どっちが間違っているか明らかすぎて....

しばらくブログの間が空いてしまいましたが、じつは、今月はじめからメキシコに来ています。

メキシコはいいですよ。暖かくて、昼は半袖。夜でも、薄手のセーターと上着程度。
花粉もないし、日ざしは暖かく、近所の公園はリスが走り回り、木立で蜂鳥が蜜を吸っています。
もちろん、私の行きつけのレストランに、スーツ姿の人が「八木啓代さんについてお伺いしたい」などと意味ありげに聞き込みにやってきたりしません。

その一方で、TwitterもUstreamもニコニコ生放送も、ネットでつながっていますから、浦島太郎にはなりません。ちゃんと、大相撲八百長メール事件も日本の第三号年金問題も知っています。用事があれば、Skypeで日本に長電話もできちゃいます。

めちゃくちゃ面白そうな記者会見に来ませんかとか、濃ゆそうな会議の傍聴に来ませんかとかいう、魅力的な殿方たちからの、じつに心惹かれるリアルのお誘いをお断りしなくてはならないのが、唯一の問題です。

(もちろん、その分、メシ奢るとか、ライブに来てねとか、ラジオで言いたいことを好きなだけ言っていいよとかいうような、楽しいお誘いもこちらではたくさんありますが)

ですから、毎日のコラムで、同紙編集委員の岩見隆夫氏が、鳥越俊太郎氏を実名を上げて批判したことについて、鳥越氏が反論を掲載しているのも、もちろん知っているわけです。
http://mainichi.jp/select/wadai/torigoesyuntarou/news/20110207ddm012070026000c.html

なので、メキシコから横やり入れますね。

これ、どうひいき目に見ても論旨無茶苦茶なのは岩見氏。
http://mainichi.jp/select/seiji/iwami/news/20110119org00m010010000c.html

まず、「ほのめかされたこと」だけが、「虚構でないことの重要な裏づけ」というのは、そもそも言論人としてあるまじき態度でしょう。ましてや、それだけが、岩見氏の「根拠」というと、もう呆れる他はありません。

「検察不信なら検審に共感を示すほうが筋が通る」というのも、今回の検察の言いなり状態のメディアによる世論誘導や弁護士の懲戒請求が出るほどの異様な誘導、検審に関する検察官の発言にはきれいに目をつむった、矛盾に満ちた意見です。

そもそも、鳥越氏に限らず、今言われている検察不信とは、村木さん裁判に集約される、まともな証拠もないにもかかわらず、狙いをつけた相手を逮捕し、否認を続ける限り釈放されないという異常な状況の密室のもとで精神的拷問といえるような取り調べで、検事が勝手にストーリーを書いた供述調書に署名させ、それをもって有罪に持ち込もうとする、ということが明るみになってきたことであり、あげくに、証拠を偽造してまでそれをやろうとした、ということが、決定的なスキャンダルとなっているのです。

で、その検察が、あらゆる手を使って起訴しようとして、立件も起訴もできなかったというのが、小沢氏の事件だという本質をわかっていないとしか思えません。

岩見氏は、「ほとんどは小沢さんと同様、嫌疑不十分によるものだった。潔白ではなく、虚構でもない」と根拠もなく断定しているが、嫌疑不十分とか不起訴とは、どういう意味か解っているのでしょうか。

「不十分=0%ではない」だから「真っ白ではない」、と言いたいのであるなら、申し訳ないが、この人には、政治記者とか言う以前の、法治とか民主主義というものが根本的に理解できていない、としか思えない。
小学生のレベルです。

「ディベート(討論)能力が著しく衰えていることを、最近強く感じる。相手の主張を十分ソシャクしたうえで、自分の説を組み立てる、という当然のことができない。」
というのは、岩見氏自身が、我が身を振り返られるべきことでしょう。

今、私が代表をつとめさせていただいている会も含めて、多くの人が問題にしているのは、「こんな手口がまかり通るのであれば、どんな政治家や言論人であれ一般人であれ、検察がその気になれば、弾圧し葬り去るすることが簡単であるという前例を作ってしまうこと」であるということは、この人は、みずから言論人を名乗りながら、目も耳も塞ぎ、意地でも理解なさりたくないようです。
もちろん、検察に権力がある以上、その検察におもねっている限り、我が身は安泰だと思っていらっしゃるのかもしれませんけどね。

で、こんなに非論理的で、矛盾と偏見に満ちた人物が編集委員になるのだから、毎日新聞にまっとうな記者がいても、トータルとしての論調がおかしくなるのも無理はありません。良心的な記者がいくら取材をしても、それがまともであればあるほど、こういう人が上から潰すのでしょう。

