トークライブ「郷原信郎×八木啓代」九電やらせメール中間報告書にまつわる不思議

皆様、昨夜はありがとうございました。

9.11というメモリアルデーでの、郷原信郎弁護士と私による新宿ネイキッド・ロフトでのトークライブ。反原発デモやその他の多くのイベントと重なって、動員が心配されましたが、ツイッターだけの宣伝で、ほぼ満席という良い雰囲気でしたね。
舞台と客席が近い、楽しいイベントだったと思います。

まず、テーブルに、どんとテキーラHornitoの瓶。八木のリクエストで、塩と串形切りのレモンと氷。もうこれだけで、すでに普通の郷原弁護士のレクチャーとは様相が異なっております。

ちょうど鉢呂大臣の不可解な辞任劇の直後とあって、まず、話題は、そこから。

すでに郷原弁護士がTwitlongerでコメントを発表されており、(このコメントが大変な勢いでリツイートされ、それだけで、1日でフォロワーが300人ぐらい増えたのだそうで)、それに準じた内容ではあるのですが、要するに、「辞任の理由になるようなことでもないのに、事実関係もはっきりしないのに辞めるのは不可解だ」「でも、そんなことも判断できずにちょっと叩かれて辞めるぐらいの人なら、どうせ大した仕事はできなかっただろう」あたりですか。(極めて乱暴な要約)

「(思い切ったことをやるのであれば、)『土俵際の魔術師』菅直人を見習ってほしいですね」
というのは、郷原先生の名言です。

そして、真偽の程さえ明らかでない鉢呂発言のせいで、かなり脇に追いやられましたが、木曜に、やらせメール事件に関して、中間報告書の出た九電ネタ。

いわゆる「“やらせメール”は、古川知事の発言が発端と認定される」と、正確には、「調査結果を総合すると、発言当時の古川知事の意図あるいは真意は措くとして、同知事が懇談の場で同メモの記載と同様ないしは同趣旨の発言を行なったことは否定し難いものと思われる。」という調査委報告に関して、当の九電が「記載内容が一部事実と異なると県知事からコメントされております」と反論。

これに、当の郷原第三者委員長が「事実調査を委員会に委ねている中、九電から中間報告とは異なる独自の見解が出されたことに、いささか驚いています」と返す、という、ほんとに異例の展開になっているのでございます。

で、ここまでは、テレビや新聞でも報道されている経緯なのでして、なかでも、産経新聞の報道はかなり素敵です。
「九電内部には『検察出身の郷原氏主導で、知事を犯人にストーリーを描く“検察的”手法だ』と拒絶反応」
http://sankei.jp.msn.com/region/news/110910/fkk11091002040000-n1.htm

トークライブの席で、これを突っ込みのネタにしない手はございませんよね。

「....と、新聞に書かれていますが」
 郷原弁護士、まず爆笑。「私が特捜出身だから? そんなこと誰が言っているんですか?」
「具体的には書いていませんねえ。『九電内部』というだけで」
「社員の人たちは、言ってませんよ」
「一部の人ってことですね」

ところで、と、あたくしは続けます。
じつは、この中間報告書、新聞には書かれていない重大な事が書かれているのです。

いや、正確に言いますと、知事の発言が発端かどうかなんてのは些末なことであって、報告書に書かれている『本当に凄いところ』は、なぜかメディアで報じられていないということに、昨夜、このトークライブのための下調べをしていて、あたくしは気づいてしまったのですよ。

というわけで、みなさま、まず、この中間報告書を皆様、ダウンロードなさってください。

九電のホームページ。http://www.kyuden.co.jp/

この一番目だつところに、「第三者委員会の中間報告(9月8日)に関する当社見解について」という反論が書いてありまして、「第三者委員会「中間報告」の記述に関する当社見解について(追加)」という添付ファイルがリンクしてあるのですが、その下に「第三者委員会からの中間報告の受領について」というリンクがあり、別ページに行けるようになっています。
その別ページのさらに下の方にあるリンク、これが問題の中間報告書なのです。

