キューバ音楽

えー、おかげさまで無事終わりました、トークイベント。

パワポ系プレゼン(といっても、私はKeynoteユーザーですが)って、作るのはちょい面倒なんですが、やっぱり手間がかかっただけの効果はありますよね。

ちなみに使ったのは、Keynoteの他、iMovieとAudacityです。
iMovieは、Mac Miniなどにも付属でついてくるごく簡単な映像編集ソフトですが、Audacityは、Mac、Windows、Linuxで使える無償のサウンドエディタで、こういうちょっとした音声編集には使えます。

それにしても「絶唱する大統領」映像、なかなかのインパクトでしたよねー。
拙著をご購入いただきました皆さんも、本当にありがとうございました。
いやー、モヒート旨いわ。

テーマ : 音楽のある生活
ジャンル : 音楽

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感想: 革命そして抵抗の歌を聴け!

八木啓代さんは歌手として有名ですが実はジャーナリストでもあります。7月26日の音楽と動画によるレクチャー(プレゼン?)で、これを再認識することができました。

20年以上にもわたるお付き合いとその著作の数々から「新しい歌」運動については、相当知識があったつもりだったし、現在では著名な曲なら YouTube で視たりしていて、相当知っていると自分でも思っていました。

ですが今回、たった2時間程度のレクチャーを聞き、あらためてそのダイナミックな運動のエネルギーを立体的に知ることができ、大きな感銘を受けました。つまりこれまでの認識は極めて皮相かつ断片的だったということです。スペイン語が理解できないのですから仕方がありませんが。

レクチャーを終えたとき「今日はとてもよかった。完成度高かったね」というと「絵(動画)があったからね」と、返答がありました。それに対し「そうかも・・・」としか言えなかった。でもそれは直後の立ち話だったし、また、まとまりのない感想しか思いつかなかったからでした。でもレクチャーの記憶を反芻してみて、きわめて完成度の高いものであったと確信し、講師にフィードバックしておく必要性を感じたため、以下、少し感想をまとめます。

実は、八木さんのこのレクチャーに類する催しは、この日で少なくとも四回目でした。ほかに雑誌インタビューもありました。

最初のレクチャーは5月23日で渋谷のダイニングバー「Li-Po」(李白)での催し「音楽夜話」、次は6月13日と27日の二度にわたるMediR公開講座『ラテンアメリカの社会運動と文化』。残念ながら公開講座は行きませんでしたが、「音楽夜話」を聞いた印象では、立体的かつ動的な話も出ていたことは確かです。けれども、ポイントが絞られず、たくさんの音源に接することに主眼がおかれて、いまひとつまとまりがない印象は否めませんでした。

ところが今回は、テーマを設定したうえで曲も絞り込み、

1. 発祥
2. チリのクーデタ発生
3. クーデタによるメキシコ亡命を余儀なくされたミュージシャン
4. 革命下のキューバでヌエバ・トローバ発祥
5. ニカラグアの歌う革命
6. キューバが耐乏生活を強いられた状況
7. 各国で起きた反転攻勢
8. その後の動き

というふうに一連の政治的な動きを軸に、「新しい歌」が発展してゆく経過と、それが後の政治情勢につながる。そういったダイナミックな変化が活き活きと語られ、説得力を持ったと感じます。

説得力は当然といえます。各国のミュージシャンが集まるメキシコ・シティを拠点に、キューバではたびたびシルビオ・ロドリゲスやパブロ・ミラネスはもちろんのこと、カルロス・バレーラ、あるいはクラシックの指揮者とも親交を持っていた八木さん。「新しい歌」運動の二つの中心地で、ほかならぬ運動渦中のミュージシャンと交友を持ち、直接見聞した経験は余人をもって代え難い重みがあるということです。そんな日本人は八木さん以外に一人もいない。周りの親しい人から止められても、革命で戦時下のマナグア(ニカラグア)に飛び、ミュージシャン大臣と親しく話をする、そういう好奇心と行動力に裏打ちされていますから、圧巻というべき説得力を持てたんですね。

聞き手になったインタビューアも一瞬、自分の役割を忘れて絶句したほどの迫力があった。

多くのミュージシャンからレコード屋のおじさん、支持する学生たちまで、厚みある層が国家の枠組みや国家利害を超えた動きを担った。知っていたつもりだったけれど、たとえば、歌詞の中で太字で強調された日本語歌詞「指導部」などを見て、実感を持って納得できた。つまり官製の運動でなかった。これも印象的。「もうそろそろぼくにも弓を引かせてよ」と歌うカルロス・バレーラの存在は前回(渋谷)のレクチャーでも驚いたけれど、再び胸を衝かれました。

「新しい歌」運動からも力を得て成立した中南米の『反米大陸』(伊藤千尋の著作)は、もう否定しようがないでしょう。これらの国々とつきあわざるを得ない事態に、日本の外務省はどう対処するのでしょうか。たぶん対処しようがないんです。常に米国しか見てこなかったから。こういう反米国家が過半数を超えてしまった今の時点で、日本の外務官僚・外交官が知っておくべき一般教養なのかもしれません。いやむしろ官僚よりも、多くの一般の日本人に知ってほしい内容というべきでしょう。