鳥越さんの「よほど痛いところを突いてしまったのかもしれない」というのが、多分当たっているのかもしれませんが、案外、<オレの見てきた小沢なら今度も有罪に違いない>というより、「検察のリーク通りの報道をしてきて、いまさら検察が疑わしいと言われたところで引っ込みがつくわけがない」というのが本音では、とも思います。

なんといっても、毎日は、2007年のネットワーカーへの悪意に満ちた「ネット君臨」という連載記事にみられるように以前よりネット敵視の強い新聞。そして、そのネットを叩く連載たるや、2ちゃんねるとmixiの区別さえついていない、という、「相手をよく知りもせず、そしてよく調べることすらせず、一方的な思いこみで叩く」という、まるで「鬼畜米英」みたいなレベルの、これまたジャーナリズムとして、あるべからざる記事を大々的に掲載した前科があります。
http://orihara22.iza.ne.jp/blog/entry/97027

そして、そのあとの2008年には、同社の英文サイトに、あまりにも低俗なエロ記事を大量に掲載していたことが明るみになって、ネット上で激しいバッシングを受けただけではなく、ネットワーカーによる広告主へのアピール行動によって、一時は、大量の広告が撤去され、自社広告で埋め尽くされる事態(毎日新聞英文サイトWaiWaiコラムの不適切記事事件)にまでなっています。
http://www.sal.tohoku.ac.jp/~gothit/mainichi.html

要するに、毎日新聞は、ネットとは「犬猿」の仲なのです。
いや、正確には、ネットはもはや「大手マスメディア」全体と対立したり補完したりする構造になっているわけで、もはや毎日新聞一社を敵とは思っていないのだけど、毎日は相変わらず、一生懸命ネットを敵だと思っているというか。

で、編集委員岩見氏がその筆頭である以上、ネットで検察批判が盛り上がれば盛り上がるほど、昔と同じく、TwitterとFacebookとニコニコ動画と2ちゃんねるの区別も依然としてつかない情報弱者状態のまま、ネットを憎悪し、結果として、意地でも検察の肩を持つ、というのが、実は本音であるのは明らかです。

「と思う」とは書かないです。あえて断言しちゃいます。
ネットを意地でも敵視して「悪役」にしたい人だから、意地でも検察の味方をするのです。それが本音です。

だって、私は、あのWaiWai事件のさなか、「複数の」毎日新聞記者から、この毎日新聞のめちゃくちゃな対応について、内部にネットというものについての見解の対立があったことを、ほのめかされているのですよ。

で、岩見氏が、一人から聞いた「ほのめかし」だけで「虚構でないことの重要な裏づけ」となると断定していらっしゃる以上、複数の人から聞いた「ほのめかし」という、「虚構でないことの重要な裏づけ」にはひれ伏すしかないでしょう。

私なら、それが、自分で確実に裏を取った事実ではなく、しょせん「ほのめかし」である以上、「虚構でないことの重要な裏づけ」とは思いませんが、岩見氏にとっては、その程度のことが、彼の論理の根拠だからです。

テーマ : 政治・経済・時事問題
ジャンル : 政治・経済

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『引退』の意義について ぶっ飛びコラムに思う

今日発売の『サンデー毎日』ですが、佐高さんと田原さんの対論を読もうとコンビニで買いました。そのついでに岩見のコラムを読みましたが、もう、この人『即、引退』すべきだと感じ入りましたよ(笑)。
菅首相を批判するのは、御自由になんですが、西岡議長に正義ありと、西岡に続け!と煽るコラムには、脳みそ、ぶっ飛びものですよ。
我に正義ありとばかりに、いちいち議長の『文面』を紹介していたのですが、実物を読み、こりゃ、到底三権の長の見解とは思えない内容でした。公平を『努めなければならぬ』責任者の代物ではない。少なくとも議長を辞任してからでないと『出せる』レベルではありませんでした。
半世紀近く永田町を職場にしてきた一流紙の大御所にしては、三権分立の意義すら歪めかねない議長のやり口を『吹聴する』ってのは…。
辞任しないのは気味悪いとか首相を批判していたが、また、相手=首相が異常故に、敢えて議長に続けと指摘したい旨を認めていたが(笑)、何も異常なやり口を扇動することもあるまい。
私は『菅嫌い』の記事についても、多分、その記者に痛い所をつかれたからムキになったのではなかろうか?
佐高さんの東電後援云々を示す週刊新潮記事への『反論』は、端的でストレート、すぐに理解できたが、たらたらと言い訳がましかったし…。
やはりこの人、小沢=黒だ論にしても、田原さん同様に『おはらい箱』ですね!
改めて思う!
何故、大学の先生も名誉教授とかと『引退』があるのかと…。
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