時間のある方は、このわかりにくいリンクを辿るのは、「九電の、中間報告書をできるだけ見せたくない、という想い」が非常に涙ぐましく伝わってきて、楽しめますが、直リンクはこっちです。
http://www.kyuden.co.jp/var/rev0/0036/8447/notice110908_02.pdf

が、これがすごい。なにがすごいって、知事の発言の真意についてはクレームつけてる九電も、7ページ以後に書かれている部分の内容には何のコメントもせずにスルーしているってことは、事実として認めているってことなんですが、

では、7ページ目以後に何が書かれているのでしょうか。

九電はこれまでにも、何度もシンポジウムや説明会をおこなっているのですが、委員会はその一つ一つを調査して、その結果が報告書に書かれています。
たとえば、プルサーマルシンポジウムでは、原子力安全保安委員会の依頼として、「九電関係者の動員、さくら質問等、『取り注』でお願いする。」と書かれた社内文書が発見されている。

そして、佐賀県討論会では、「約 1000 名の申込者のうち、約 650 名が「九州電力関係者」であるとする記載がある」。
さらに、
九州電力の社員等の中から、当日会場において手を挙げて質問をする「質問者」を確保した上で、九州電力において 質問を準備して各質問者に割り当て、さらに質問者を会場内にまんべんなく配置することにより、推進派ないしは中立的な質問がなされるように準備していた。
具体的には、佐賀支店及び玄海原子力発電所において、それぞれ約 20 名の質問者 を確保し、原子力管理部において 26 問程度の質問を準備した。


いやもう、発端の「やらせメール」なんてどうでもよくなっちまうような、もの凄い工作っぷりが書かれているわけです。そのあとも、同様の「工作」が次々と具体的に.....。

言ってみれば、九電がらみの説明会やシンポジウムや公開ヒアリングでは、具体的にわかっている分だけで、常に参加者の過半数が九電社員や関係者で押さえ、原発推進の意見が「慎重」な意見を上回るようにされていた、と。そして、それらのことは、たとえば公開ヒアリングの場合、「九州電力が参加呼びかけを行うことについて、九州電力が、資源エネルギー庁の担当官に説明していた事実は認められる。

なんで、このことに触れるメディアはないんでしょうね。とっても不思議です。
つか、報告書全部読めば、知事の発言がどうのこうのという問題じゃなくて、九電幹部の首に縄がかかっている気がするんですが。それと、その後ろの......。

「いえもう、書いてあるとおりですから」と、不敵に微笑む郷原弁護士。

といいますか、もし、佐賀県知事の発言の真意が、当の県知事や九電の主張通り、「『県民説明会の際に、発電再開容認の立場からもネット を通じて意見や質問を出してほしいとは言っていない」ということであれば、佐賀県討論会で、九電が徹底してやった「動員」や「さくら質問」はとんでもない暴走であって、県としては強硬に抗議するべき事態だと思うんですが、どうしてメディアは、そこ突っ込まないんでしょうか。
はい、佐賀県議会の方、これ読んでいらっしゃったら、ぜひ、ここ突っ込んでくださいね。

で、これまた委員会の調査直後に問題になった、コレ。
「九州電力の原子力発電本部・中村明副本部長は10日朝、プルサーマル発電の説明会などに関する資料の廃棄を指示したことを認めた」件。
http://www.news24.jp/articles/2011/08/10/07188320.html

この廃棄資料こそが、まさしく、この説明会に関する部分だったというわけです。
幸い、シュレッダーを使わずに、びりびりに破ったうえで、リサイクル用のゴミの箱に捨てられていたのを、内部情報によって知り、業者が引き取る寸前に発見し、びりびりに破られたのを復元したのだと。
これ、廃棄を指示した中村明本部長は「個人に迷惑がかかるからと」釈明しておられましたが、そういったことには、弁護士に守秘義務があるということをご存じなかったようです。というか、迷惑がかかるのは個人じゃなくて、九電ですよね。

(続く)

テーマ : 政治・経済・時事問題
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