逃げ切れたとお思いかえ?:新年早々、検察に悪夢の再来が

 さて、検察審査会に申立に行ってまいりました。
 のんびり構えていたところ、1月16日からオウムの平田被告の公判が連日あるので、16日以後は記者会見どころではないということがわかり、あわてて15日に提出と決めたものです。

 で、新年のことですので、着物でも着ていこうかと思っていたのですが、全国からたくさんの申立書がどっさり届いたうえ、添付資料も運ばねばならず、さらに、この15日に雪が降るという予報までございまして、「転んでも大丈夫」な服装ということにいたしました。

 で、この申立書が、こちらでございます。→申立書

 石川氏が逮捕されたときに、ほんとは自殺の恐れなどぜんぜんないのに、「死にたい」などと取調べで言って「自殺の恐れがある」から身辺保護のために、と、偽の報告書を作って、裁判所を騙して逮捕状を取ったという疑惑です。
 疑惑というか、前田恒彦元検事が、ばっちり暴露して下さってるんですが。

 マスコミが報じない陸山会・虚偽報告書事件の背景とは
 http://bylines.news.yahoo.co.jp/maedatsunehiko/20130707-00026133/

 この前田氏の告白がどれぐらい信憑性があるかといいますと、それはもう抜群です。なんといいましても、前田氏は確かに、大阪地検特捜部での証拠改竄事件を起こした方ではありますが、それまでは「特捜のエース」「割り屋」と言われた優秀な方です。
 それだけではありません。この前田氏の証言だけで、上司の大坪元部長と佐賀副部長は(ご両人が全面否認しており、しかも、客観証拠が何ひとつないにもかかわらず)、検察はこの二人を起訴し、裁判所は有罪判決を出しているのです。それぐらい、この方の証言の信憑性は、検察でも裁判所でも、全面的に認められている。

 それにひきかえ、田代氏はと言えば、3ヶ月前のことと昨日のこととの区別のつかないミスター鶏頭です。
 どちらの話に説得力があるかは、誰が見ても明らかな感じですが、しかし検察は、なぜか、この件に関してだけは、田代氏の言い分だけで不起訴にしてしまいました。
 一方、田代氏は、前田氏の言い分が出鱈目というなら、激怒して名誉毀損で告訴するべきなのですが、いっこうになさろうともしません。

 これではあまりに失礼ですよね。前田さんに。
 ということで、私たちが申立をおこなったわけです。

 前田氏は、Facebookのご自身のページでは、「私が公の場に出て何かを語る機会は、検察審査会による証人尋問(検察審査会法37条)しかないと考えているし、もし検審から要請があれば、全面的に協力するつもりだ。」と、明言していらっしゃいます。
 https://www.facebook.com/MaedaTsunehiko/posts/512929398781477

 そら、検察審査会、ここまで言われたら、期待に添わないわけにはいきませんわね。

 とはいえ、そんな何年も前の逮捕状の話なんか、どうでもいい些末なことで、これって重箱の隅をつついたようなネタなんじゃないか?
 と思われる方もおられるかもしれません。

 が、それは違います。

 じつは、当時の新聞を読み返してみるとわかりますが、政権交代後であったということもあり、1月14日までは、読売新聞は「小沢疑惑」を書いているものの、朝日新聞などはまだ慎重で、むしろ検察捜査の行き過ぎを批判する空気さえありました。
 が、1月15日に石川氏が逮捕されると、16日に「石川氏全面自供」の記事が一斉に出ます。

 いまとなっては、出鱈目な検察のリークだったと知れており、石川氏は「全面自供」なんてしてないのですが、死人、じゃないわ、逮捕者に口なし。この検察のデマリークに全社ひっかかります。
 そして、この日から、全マスコミが「小沢疑惑」「政治とカネ」の大バッシングを繰り広げ、鳩山政権崩壊へとつながっていっているのです。

