員の使用しているインターネットブラウザもInternet Explorerの旧バージョンやメールソフトにOutlook Expressである可能性が極めて高く、外からの攻撃には極めて脆弱」
「セキュリティソフトだけで完全に防ぐことはまったく無理だし、そもそもまともなシステムエンジニアなら『問題がない』と言うはずはない」
「このことだけで、九州電力がどれほど馬鹿な会社か、世間に恥をさらすようなもの」
へー。
ということで、速攻で福岡に電話して、九州電力でお仕事したことがあるという知人に訊いてみましたら、九州電力の社員の方って、Word 97-2003 文書しか開けられないんだそうですよ。で、せめて、Word2007をインストールしてくれと言っても、パソコンのOSが古くてできないと拒否されたとか。
あのー、Word2007って、Windows XPに搭載できるんですけど....。てことは、九電て、いまだにWindows2000とか、Windows me とか使ってるってことなんですけど.....
そういう会社が、セキュリティに自信があるって.......お笑いを通り越してる気が。
で、まあ、そこまでして読ませたい「kyushutaro110」氏のブログ。
執拗に攻撃しているわりには、イケメンだのインテリ顔だの低音の通る声だのと、「妙なところに一定の評価」を下していらっしゃる郷原弁護士に、連日、すごいエネルギーを投入して粘着していらっしゃいます。そんなにまでして振り向いてもらいたいのでしょうか。
朝日「法と経済のジャーナル」で、憧れの郷原弁護士にコメントしてもらったことで、悶絶の喜びのようです。いじらしくて胸が痛みます。
http://astand.asahi.com/magazine/judiciary/chosa/2011111600009.html
ひとつ忠告しておきますが、男を振り向かせたかったら、粘着して「私はあなたのことをこんなに見ているのよ」って強調するのは逆効果ですわよん。
とはいえ、このブログ、一部では、しっかり、やらせブログとみなされているようです。
http://www.data-max.co.jp/2011/11/21/post_16417_dm1739_1.html
まあ、ふつう、まともな人間で、まして経営などを預かる人間なら、特殊な内部告発みたいな例を除けば、正体不明の人のネタなど真に受けたり、頼りにする方がおかしいわけですから、九電の社長の頭がまともなら、情報源を知っているんだろうと推定するのが、ふつうです。
となれば、やらせメール事件を起こした挙げ句に、その自分で選んだ第三者委員会の結論が気に入らないという理由で、その報告を足蹴にするような会社ですから、疑われてもしょうがないですよね。
ただ、そうであれば、やらせメール事件以上の不祥事になるのは避けられないでしょうね。
と思っていたら、明治大学情報コミュニケーション学部教授のえした先生が、この問題についてGJなつぶやきを。
郷原さんのインタビューで指摘されている内容によれば、九電の社長が行ったことは、「正体不明のサイトにアクセスできないようにする」原則に反するわけだが、それとも九電社長はこのブログ運営者のことを個人的に知っているのだろうか。それなら話は別である。
今回の九電の問題は「やらせ」である。「やらせ」問題で揺れる九電の経営者が、さらなる「やらせ」を疑われるようなことはすべきでないだろう。九電社長がこのブログになぜ関心を持ったのか。どのような内容であれ、利害関係が複雑な問題に関しては、「誰が言ったか」は重要なチェックポイントだ。
まあ、人間、自分の信じたい情報を信じてしまうし、自分に近い意見は、それが誰のものであろうと信用しがちな傾向があることは確かだろう。しかし、公益企業の経営者が、経営の根幹に関わる問題に取り組むときに、情報発信源の確認をしないというのは異様というほかはないのではないか。
以下、トゥギャっておきましたので、是非、こちらもご一読を。
http://togetter.com/li/217600
これはある意味、やらせメールなどよりよほど大きな問題でした。
会場の過半数が推進派になるように社員や関係者を動員し、かつ、やらせ質問をおこなって、「最後は推進派で終わらせ」、それをもって「推進派に分がある」としてプルサーマル導入を事実上決定した、重要な公開討論会だったからです。
