トークライブ3「郷原信郎×八木啓代」弾圧する側・される側

いきなりテキーラの飲み方講座で始まった第二部。
郷原先生がテキーラを味わっておられる間、大熊ワタルさんからのデモ報告です。西口中央公園を出発地にされ、デモルートも直前変更、さらに大回りルートで新宿駅近くに近寄れなくされてしまった。

さらにアルタ前では、花壇を作るという名目で植え込みあたりが白い金属板で覆われ、大勢の人が集まれないようにされてしまった。そこで、主催グループが、白い金属板なら、そこにメッセージを投影しようと計画して、それをホームページに載せたところ、一夜にして、金属板が透明板に変えられてしまった(会場から笑い)
朝から警察車輌がたくさん貼りついていて、イベントもさせようとしない。そこで新宿駅東南口付近でイベントを始めたら、一時間ほどで気づかれて、警察に止められた.....というような状態だったようです。それでも交渉して、なんとか飯田哲也氏や福島瑞穂氏、制服向上委員会、ジンタらムータなどでイベントを行えたようですが。
一方、十数人が逮捕されたようで、主催者の「素人の乱」の人たちもマークされたようです。若い参加者が列を少し乱したりしたことを盾にとって、監督ができていないと、主催者側の人間に公務執行妨害を適用するなど、かなりやりたい放題だったとのこと。

「そういうの、どうなんですか.....元公安検事の郷原さん?」
八木の無体そのものの突っ込みに、一瞬とはいえ、さすがに頭を抱える郷原弁護士。
それは本にも書いてありますから。私は三年もバリバリの公安検事でしたし、過激派の非公然活動家の『弾圧』もやってました(笑)」
会場騒然です。「なぜですかっ?」という声も。(駄目ですよ、読まなきゃ)

「あのころは、テロが多かったんですよ。で、当時の非公然活動家というのは、地下に潜伏している人たちで、世の中から遊離している感じがあった。私は彼らが本当に革命の夢を実現しようとしているようには思えなかったので、本人のためにも、これは転向させてあげた方が良いんじゃないかと思って....」(会場大爆笑)
「ちゃんと思想対思想で話をしましたよ。私、(検察官になる前に、鉱山技師として)炭鉱で働いていたことあったから。そう言うと、ふつうは完全黙秘の人たちも話をしてくれるんです」
ちょっと郷原先生、微妙に自慢モードに入っています......と、ここで大熊さんが冷水を。

「でも、最近の弾圧はひどいものがあります。たとえば、山谷や釜ヶ崎の労働者やホームレスの人々で、住民票がないために公的な扶助を受けられない人たちに、公園や特定の場所で住民票をとらせて救済するために活動している人たちが、たとえば免許証の住所が実際に住んでいる場所と違っているなどの微罪で片っ端から逮捕されているんです」
「免状不実記載ですね。これ、昔もかつて多用してましたね。でも、ほとんど逮捕だけの20日勾留で起訴されることはありませんでした」
「それって、警察の問題で検察の問題ではないということですか?」と八木。
「そういうことです。だから、ふつう逮捕だと報道されるのにされないでしょ。今回の場合も、逮捕を報道するとデモのことも報道しなくてはならなくなるから報道しない」
ここで、大熊さんの補足です。以前は、沖縄基地問題などでデモをやると、やはり些細なことで逮捕して、しかもそれを『こういう乱暴な人がいたので逮捕しました』といった、デモそのものを誤解させるような形で、警察情報のままにすぐ報道された。ただ、原発事故以後、出物動きが多くなってくると、デモ自体を報道したがらないようになっていて、その結果として、逮捕も報道されなくなってきている。

ただ、それもまだ、日本のデモの規模がそれほど大きくないからでは?、と八木。
ロンドンのデモが暴徒化したように、いま、南米のチリで、数十万人規模の学生デモが盛り上がっているが、その平和的なデモに対して、当局がわざと、暴徒化プロジェクトを図っており、デモの評判を落として、一般市民と遊離させるとともに、暴力的な鎮圧を正当化しようとしている動きがある。日本のデモも将来的に規模が大きくなってくると、その可能性に気をつける必要がある。

なぜチリかというと、38年前の9.11に、民主的に世界初の社民政権が成立したが、これが米国の国益に反したために、米国と対立し、ついにクーデターが起こった、そのメモリアルデーだから。
ちなみに、この日、八木が腕に巻いている赤い腕章は、そのクーデターの生き残りの人のものです。
当時、米国と対立していたチリ大統領は、SPをつけることができなかった。(チリでは軍隊と警察の幹部は米国で訓練を受け、米国派だったため) そのいつ暗殺されるかわからない無防備な大統領のために、当時のチリ大学の学生有志が人間の盾となった、そのグループの身分証明です。むろん、クーデターで、その人たちの大半もなくなったわけですが。
9.11というとアメリカのツインタワーのテロの話ばかりが取り沙汰されるが、中南米で9.11というと、こちらのテロが有名です。

さて、それはいいんですが、ここから検察問題にどうつながるのか。
八木がむりやり、力業で話をつなぎます。
ラテン歌手のあたくしが、郷原弁護士の隣に座っている理由。それは、昨年11月1日に、あたくしを代表とする市民グループが、前田恒彦元検事を、特別公務員職権濫用罪で刑事告発し、その告発状を、郷原先生が「よくできています」と、褒めてくださったからなのですが、なぜ、それでは、ラテン歌手が、そんなことをしようとしたのか。
book.jpg
それは、この本に書いてありますし、過去のブログでも書いたことなので、ここでは省略させて頂きます。ひとことでいうと、小沢問題とまったく同じ構造の事件が、メキシコで起こっていたので、それをリアルタイムで体験していた八木が、小沢事件を見たときに「相当気持ち悪く感じた」という件です。

この件に関して、郷原先生は、中南米とアメリカの関係、と、日本とアメリカの関係はちょっと違うのではないか。また、検察をよく知る立場として、問題はそれほど同じ構図とは思えないし、検察がそうストレートにアメリカの意図通りに動いているとは考えにくい。ただし、自分の経験はかなり以前のもので、最近の鈴木宗男事件や朝鮮総連の事件などを考えると、ストレートな命令ではないかもしれないが、警察が相当政治的な力を忖度して動いている、間接的にそう言ったことを考慮して動くということは、以前と比べると多くなっている気はします。

「尖閣事件の時は、検察が外交判断までやっていますよね」と八木
「そういう意味では、あれも検察が利用されたわけですよね。政権の側に.....ただ、小沢問題は、特捜の力が地に墜ちて、あんな出鱈目なことをやったと思います。もしアメリカの意向を受けてやったのだとしたら、もっとマシなことをやったんじゃないかと。でっちあげるにしてもみっともなさすぎで、だから私にボロクソに言われて、結局言ったとおりになってしまっているんですよ.....でも、それにしてもメキシコの検察も相当出鱈目ですね(笑)そういう意味では負けてないですね(笑)」

(続く)

テーマ : 政治・経済・時事問題
ジャンル : 政治・経済

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