 つまり、この逮捕こそが、大きく流れを変えたわけですから、実はかなり罪が重い。
 ですので、告発にも申立にも、たくさんの方が参加してくださったわけです。

 で、この事件はすみやかに検察審査会に受理されたのですが、以前の申立以上に、この「前田召還&大暴露」があるかどうか、大いに期待できるところです。

 そして、実は、もうひとつの前例のない出来事もありました。

 すでに、不透明な補助弁護士のもと、検察審査会がそれでも不起訴不当議決を出したものの、検察が再度の不起訴にして、「終わってしまった」とみなさまに思われていた、田代有印公文書偽造及び行使+偽証の件ですが、なんと、ゾンビのように復活したのでございます。

 これも、前田恒彦氏が、この田代検事の捜査をおこなった中村孝主任検事が、田代検事とは同期の「お友だち」であったことや、田代に起訴議決を何とか出させないように審査員を誘導する目的で、前田氏の証言した内容と異なる調書を作成したことなどを暴露しちゃったんですね。

 マスコミが報じない陸山会・虚偽報告書事件に対する隠ぺい捜査の実態とは
 http://bylines.news.yahoo.co.jp/maedatsunehiko/20130810-00026785/

 うわあ、これひどいわ。ということで、私たちは実は二回にわたって、新証拠が出たことを理由に、検察に再告発をしたのです。むろん、これは一事不再理にあたりません。
 にもかかわらず、(ここが笠間検事総長と小津検事総長の差でしょうかね)、最高検は二度とも不受理をかましてきてくれました。

 ああ、そうかい。そこまで検察審査会にかけられるのが怖いのかい。

 というわけで、前回告発には参加したが、種々の理由で申立には参加しなかった会員の方々が立ち上がって下さいました。

 むろん、検察審査会法には、
第三十二条  検察官の公訴を提起しない処分の当否に関し検察審査会議の議決があつたときは、同一事件について更に審査の申立をすることはできない。
 という条項がありますので、ある意味、駄目元だったのですが、検察審査会事務局で

1.検察に再告発をおこなったが、一事不再理は適用されず、しかも新証言が出ているにもかかわらず、検察は不当にも不受理にしている。

2.前回の申立の審査補助員問題は多くの批判を浴びており、さらに、前田検事の新証言は、検察がさらに事実と異なる供述調書を作り、検察審査会を騙そうとしたものであり、これはまさに検察審査会が、検察に愚弄されている状態である。

3.検察審査会が不起訴不当議決を出したその日のうちに、検察関係者の談として、「このまま不起訴にする」との話が読売新聞に出ており、さらに共同通信にも報じられた。すなわち、検察審査会の不起訴不当議決を受けても、検察はまともに再捜査を行わずに不起訴にしたわけで、これも、検察審査会を踏みにじる行為である。

したがって、上記の特殊な事情に基づいて、この再申立が「検察審査会法第32条」に抵触するかどうか、検察審査会事務局でじっくり検討して頂きたい。

と、きわめて淑女的に述べて、石川議員逮捕状の件の申立書とは別件として提出したものです。

 その申立書はこちら→再申立書 

 そうしましたら、その後、検察審査会から、
「諸般の事情を考慮して、この申立が、検察審査会法第32条に抵触するかどうかは、事務局では判断せず、審査員の判断を仰ぐ」
 ということで、受理されたことがわかったわけです。

 まあ、審査員の皆様がどう判断されるかはわかりませんが、検審事務局は少なくとも、この件に関しては「全面的には検察の味方はしない」という判断をされたようです。(というより、ぶっちゃけ、ここまで検察にコケにされて、ちょっとムカついていらっしゃる雰囲気を感じたのは、あたくしだけでしょうか)

 言うまでもなく、東京の三つの弁護士会にも、おかしな審査補助員を推薦しないように、という意の要望書もしっかり出してきております。

 ということで、抹殺したはずの事案までゾンビのように復活し、無事に逃げ切ったはずの田代元検事は、改めて2件の申立ての対象となったわけです。

 田代の件をうやむやにし、笠間検事総長は退任し、さらに自民党政権下で、してやったりと思っていた赤レンガ組の方たちの顔が強ばっているのが、目に見えるようです。

 一度騙した素人を、あと2回騙せるでしょうか。
 ....これはじわじわ来ますぜ。

テーマ : 政治・経済・時事問題
ジャンル : 政治・経済

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