この問題については、佐賀県が百条委員会でも第三者委員会でもなく、副知事を座長にした調査チームという甘々な体制で検証していたのだが、ここに、ひとつの落とし穴があったのは周知の通り。
つまり、この「露骨な動員」「やらせ質問」を県が容認していたのであれば、それは九州電力との露骨な癒着であり、県民に対する重大な裏切り行為であり、知事の責任は免れない。
そして、県が関知していなくて、九電が勝手にやったのであれば、これは、県の重大な主催事業の結果を勝手に私企業の利益のために歪めたことになるのだから、偽計業務妨害に相当するとして、県は九電に対して、それなりの対応をすることが要求される。
もちろん、いままでこれだけの問題に関して、佐賀県知事が、九電に対して、なんのアクションも起こしていなかったこと自体が、もう見え見えだったのが、今日になって、出してくる結論が、苦しまぎれの、「県知事は知らなかったが、県職員は知っていた」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111120-00000820-yom-soci
なんとか、大阪地検特捜部「FD改竄事件」問題と同じように、トカゲの尻尾切りで済ませようというのがあからさまな結論です。
しかし、これは村木さんの事件のように、部下が書類一枚を夜中に勝手に作ったという話ではないんですよね。
これだけの規模の重大な公開討論会の内幕が、知事にまったく報告されず、職員だけで勝手に仕切るって、佐賀県、どんだけガバナンスむちゃくちゃで、それに「まったく気づかない知事」ってどんだけ無能なの?!
そんな重大な報告ひとつ知事にあげないほどの県庁なら、原発事故が起こっても知事はまともな報告を受けられないってことです。そんな無茶苦茶な運営の県に原発って正気の沙汰ではありません。
落とし穴を必死で避けたつもりが、首に「無能」の札を吊り下げたようなものじゃありませんか。
落とし穴を避けたつもりと言えば、もっと間抜けなのが九州電力です。
郷原弁護士にボコボコにやられていたところを、謎の人物「九州太郎氏」による、私に簡単に論破される程度の怪文書レベルの誹謗中傷ブログを真に受けて、というか、「救いの神登場!」と狂喜乱舞して、ブログのプリントアウトを社内で配ったり、このブログを社員に読ませるために、社内ネットワークのアクセス禁止解除をしたまでは、たぶん、無邪気に「ヤッター」と思っていたんでしょうね。
で、マスコミからの問い合わせにも、得意げに「解除したのは『九州太郎ブログだけではなくて、ヤフーブログ全体』」とお答えになったそうです。要するに、九州太郎ブログだけを解除したのではないという理屈で、批判を避けようとしたと。
これを知って、お腹を抱えて大爆笑したのが、我がヲタ仲間である、周囲のIT関係者たち。
そもそも、企業や学校などで、セキュリティのために「ブログや有害サイトなど、業務に関係ないサイトについて基本的に社員が閲覧できないようブロックするシステムを採用している」場合、その理由は、マルウェア対策およびサボりの禁止ということです。
マルウェアというのは、いわゆる「不正かつ有害な動作を行う意図で作成された悪意のあるソフトウェアや悪質なコードの総称」、いわゆるウイルスとかトロイの木馬とかスパイウェアとかのたぐいの総称なわけで、マルウェア防止という観点からは、安全が確認された特定のサイトとかならともかく、「ヤフーブログ」のような巨大な規模の、(コメント欄も含めて)誰でも匿名で書き込めるようなところを、まるまる制限はずすと、まったくセキュリティの意味がないわけ。
全てのマルウェアに完全に対応したセキュリティソフトなどは存在しませんから、これを許可するというのは、マルウェア対策としては巨大な抜け穴を作ったようなもので、それを「大丈夫」と言ってのける九電のセキュリティ関係部署って、NASA以上の天才集団をずらりと揃えて、24時間監視体制でも敷いていらっしゃるのか、そうでなければ、よほどの○○。
ということで、ある大企業のセキュリティシステム管理をしているシステムエンジニアの知人が笑いながら語ってくれたところによりますと。
「本来、ブログ全体にアクセス制限をかけるレベルの高度なセキュリティを必要とする会社であるなら、ヤフーブログをアクセス解除するのは、非常に危険。ブログに貼り付けられているウイルスなどは膨大にあり、ウイルスならまだ良いが、トロイの木馬型のP2Pソフト(一時期問題になったWinnyのようなファイル共有ソフト)などを送り込まれると、感染パソコンの中の書類がごっそり流出する。それを個別に防ぐ方法はまったくない」
