チリの大統領選

こないだ、ホンジュラスの友人と話していて、なんで、ホンジュラスがああいうことになったかという件については、「肝心の時に左派が分裂しまくっている一方で、右翼が(利権がらみとはいえ)団結していた」ことに尽きるという結論に。そうなんですよね。

さて、右翼が統一候補を出して、同じく中道~左派が思いきり分裂している今回のチリの総選挙。
これまで一丸となって、ピノチェト派の当選を阻止してきた「民主主義を求める政党連合」(コンセルタシオン)が、ご老体で中道派のフレイ前大統領を候補に出してきたことに反発して、かつてのMIR(左翼革命運動)の伝説的なリーダーで、ピノチェト軍事政権に対して、武装闘争を試み、蜂の巣状態で惨殺されたミゲル・エンリケスの忘れ形見マルコ・エンリケス=オミナミが、社会党を離党して独立候補として立候補し、急速に支持を拡大。さらに共産党からも別個に立候補者ホルヘ・アラテが出るという、中道と左派が3人候補を出している状況。

コンセルタシオンの方は、だから、現与党の政党連合といっても、社会党(穏健左派)とキリスト教民主党(穏健右派~中道)の事実上の二党連合です。

インターネット、とくに、YoutubeやTwitterなどを利用しまくって、泡沫候補から若者層を中心に人気を急速に拡大してきていたマルコ・エンリケス=オミナミが、どこまで票を伸ばすかが注目だったのです。というのも、フレイが、もし自分の得票率が第3位であったら、決選投票ではマルコ・エンリケス=オミナミ支持に回ることを表明していたからで、そうなれば、まさかの「伝説的テロリストの息子」で、36歳マルコ・エンリケス大統領が誕生するという可能性があったから。

なのですが、結果からいうと、右派連合のピニェラが44.03%、コンセルタシオンのフレイが29.62%、マルコは土壇場で伸び悩んで、20.12%、アラテが6.21%。

ピニェラは億万長者のばりばりピノチェト主義者とあって、彼が最多得票であったことに、かなりショックを受けた向きもあるようですが、決選投票で、マルコ票とアラテ票がピニェラに行くとは考えにくいので、最終的にはフレイ有利と見ました。

が、一方で、ここ数年のラテンアメリカの「左傾化」に、アメリカ合衆国とラテンアメリカ中の右翼が、ものすごい危機感を抱いており、どんな手を使ってでも巻き返そうと死にものぐるいなのも一方の事実。
ホンジュラスで起こったようなクーデターが起こるとは思えませんが、ピニェラは、航空会社からメディアまでを握っている大富豪だけに、どういう手で出てくるかを考えると、そう楽観視もしていられないところです。

テーマ : 時事ニュース
ジャンル : ニュース

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