PANDORA REPORT 南極編・その3

 さて、ちょっとブラジルに戻ります。

 前日をコパカバーナでまったり過ごし、翌日のお迎えで、船にチェックインしたのが午前中。
 というわけで、その日の午後は、リオの街中を歩いたわけ。

 しかし、この時のリオは暑かった。
 ブラジルの夏、というだけではなく、それに慣れているリオっ子が暑がっていたほどである。気温が40度を超えていた。
 しかも、コパカバーナとかイパネマ付近ならともかく、市中央あたりは、「ちょっと座って休めるお洒落なカフェ」というのがなかなかない。少なくとも一見さんには見つからない。
 なので、雑然とした町並みを楽しむのはいいのだけど、歩き疲れると、ゆっくり座れるところが教会ぐらいしかないんだよね、これが。
 いや、これは教会の正しい利用法ではないんだけど。でも、中南米では、やたらに教会がたくさんあってたいてい開いているので、観光などに疲れたら入って休めるのです。

 ところで、日本では案外誤解している人が多いのだけど、「宗教は何ですか?」と外国人に訊かれた場合、たいがいの日本人なら、「仏教徒です」というのが正しい。要するに、お葬式をどういう形式で出してもらうかということ。
 神社仏閣なんて滅多に行かないし、あまり信心深くないからとか、初詣は神社に行き、結婚式はキリスト教式だし、葬式はたぶん仏式だろう....クリスマスも祝うし....みたいな発想で、特定の宗教にこだわりがあるわけではないからというぐらいの意味で、「無神論者」です、と答える人がいるのだけど、英語のatheism、ラテン語のatheismus、スペイン語のateo。いずれも、「神」を指すteus(deus)に否定語の a がついている。
 要するに、「明快に神の存在を否定すること」なのだ。
 だから、正しい無神論者は、(学術的・美術的理由を別としたら)教会にはぜったいにお祈りに行かないし、生活から宗教儀式のにおいのあるものすべてを排除する。
 日本であるなら、彼女(や彼氏)に誘われても初詣には行かないし、結婚式をやるとすれば人前婚だし、お葬式も散骨にするのが当然なわけ。
 そこまで徹底できないなら、無神論などという言葉を自分に当てはめてはいけないわけね。
 さらに、無神論という言葉は、多くの国では「筋金入りのマルクス主義者(共産主義者)です」と言っているのと同一視されるから、気をつけた方が良い。
 実際に、キリスト教徒の多い中南米で、「うちは無神論です」という人に会ったら、まず、スペイン市民戦争の時に、共和国軍側で戦って敗北し、中南米に逃げてきたスペイン共産党やカタルニア労働者党の人の家族だと思っていいぐらいだ。
 ちなみに、もちろん、中南米では、「カトリックだけれど左派的思想を持つ人」というのもいっぱいいるわけだけれど、こういう人たちと、「マルクス主義無神論者」との関係は微妙なもんがある。
 まあ、それぐらいの根性のいる話なのである。

 あ、それで、私は無神論者ではないので、暑いときは平気で教会に入って休むという話です。
 この日はあまりにも暑かったせいか、PANDORAが小さな教会に入ってへたっていると、親切な神父さんが扇風機を持ってきてくださったので、さらに神様の有り難みを感じるという一幕もございました。
 しかしながら、教会はクーラーがないのですね。なので、途中から、ゆっくり座れて休めるところに避暑を決行。
 美容院で、爪のお手入れです。
 ブラジルって、知る人ぞ知る、ネイル大国だったのですね。私は、つい最近、それを最近ある本で読んでいて、ここで思い出したわけ。
 1時間ばかりかけて、まずぬるま湯で爪を温めてから、爪を整え、甘皮をきれいに処理し、ベースコートとマニキュアとトップコートを塗り、乾燥させます。自分でやるときの参考にもなるのでじっくり観察。結論からいうと、ブラジルのやり方は、徹底して甘皮を除去する方法なので、人によっては爪を痛めるかもしれません。ここまでやらなくても、という感じ。
 ただし、このやり方をすると、マニキュアがむちゃくちゃ長持ちします。

 で、教会と美容院のおかげで、リフレッシュして、夕暮れ、私は船へを戻ったのであります。
 と、ぼけっと掲示板を見ていた私に声をかけてきたのが、スタッフのG氏だったのでした。
「あ、PANDORAさん、ちょうど良かった。ちょっとご紹介したい人が」

(続く)

テーマ : どうでもいい報告
ジャンル : 日記

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久々のPANDRA REPORT楽しませていただいています。続きを楽しみに待ちわびています。南氷洋、一度は行ってみたいですね。
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