「その程度の会社なら、おそらくOSもWindowsで、それも最新版ではないと考える。となれば、社員の使用しているインターネットブラウザもInternet Explorerの旧バージョンやメールソフトにOutlook Expressである可能性が極めて高く、外からの攻撃には極めて脆弱」
「セキュリティソフトだけで完全に防ぐことはまったく無理だし、そもそもまともなシステムエンジニアなら『問題がない』と言うはずはない」
「このことだけで、九州電力がどれほど馬鹿な会社か、世間に恥をさらすようなもの」
へー。
ということで、速攻で福岡に電話して、九州電力でお仕事したことがあるという知人に訊いてみましたら、九州電力の社員の方って、Word 97-2003 文書しか開けられないんだそうですよ。で、せめて、Word2007をインストールしてくれと言っても、パソコンのOSが古くてできないと拒否されたとか。
あのー、Word2007って、Windows XPに搭載できるんですけど....。てことは、九電て、いまだにWindows2000とか、Windows me とか使ってるってことなんですけど.....
そういう会社が、セキュリティに自信があるって.......お笑いを通り越してる気が。
で、まあ、そこまでして読ませたい「kyushutaro110」氏のブログ。
執拗に攻撃しているわりには、イケメンだのインテリ顔だの低音の通る声だのと、「妙なところに一定の評価」を下していらっしゃる郷原弁護士に、連日、すごいエネルギーを投入して粘着していらっしゃいます。そんなにまでして振り向いてもらいたいのでしょうか。
朝日「法と経済のジャーナル」で、憧れの郷原弁護士にコメントしてもらったことで、悶絶の喜びのようです。いじらしくて胸が痛みます。
http://astand.asahi.com/magazine/judiciary/chosa/2011111600009.html
ひとつ忠告しておきますが、男を振り向かせたかったら、粘着して「私はあなたのことをこんなに見ているのよ」って強調するのは逆効果ですわよん。
とはいえ、このブログ、一部では、しっかり、やらせブログとみなされているようです。
http://www.data-max.co.jp/2011/11/21/post_16417_dm1739_1.html
まあ、ふつう、まともな人間で、まして経営などを預かる人間なら、特殊な内部告発みたいな例を除けば、正体不明の人のネタなど真に受けたり、頼りにする方がおかしいわけですから、九電の社長の頭がまともなら、情報源を知っているんだろうと推定するのが、ふつうです。
となれば、やらせメール事件を起こした挙げ句に、その自分で選んだ第三者委員会の結論が気に入らないという理由で、その報告を足蹴にするような会社ですから、疑われてもしょうがないですよね。
ただ、そうであれば、やらせメール事件以上の不祥事になるのは避けられないでしょうね。
と思っていたら、明治大学情報コミュニケーション学部教授のえした先生が、この問題についてGJなつぶやきを。
郷原さんのインタビューで指摘されている内容によれば、九電の社長が行ったことは、「正体不明のサイトにアクセスできないようにする」原則に反するわけだが、それとも九電社長はこのブログ運営者のことを個人的に知っているのだろうか。それなら話は別である。
今回の九電の問題は「やらせ」である。「やらせ」問題で揺れる九電の経営者が、さらなる「やらせ」を疑われるようなことはすべきでないだろう。九電社長がこのブログになぜ関心を持ったのか。どのような内容であれ、利害関係が複雑な問題に関しては、「誰が言ったか」は重要なチェックポイントだ。
まあ、人間、自分の信じたい情報を信じてしまうし、自分に近い意見は、それが誰のものであろうと信用しがちな傾向があることは確かだろう。しかし、公益企業の経営者が、経営の根幹に関わる問題に取り組むときに、情報発信源の確認をしないというのは異様というほかはないのではないか。
以下、トゥギャっておきましたので、是非、こちらもご一読を。
http://togetter.com/li/217600
テーマ : 政治・経済・時事問題
ジャンル : 政治・経済