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白と黒

昨日の晩のおかずは、先日から気になっていた、「タラのコロッケ」。
蒸したじゃがいもを潰して、タラのトマト煮の残りを混ぜ、塩胡椒で味を整えてから衣をつけて揚げました。
お箸で切ると、じゃがいもはオレンジに染まっています。
もともとタラ自体に、トマトとにんにくの旨味を染みこんでいるので、激ウマ。
バカラオの余った油は、これまたタラの脂とトマトの旨味が染みこんでいるので、お料理に使うとおいしいんですよ~。スパニッシュオムレツとか。(ああ、これも食べたくなってきてしまった)

さて、米国という国。
私が、米国で行ったことがあったのは(空港のみのトランジットは除外ね)長らくロサンゼルスぐらいだったので、ロサンゼルスというところが、相当にヒスパニック文化に侵食されたところであるということぐらいしかピンと来ていなかったのですが、デルタ空港を使うようになってから、何度かアトランタに降り立つようになりました。
まあ、これだってトランジットなんですが、デルタの成田・メキシコ便は激安であるかわり、帰りにアトランタでの一泊を余儀なくされます。
9・11以前は、米国での空港のチェックもそれほどえげつなくなく、しかも、アトランタのホテル代を払っても、まだそっちの方が季節によってはJALよりだいぶ安かったりするんで、貧乏な私は、このデルタ航空を使うことがしばしばあったのです。
が、このアトランタ。
「風と共に去りぬ」の舞台となったばりばりの「米国南部」です。

で、このアトランタで驚いたのは、なにげにレストランにはいると、見事なほどに、入口から左側が白人ばかり、右側が黒人ばかり....みたいな、レストラン内での人種による席分けがあること。
いや、べつに、黒人はこっち、みたいな標識があるわけじゃないんです。
ただ、見事に別れているというだけ。
で、当たり前なんですが、黒人側は黒人ファミリー。白人側は白人ファミリー。

これのなにがヘンかというと、キューバのファミリーを見慣れていた私にとっては、猛烈な違和感だったわけです。家族の中で、色が混じっていないということが。
つまりキューバでは、白黒カップルなんて、べつにめずらしくもなく普通で、さらに子供の兄弟の色がそれぞれ違うってのも、べつに普通であるということ。
でも、アメリカ南部では、そんな家族を見たことがない。

さらに、キューバでは、黒人系ファミリーと白人系ファミリーが仲が良いのも普通だから、一緒のテーブルを囲むのだって、ふつうなのですが、アトランタのレストランでは、そういう「一緒に盛り上がってメシ食ってる色違い2家族」というのも見かけない。

そ、そうか、ここはアメリカ南部....。なんだと思いましたね。

で、それから気になるようになったのですが、ハリウッド映画などですら、人種混交のカップルってほとんど描かれていませんね。アジア人はともかく、白人の妻には白人の夫で白人の子供。黒人の夫には必ず黒人の妻と黒人の子供。
マトリックスみたいな、「未来社会」を描いたSF作品ですらそう。白人の主人公と仲の良い黒人の同僚はいても(その逆も可)、あるいは、黒人の大統領や指導者は描かれても、白黒カップルはいない。

そういえば、オバマ大統領だって、史上初の黒人大統領ではありますが、夫人も子供も黒いファミリー。
で、思います。もし彼が、白人の妻を持っていたら、果たして大統領になれただろうか、と。
おそらく、白人層と黒人層、右派と左派、双方の反感を買ってしまったのでしょう。
ハリウッド娯楽映画に、白黒カップルが出てこないのもたぶん同じ理由。ストーリー以外のところで、論議の種を蒔きたくないから。
そして、それこそが差別問題の深さなのだと。

昨日の映画の監督であるスパイク・リーの過去の作品でマルコムXというのがありました。
戦闘的黒人解放運動家マルコムXは、白人=悪魔という教義を持つブラック・モスリムを信仰しますが、後にメッカに巡礼に行き、メッカで出会ったアラブのモスリムたちが「人種差別の概念を持たない」ことに気づき、ブラック・モスリムを離脱します。

ここのところ、「サンタアンナの奇跡」に出てくる「黒人差別を知らないイタリアの農民」とも共通するところがあります。だから、「サンタアンナの奇跡」では、黒人兵と白人のイタリア女性が「できちゃう」シーンも描かれる。

ここで、イタリア女性は、最初に心を惹かれた黒人兵に粉をかけるのですが、彼は「良識的な対応」をとるばかりで応じない。この黒人兵が、「米軍の差別の中でも、黒人が一生懸命努力して、戦功を上げることで、黒人の地位を少しづつ上げていける」と信じる真面目なやつであることと関係があるでしょう。真面目な黒人だからこそ、白人女と寝る、というのは不道徳だと擦り込まれているからです。そして彼は、密かに彼自身も想っていた彼女が、後に別の黒人兵と出来たことを知り、やりきれない激情に駆られる。ではなぜ、その別の黒人兵は、あっさり白人女と寝られたか。
そこに、人種差別に散々苦しみ、そして人種差別意識のない村に来ているのに、自らその人種差別意識に縛られている黒人たち自身も問題も露わになります。
このへん、スパイク・リーの描き方、なにげに見事。なにげに強烈なメッセージです。

差別とは、しょせん「社会的な思いこみ」でしかなく、その「社会的な思いこみ」を知らない人にとっては、まったくなんの意味もないのだということ。
けれど、その思いこみとは、相手がその思いこみを持っていないからというだけで、簡単に逃れられるようなものではないということ。

だからこそ、差別問題は奥深く、また、国粋主義は差別感情をエネルギー源にしやすいのでしょう。

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