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遠隔操作事件:いくつかの疑問に答える

さて、昨日からコメント欄が荒れているが、まず、一言。

知らない人にオマエ呼ばわりされる筋合いはないし、何か実害を受けたわけでもない人に謝れとか言われる筋合いはない。また、明らかに私のブログを読んでいないか、また内容が理解できていない人の筋違いなコメントを掲載する理由もないし、それは言論弾圧ではない。

謝れとか反省しろとか言う人に限って「私のブログの影響力が大きい」と主張されているのだが、それなら、私のブログより明らかに社会的影響の大きい大メディアで、今までに誤報を出した件について、すべて謝罪要求して、謝罪文を取っているのだろうから、それを公開して頂きたいものだ。
要するに、今回に限り、江川さんや私を叩いているなら、それは単に卑劣な阿呆が尻馬に乗っているだけとしかみなさないので、その種の人は相手にはしない。ブログはそもそも、強制して読ませているものではないし、購読料を取っているわけでもない。不快なら読まなけばいいのだから、迷惑をかけられたと言われる筋合いはない。

それから、私が検察憎しで書いていると「指摘」している人は、かなり読解力の低い人である。私は一貫して検察の問題を指摘しているのであり、「問題を指摘し、是正してもらおうとしている」。
警察は検察は圧倒的な権力を持っている。簡単に1人の人間の、そして多くの場合家族や親族も含めての人生を狂わせるだけの力を持っている。陸山会事件においては、クーデターまがいのことまでも起こしてしまっている。
だからこそ、その権力の行使は、きわめて慎重であるべきだし、暴走はあってはならない。マスコミも、その検察や警察の大本営発表やリークを嬉々として報じる機関であるべきではない。

しかし、残念ながら実態はそれと遠いところにあり、その問題に関しては、関係者でも「問題がある」と考えている人はいる。
だからこそ、私たちの会の活動に検察関係者や司法関係者の協力をも得られるわけだ。
そのことと「憎んでいる」ことの違いがわからない方は、悪いが「低脳低能」と言わせていただく。

その上で、いくつかツイッターなどで、当然の質問があったので、それには回答する。

まず、これにはまだ「裏」があるのではないか、という質問。

これはないと思う。
片山氏が、この期に及んで偽の自白をするメリットは全くないからだ。
とはいえ、片山氏という人が通常の論理とかメリットで動く人では全くない人格であるということが明らかになっているので、そういう意味では説得力を欠いてしまうのだが、この件で、母親が用意した保釈金は没収になってしまうわけだし、実際に、片山氏はそれを心配していたと佐藤弁護士は語っている。
一方で、彼は、母親に対する憎しみはなく、むしろ今回の、スマホを埋めて真犯人メールを送信させた動機が、母親を安心させたかったということなので、彼にとっては、「母親」というのが大きなキーワードになっている。(そういう意味でも、彼の持っていた狡猾さとは、あまりにも矛盾する幼稚さである)

それと、「比較的近くで見てそれらしい挙動があったということでしょうか?」について。
これはない。あるぐらいなら、プロの刑事弁護人である佐藤弁護士や、長年裁判官として務めてこられた木谷弁護士までが騙されるわけはないだろう。弁護団は一年間、毎日のように接見していて、それでも見破れなかったのだ。
見破れなかったのはおかしいという人や、いまになって、おかしいと思っていたという人は典型的な後出しじゃんけんであるとしか言いようがない。

「片山氏に騙されたということか」という質問に関しては、騙されたというよりは、今回、検察にあまりにフェアではない異常な行動や主張が多かったので、むしろ、そちらを危惧し、批判してきたということだ。私自身は片山氏にインタビューをしたり、個別に話すことはしていないし、そのつもりもなかった。(記者会見の前後に佐藤弁護士同伴の片山氏と少し言葉を交わした程度である) そういう意味では、片山氏個人にはあまり興味がなかったともいえる。

