文化と知識

キューバにて。
ある、キューバの文化人と呼ばれる人たちと話していた。

いかに観光で街が美しくなろうとも、実際には、現在もキューバは、世界最大の国との半戦争状態に置かれているという状態であるという事実ゆえ、そして、観光客であふれかえる今ですら、キューバを標的にしたテロは常時存在し、また、政府転覆のために莫大な資金援助をおこなっている団体がある、というすべての「尋常とはいえない」条件を加味したとしても、それでも、やはり不当であったであろういくつかの事実について。
とりわけ70年代の、キューバにおける表現の自由の抑圧や同性愛者への弾圧など。
レイナルド・アレナス(反体制で同性愛者だった)の亡命は否定できない事実だし、私が知っている中にも、亡命に追い込まれないまでも、活動の制限を受けたり、一時的に職を追われたりした人たちのケースも知っている。
実際、つい先日、70年代に検閲をやっていた担当者がメキシコの「ラ・ホルナーダ」紙のインタビューに答え、謝罪を行っている。音楽の検閲をやっていた極悪な奴は、まだのうのうとしているみたいだが。

で、まあ、話は色々あったのだが、その中で八木が心を動かされた会話があった。
「どんな政権であっても社会であっても、人間が完璧な存在でない以上、おかしな方向に揺れてしまうことはある。問題は、そのとき、『文化人』とか『知識人』がどういう態度を取るかということだ」
「文化人や知識人の役割というのは、そういうふうに政治がおかしな方向に歪んだとき、その持てる知識と文化の力でもって、是正するための最大限の努力をすることだ」

日本の文化人とか知識人で、そういうふうに「文化人や知識人の役割」というものを捉えている人って、どれだけいるのだろうなあ、などとふと。
実際には、日本の場合、こういった人たちの多くは「講演料」で生活している場合が多くて、その「講演料」の額や依頼される講演の数は、どれだけテレビに顔を出しているか、というところでかなり決まってくる.......という単に経済的な問題によって、日本の「文化人や知識人」は、どれだけテレビ受けするかってとこで動いているのが実態なのだからなあ。

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