シンポジウム、その真相を語りましょう

 みなさま、23日のシンポジウムはいかがでしたでしょうか?

 わずか準備期間二週間で、明治大学の江下教授に無理難題をふっかけ、(普通、大学のイベントは3ヶ月前に決めるものだそうです)、さらには、お忙しい皆様方にろくすっぽ事情も説明せず無理をお願いしてしまいました。皆様、私の横紙破りなお願いにお付き合い頂き、本当にありがとうございました。
 ええ、そうなんです。明治大学の皆様も、パネリストの方も全員はご存じではなかったのです。あの特別ゲストの方がいらっしゃるのを。
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 それにしても、市川寛さん、本当に本当に、よく決心して下さいました。前日のテレビ出演に続いて、腹をくくってあの場に来てくださった彼の勇気は、本当に称賛に値するものだと思います。
 このシンポジウムをこの時期に急に開催したのは、まさに、彼の決意あってのものだったのですが、その動機のひとつは、やはり、あの検察審査会の問題でした。

 もちろん、簡単な決断であったわけはありません。前田検事の事件があったときに、彼は、また自分の事件が蒸し返されるのではないかと、最初は、暗澹たる気持ちになったそうです。しかし、事件の推移を見るうちに、「トカゲの尻尾切り」で、小さくまとめて終わらせようとする検察のやり方にもっとやりきれない想いを持つようになった。

 そして、この前田検事の罪状が何であるのかという問題。

 最高検からすれば、村木さん逮捕が上の決裁を経ている以上、証拠がなくても彼女を逮捕することが検察の正義であった。
 つまり、証拠もないのに彼女を逮捕したという決定に「問題があったことを認めることができない」以上、前田を特別公務員職権濫用罪で起訴することは、検察全体の決裁の在り方が根本的に問われることになる。
 だからこそ、彼らにとって、前田元検事のやったことは、供述調書がどうしても取れない状態で、むりやり彼女を有罪にするためにおこなった単なる証拠の改竄でしかないわけだし、証拠を改竄しろとまでは指示していない(から、そこのところだけが罪)という論理になるにです。

 しかし、こんな検察の無茶苦茶で自分勝手な論理が、世間一般で通用するわけがない。
 だからこその検察審査会だったわけですが、その検察審査会が、まさにその検察の論理をコピーペーストしたような不可解な議決をおこなった、ことになったわけですね。

 むろん、小沢氏の強制起訴でも、非常に不可解な議決を出した検察審査会ですが、百歩譲って、あれだけのバッシングを受けていた小沢氏ですから、テレビや新聞しか情報源のない一般の人たちなら、「小沢はきっとクロ、きっと何かやっている」と思っていてもあながち不思議ではない。
 そこをやや能力的に問題のある弁護士が適切とはいえない助言を行えば、証拠があろうと無かろうと、悪い意味の「魔女裁判」感覚で、ああいう議決が出てしまう可能性はまったく否定しきれない。

 しかし、これだけ世間の批判が集まっている証拠改竄事件で、しかも、こちらの出した申立書をまともに読んだ形跡すらなく、最高検の報告書とそっくり同じ理由で、前田個人とその上司だけの犯罪とする議決が出るというのは、どう考えてもありえない。
 多くの識者の人が、啞然とされた理由はそこにあります。
 そういう意味では、あれは、メディアは報じませんでしたが、日本の司法が死んでいることが、白日の下に晒された日でもありました。

 それはなにを意味したか。
 つまり、検察審査会が正当に機能しておらず、検察の意のままになっていることが明らかになってしまった以上、もはや暴走検察を止める法的手段はないことになります。

 だからこそ、もはや正攻法がないという事態に陥った以上、自分が泥をかぶる覚悟で、暴走を止める一助になりたい。
「検察を愛しているからこそ、これ以上、冤罪被害者や、犠牲になる現場の検事を出さないような組織になってほしい」
 それが、市川さんの決意の本質でした。

 だから、私も決心したのです。できるだけ派手なイベントにしなきゃあね、って。もちろん、Ust中継ニコ動にも来て頂いて。
 いや、けなげな年下の男の子がかわいいからとかじゃなくて。(笑)
 
 しかし、おばおねーさんが護ってあげるまでもなく、濃ゆいおじさまたちが、彼を応援してくださりそうです。どうぞ、みなさんも、この勇敢で、検察の手の内を知り尽くした刑事弁護士さんをフォローしてくださいね。彼が潰されたら、日本の法治は本当に終わりですよ。

 それは、市川さんが発したツイートの通りです。
「検察を改革できるとしたら、今が最初で最後のチャンスだと思う。」

私も同感です。

テーマ : 政治・経済・時事問題
ジャンル : 政治・経済

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