とはいえ、報道について、江川紹子さんやビデオニュース、IWJなどを叩いている人もいるが、江川さんが指摘しているように、「捜査段階では、マスメディアがリーク情報を含めて捜査側が出す有罪方向の、時には誤った情報ばかり発信しており、世の中の情報のバランスがあまりにおかしかった」という事実がある。(しかも彼女のコメントのこの部分は、NHKWebでは削除されている)
https://twitter.com/amneris84/status/468887868312940545
片山氏の個別インタビューを行ったいくつかのネット系メディアやジャーナリストはいるが、それとて、このような場合には、一方の言い分を報じることも大事なことで、それを批判することは、まさに言論の自由の封殺である。

つまり、推定無罪の大原則を無視し、捜査機関の情報リークにそのまま乗る報道の問題がある限り、大本営発表だけではなく、反対方向からの見方なり言い分をきちんと報道することは必要だ。それは、たとえ、犯人が明らかになっている場合でも同じことであるし、ましてや少しでも冤罪の可能性があるならば、(すなわち、被疑者が犯行を否認している状態であるなら)、そちらをきちんと報道する機関がなければ、民主主義の死滅であり、それこそが言論の問題である。

だから、結果的に、片山氏が犯人だったからといって、それは負けとか勝ちとか言う問題ではないし、そのことによって、メディアの問題や捜査機関のリークが「問題ない」ということにはならない。

一年間も拘束し、挙げ句に可視化を拒否して取り調べをやらないという捜査機関は明らかに先進国としては恥と言えるようなことであり、これまた、片山氏が犯人であったからといって、結果オーライで容認されることではない。(というか、こんなことをしていなければ、もっと早くに事件は解決していた可能性の方が高い)

先進国で取調べの可視化をしていない国はドイツと日本だけだが、ドイツの場合は調書主義は採用されておらず、日本よりはもっと人権が大事にされている。詳しくはこちらを参照して頂きたい。
http://fugathegameplayer.blog51.fc2.com/blog-entry-610.html

まともな取調べをするなら、当局が可視化を拒否する理由はない。弁護側に有利な証拠が出てきたときにそれを隠すことができなくなるだけだ。しかし、それを隠そうとすること自体、(というか、現行の裁判でも、検察側は被疑者に有利な証拠を出さないことが普通である)、当局が、まさにそれを恐れていたのではないかと思われても仕方がない。可視化は容疑者のためだけでなく、捜査機関や捜査の公正さを担保するためにも、やはり、取り入れるべきなのだ。

結果がどうあれ、今回の検察の取り調べとリーク、マスコミの報道には大きな問題があり、こういうことが常態化すれば、まさに冤罪の温床になり得ることなので、それをきちんと指摘していくことや、別の視点からの報道をしていくことは、民主国家である以上、絶対に必要なことである。

それを、今回の片山氏の自白をもって、勝敗の問題とすり替えたり、謝れとか言い出す人間は、悪いが、私は、ためらいなくバカ扱いさせていただく。

あと、結果として、片山氏は相当に「卑劣であった」わけなので、それに対して怒りはないのか、という点。
これは、個人的には怒りというより、むしろ、彼の言動のあまりの矛盾が理解できないという印象が大きい。怒りがあるとすれば、他の冤罪事件を闘っている方たちやその支援者、また、今後の冤罪支援に多大な迷惑をかけたことは許せないと思う。というより、むしろ、そういう方たちの方が、片山氏の行為に対して、悲しみなり怒りを感じているのではないだろうか。

私もそれを危惧するし、さらに言えば、今回、片山氏が真犯人だったことをもって、「それみたことか」的なことを言っている匿名の阿呆どもは、まさにそういう冤罪に加担する側にいるわけなので、そういう意味でも、私が、彼らの言っていることを尊重することは毛頭ない。

それと、彼が「相当に卑劣」なのは、まぎれもない事実だが、自分でサイコパスと言い、「自分でコントロールできない」とまで言っていることもあるので、彼の行為に、どこまで病気の影響があるのかどうか、そのあたりも見極めるべきであると思う。
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