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PANDORA REPORT 南極編・その19

 さて、ブルーノさんは、チリで、人権活動や環境保護運動をやっているわけで、そういったテーマの講演をピースボートの中で何回か行ってくれたわけだが、一方で、せっかくだから、もっとブルーノさんの「詩人」としての面を出した講演もあってよいのではないかという要望が出てきた。
 こういう臨機応変さもピースボートね。
 
「なので、私の詩と、それから愛について話すことにしたんだ」
「いいんじゃないですか。でもなんで私に訊くの?」と、八木。だって、講演するのはブルーノさんで私じゃないんだものね。

「それで、あなたの歌を聴いてとても感動したので、もし嫌でなかったら、私の講演の前に1曲だけでいいから、ビクトル・ハラの歌を歌ってもらえないだろうか。ビクトル・ハラの愛の歌を」

 なるほど。
 ビクトルはその死に方のゆえに、とても政治的なレッテルを貼られがちだし、非常に政治的なメッセージも歌っているが、実際の彼の作品には、素朴な民謡や、とても美しい愛の歌が多い。
 そして私は、ビクトルのやさしいラブソングが大好きなのだ。滅多に歌う機会がないけれど。

「ソレ行きましょう」

というわけで、朝11時から、私がギターを持っていってビクトルの曲を歌うことになった。「仕事場への道すがら(Cuando voy al trabajo)」という美しい歌だ。

仕事場への道すがら、きみのことを考える。
通りを歩きながら、きみのことを考える。
曇ったガラスの向こうにうつる人々の顔を眺めては
きみのことを考える....


ええ曲やね。ベタベタやけど。(なぜ大阪弁)

というわけで、前座で私が歌い、続いて、ブルーノさんの講演が始まった。
繰り返す。朝11時である。

「私がティーンエイジャーだった頃、私は父親代わりの叔父に育てられていました。そして、ある日、私はある少女に恋をしたのです」

ふんふん。

「それを知った叔父は私に言いました。『結婚するまでは彼女に手出しするな、女を買ってこい』と。そして、私にお金を与えたのです」

ええええええええーーーーーー
\\\\\(゚O゚)/////

客席にいた人たちに動揺が走った。

言うまでもなく、彼が売春行為の推奨しているわけではなかった。
愛とセックスは、切り離すべきではなく、セックスは愛にとっての重要な要素である。

ということを論じる.......とまあ、それがテーマだったのである。
愛について、というのは、人類愛とかそういう愛の話ではなくて、そういうことだったのね。
さすがオッサンといえど、ラテン系。

そして、テーマは深く進んでいく。もろにそっち向けに。
たとえば、若い男性にありがちな、「さあ」というときに、○たない、という事態への対処が.....

いうまでもなく、ピースボートのスタッフは、話のテーマがそっち方向だとは誰も想定していなかった。だから、朝11時とゆー、いたって爽やかな時間帯に、この講演をブッキングしたわけだ。
ゆえに、お客はご高齢者が多かった。

で、この講演の通訳には、日系ボリビア人のレオと、ボリビア在住経験のある日本人のヨーコちゃんの二人だったが、レオはすみやかに逃げた。
「あ、ボク、デリケートな日本語わかりませんので」

この行為によって、ボリビア男は、ピースボート内で「いざというときに女を見捨てて自分だけ逃げるやつ」というレッテルを貼られることになる。

しかし。
ひとり残ったヨーコちゃんは、けなげにも冷静に、このデリケートな通訳をこなしたのである。
「そのような状況に立ち入ったとき....」

彼女は、どんな状況でも、顔色ひとつ変えずに正確かつ上品な翻訳ができる女性として、以後、語り継がれることになった。

そして、その夜。

私とブルーノさんが、スターライトラウンジで呑んでいると、入れ替わり立ち替わり、若い男の子たちが、身の上相談に現れたのである。
いわく、「ホントに、肝心の時に、........っとなるのは、ボクだけじゃないんでしょうか」
いわく、「二人の女の子を同時に好きになって、選べないんですが」
いわく......

みんな、悩みがあるんだヨねっ

テーマ : どうでもいい報告
ジャンル : 日記

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非公開コメント

すごい

逐次通訳って相当な語学センスが必要ですよね。
言葉が判るだけじゃなくて、瞬時に意味合いも含めて別の言語に変換できないといけないし。
さらに、言葉を選ぶとなると……。
変換する先は母国語(ですよね?)とはいえ、「ヨーコ」さん、すごい。尊敬してしまいます。

本人です

「そのような状況に立ち入ったとき....」

あー、懐かしい!
そのような状況に立ち入ったとき、私もどうしたものかと焦りました。
「顔色ひとつ変えずに正確かつ上品な翻訳ができる」とは、
身に余る有り難いお言葉ですが、
あそこはいっちょ、もっと笑いを取るような翻訳をすべきでしたかねー??
まだまだ未熟です。精進します!

いずれにせよ、貴重で思い出深い経験でした!!
プロフィール

PANDORA

Author:PANDORA
ラテンアメリカと日本を拠点に活動する音楽家・作家 八木啓代のBlog
公式サイト http://nobuyoyagi.com

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