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ホンジュラスのクーデター・8

 多忙のためちょっとニュースが遅れていましたが、セラヤ大統領は、ヒラリー・クリントン国務長官と会談しました。

 このホンジュラス・クーデター事件において、注目すべきところは、「米国が中立もしくは反クーデター側にいる」ということです。
 もともと中南米では、この手の右翼クーデターは、背後に米国がいたもの。ブッシュの時代なら、いちはやく米国側によるクーデター支援が行われていたのは明白だったわけで、クーデター派は、その点では明らかに時代を読み違えたわけです。

 しかし、そうはいっても、今回の米国の中立政策は、べつに本気で米国が中南米の民衆の側に立ったわけでは全然なく、むしろ、ベネズエラやキューバとの関係改善を求めるオバマとしては、ここで、クーデター側に立つわけにいかないということ。
 そして、一方で、米国の右派からは、オバマはクーデターを支援すべきであり、米国としてはこれ以上の中南米の「社会主義化」を手をこまねくべきではないという突き上げもかなり来ています。

 その一方、中南米諸国はかつてなく団結し、クーデター反対でほぼ一致。クーデター派を外向的・経済的に追い詰めてきて、これにEUも同調。
 一方、台湾とイスラエルが、クーデター派支持。

 そういう状況の中、アメリカが「オバマのクリーンイメージ」を著しく損なわず、中南米諸国を敵に回さず、どう落としどころを見つけるか、という会談だったのですが、さすがはヒラリー・クリントン、タダモノではありません。やってくれました。

 提案が、「コスタリカのアリアス大統領による和平調停」。
 これ、「コスタリカ=平和と中立のモデル国家」説を主張するの方々は、涙を流して喜びそうな感じですが、そういう甘いものではありません。

 つまり、米州機構の調停を拒否しているクーデター側が呑む条件であるためには、クーデター側に理解のある感性(=右派)でなくては、クーデター側が呑まないだろうということ。
 その点、中米和平の際に、米国の圧力をバックに、左派側に思い切り不利な和解協定案をむりやり呑ませて、ノーベル平和賞をかっさらったアリアスは適任であります。
 この中米和平案も、長年かけて対話の場を構築したメキシコや周辺諸国の地味な努力は思い切り無視されて、(右派側に肩入れてしてきた)アメリカの恫喝のもとの「喧嘩両成敗」みたいな内容でしたが、それでノーベル平和賞をもらったというあたりも、この賞の政治性が丸見えな話でした。(そのあたり、実質は日米安保を強化し、日本を核の傘にいれておきながら、表向き、非核三原則をお題目に授与された佐藤栄作のノーベル平和賞みたいですね)
 しかし、そういう意味でも、まさに適任であります。
 半当事者の米国がやると、嫌味なことでも、名目上、「中立」ということになっている子分がやるなら、どうころがっても、オバマ政権に傷はつかない。
 さすがはヒラリー。

 今回、中南米とEUの大半の国がクーデター非難にまわったなか、コスタリカがずっと表に出てきていなかったのですが、要するに、そういう裏工作の余地を作るために、クーデター批判側に回らなかったということでしょう。

 こうなると落としどころですが、セラヤの再選を認める国民投票および大統領選挙の前倒しあたりでしょうか。もちろん、クーデター側には、米国の右派資本家と広告代理店とが、巨額の資金で選挙を全面バックアップしますよ、という裏条件付で。

テーマ : 気になったニュース
ジャンル : ニュース

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