豚インフル、メキシコの死者数に関するさらなる疑惑

メキシコではころころ変わる死傷者数に、みんなすでに呆れ果てている状態。
いろいろな疑惑が、人々の口に上がっている。

次のメキシコ在住の方の日記など、実際の死者がどこで出たのか、検死官ですら知らないというのはまさにブラックジョーク。そのあとの文章も鋭い指摘である。

 テレビなどで報道される感染者数と共に死亡者数が多くないにせよ、増えている。だが、その死亡した患者達がどこの町の、どこの病院で亡くなったかは一切合財報道されていない。余計なパニックを防ぐためと患者のプライバシーを守るためと言えば納得せざるを得ないが、どうも腑に落ちない。国によってはそれぐらいの情報は明かされてもおかしくはない。

 月曜日の夕方、日本のドラマの「セクシーボイス&ロボ」を見ながら時間を潰していた俺に一本の電話が入った。
 数年前に知り合った検死官の友人が、俺の元にインフルエンザで亡くなった患者はどこの病院に収容されていたかを問い合わせてきたのだ。
ピアニストが「ドの音ってどの鍵盤?」って聞いてくるのと同じだと思った。日本語教師で歯医者と翻訳家の卵に問い合わせるのはお門違いだろうという表現以上だ。訊いてみると、地方警察の為にインフルエンザの報告書を出し、市民に警戒を促したいためにどうしても遺体の検分しなければいけないんだそうだ。

 が、そういった分野には顔が利くはずの検死官が患者の所在を把握していないとはどういう事だろう?

 次に疑問に思ったのはメディアに公開されている感染死亡がメキシコに集中しすぎている事だ。アメリカ、ニュージーランド、イギリス、フランスと感染報告は出ているが死亡報告は出ていない。先進国だからってその国の人間に耐性があるとは思えない。不幸な意味で、全員平等な扱いなのだ。

 日本のブルジョアも、アメリカの平民も、メキシコのスラムの浮浪者も同じように病気にかかる。病気に国境はない。先進国でも感染者を察知できずに、そこからパンデミックが勃発する恐れがある。でも、それは「国」自体が無能だからではない。人が目に見えないほどの小さな敵と対峙する時は、元々ハンデがあるのだ。にもかかわらず死亡報告が出ているのはメキシコだけだ。

ここまでくればお分かりだろうか?

 間違っても、死亡した患者はいないと言いたいわけじゃない。
 人の死というテーマはその性質上、絶対に冗談にできるものではない。少なくとも、俺が受けた教育ではそう定義されている。しかし、ニュースに流れる現状と数字、そして他国で起きている被害がまるでかみ合わない。これではまるでメキシコのインフルエンザと他国のインフルエンザが別物みたいではないか?

 俺は正直なところ、各国政府の陰謀論を支持していない。どちらかというと、どの国のどのトップも腹に一物抱えている。それだけだと思う。世界を円滑に回すには、そういう行為もいる・・・つまりは場合によっては必要悪だ。綺麗事だけでは腹は脹れない、純粋な子供には分かりかねる歪んだ理屈だ。
 今回のインフルエンザの件で誰かが明確な悪意か、利用=営利目的を持って何かを成し遂げられたとは思えない。

 しかし、インフルエンザの事を大きくする事で、何か別な物から市民の目を逸らそうとする感じがするのは否めない。人の集団は、皆が同じ程度に恐怖を植え付けられると、守ってくれると力強く行ってくれる国のトップや政治家を疑問なく支持する。
 9/11事件の後、アメリカ国民が一方的にブッシュ大統領を支持したのが好例である。生存本能が成せる技なので、非難の対象にはされないが、それを任意に引き出しているとすれば話は別だ。

 以下の動画がその集団の意思と行動をもう少し詳しく説明してくれる。




http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1153444916&owner_id=1263706

実際、メキシコ市場もっとも不人気だった現政権(あまりの不人気ぶりに、大統領就任式を隠れてやらなくてはならなかったほどだ)は、(首都ではほとんど実感のない)麻薬戦争ネタで、かなり支持を回復し、さらに今回の一件で、さらに支持を上げることも期待しても不思議ではない。

さらに、私から付け加えるとしたら、次の2点だろう。
  1. 既に書いたことだが、この一件で、メキシコはかなりの額の海外援助を獲得した
  2. この件で、メキシコの国内株はかなり下がったが、株や通貨レートが下がるということを事前に知っている人がもしいれば、その人は濡れ手に粟の大儲けすることができる。


テーマ : 国際ニュース
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