だから、今回のレクチャーは、NHKが教育テレビの番組として取り上げるべき内容だと思いました。とてもわかりやすく解説され、その文化基盤を雄弁に解説する内容となっているからです。しかもこの運動の存在をもはや隠す必要はなくなってしまっているのではないでしょうか。なおNHKを敢えて指名するのは、レクチャーに出てくる歌曲・映像の著作権について処理できる専門家を擁しているはずだからです。民放にはそういう煩雑な手続きは無理なんじゃないかな。

これら国々の指導者の出自はさまざまですが、みな個性的です。自国民に銃を向ける任務に疑問を持ち、空挺部隊の軍人から政治家に転身したチャベス大統領、コカ農家出身のモラレス大統領、世銀やIMFと果敢に戦ったコレア大統領、ピノチェトに拷問死させられた父を持つバチェレ大統領、新自由主義に抗して経済再建・物価安定・失業率低下に大成功した夫に譲られて大統領に就任したクリスティーナ・フェルナンデス大統領、米国の陰謀で政権を失ったものの再び奪取したオルテガ大統領・・・。

ブッシュを悪魔と罵った反米最強硬派のチャベス大統領、この人は米国の弱点をしっかり握っているんですね。ベネズエラから石油の供給がなければ米国経済は破滅するといっても過言ではないでしょう。同じく強硬派のエクアドル産油国だし、世界最大規模の天然ガスに恵まれたボリビアもエネルギー大国への道を歩みつつある。そして極めつけはキューバ。この国もエネルギー大国になることが確実視されている。

米国内からでも、たとえば映画ならば、オリバー・ストーン『コマンダンテ』(2003年)、ロバート・レッドフォード『モーターサイクル・ダイアリーズ』(2004年)、マイケル・ムーア『シッコ SiCKO』(2007年)、そしてスティーヴン・ソダバーグ『チェ 28歳の革命』と『チェ 39歳 別れの手紙』(2008年)と、少しずつ風穴が開いている。


ともあれ、歌の力には感嘆しました。たとえシンプルなメロディーであれ、その歌詞が人々の心と共振したとき、信じられないほど大きな力になる。動画につけられた日本語訳や英語字幕で理解できた歌詞からそれを痛感しました。

日本にもトレイシー・チャップマンの歌が伝わってきたことがありました。フィリピン共産党の青年が、そっくりの声色でおどけて歌うのを間近で聞いたことがあるし、ドイツでは共産党(アナキスト?)の宣伝カーで流されたとも聞いています。ロンドンのネルソン・マンデラ歓迎集会では、マンデラのスピーチ直後に歌うの見て驚愕・感激しましたね。さらに、あのマドンナですら兵士姿になってブッシュに手榴弾(?)を投げるプロモーション・ビデオをつくったことがあった(タイミングが悪かったため、修正して引っ込めたけど)。

http://muranoserena.blog91.fc2.com/blog-entry-1310.html
トレイシー・チャップマン「革命の噂 Talkin'bout a revolution」
http://www.youtube.com/watch?v=xZMga4u5L_Y
Tracy Chapman Born To Fight Live - YouTube

今の日本では、もう歌の力なんてどこにも残ってないのかね?

はてさて、では中南米各国で国家権力公認の表現となってしまったかのように見える「新しい歌」運動は消滅するのだろうか? そうは思えません。カルロス・バレーラのように公権力に対し要求する歌を認めた事実は、この運動が今後も何らかの形で続くんだと思えてならないんです。

いま中南米から目が離せない。そのガイド役としての八木さんのガイダンスは非常に重要だと思いました。古文書の訓詁学者には逆立ちしてもできないことはあまりにも明らかでしょう。
プロフィール

PANDORA

Author:PANDORA
ラテンアメリカと日本を拠点に活動する音楽家・作家 八木啓代のBlog
公式サイト http://nobuyoyagi.com

★CD情報
新作CD”Lagrimas”試聴やご購入はこちらから

★新刊情報
禁じられた歌ービクトル・ハラはなぜ死んだか(Kindle版)
長らく絶版状態だった書籍をリクエストにより電子書籍で再版いたしました。八木啓代の原点です。
検察崩壊 失われた正義(毎日新聞社)
5刷。この一冊が検察にトドメを刺すことになるかもしれません
リアルタイムメディアが動かす社会(東京書籍)
超濃ゆいメンバーによる講義録!
ラテンに学ぶ幸せな生き方(講談社)
なぜラテン人は自殺しないの?に応えて3刷!好評発売中!
キューバ音楽(青土社)
ラテン音楽ファン必読!キューバ音楽のすべてが理論も歴史もわかります。浜田滋郎氏激賞
貧乏だけど贅沢(文春文庫)
沢木耕太郎氏との対談収録
ハシズム!(第三書館)
共著で橋下大阪市長を解剖します。

★ライブ情報
1月22日(日) 横浜・ピロカフェ
Vo. 八木啓代 G. 福島久雄
1月26日(木) 六本木・Nochero
Vo. 八木啓代 G. 福島久雄

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