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島田紳助引退理由のメールは、どこから来て、どこにつながっているのか

23日夜、突然発表された島田紳助の引退は、「暴力団関係者とのメールのやりとり」が理由でしたが、その相手が「渡辺二郎」だったということで、少し別の様相を帯びてきました。

去る6月23日に、私が代表をつとめている「健全な法治国家のために声をあげる市民の会」のコーディネートによる、明治大学大学院主催のシンポジウム「検察・世論・冤罪 II」で羽賀研二問題を取り上げています。

これは、去る6月17日に、控訴審逆転有罪判決を受けた羽賀研二の恐喝未遂と詐欺事件の検証で、この事件が、いかに大阪府警第4課と大阪地検の暴走によるものであるかということを明らかにしたものです。

つまり、本来立件に価しないような、正確に言えば、むしろ羽賀研二氏こそが被害者であると言えるような事件を、何故か、大阪府警と大阪地検が、むりやり立件し、さらに羽賀氏の無実の証人が出てくると、その弁護側証人を偽証で逮捕・有罪に持ち込んだという事件です。
さらに言うなら、この偽証事件は、去年の秋、すなわち、村木さん事件での証拠改竄事件で大阪地検が大打撃を受けて、第三者委員会の検証まで受けるはめになり、「引き返す勇気」などと言っていた口先も乾かないうちに、まさに、こんな無茶苦茶をやっていた、と。

このような、とんでもない禁じ手が出てしまった以上、これは芸能ニュースで扱われる事件であるべきではない、という認識のもと、私たちは、あえて、シンポジウムで問題提起をおこなったわけです。

で、この羽賀事件で、キーパーソンとなったのが、渡辺二郎氏です。羽賀氏と同じく、一審無罪だったものが、控訴審で懲役2年判決となっています。

しかし、この事件に関して注目が集まり、しかも、このシンポジウムでは、弘中淳一弁護士(郵便不正事件主任弁護人)、佐藤博史弁護士(足利事件主任弁護人)、郷原信郎弁護士(検察の在り方検討会議委員)、山下幸夫弁護士(元最高検アドバイザー)といったそうそうたるお歴々が集まって、この事件での捜査や取り調べの問題点が指摘されてました。
むろん、羽賀氏は最高裁に控訴中です。

そして、この羽賀氏の一審無罪・控訴審有罪の決め手となった、徳永医師も控訴中です。

この徳永医師は、偽証で有罪となったものの、その有罪の中身は、肝心の羽賀氏の株取引に関する証言内容ではなく、それとは直接関係のない言葉尻の部分を取り上げて、その記憶違いを「偽証」と問題としたトンデモ判決ですが、この有罪判決によって、羽賀氏の控訴審有罪が導かれたのでした。

しかも、ここにもう一つ、検察の暴走があります。

この徳永氏の証言が事実ではあることを補強する第二の証人が、実は存在していたのです。
その第二の証人に、じつは、検察側は出廷しないよう圧力をかけていた形跡があり、さらに、不思議なことに、徳永氏の弁護人が、この徳永氏を無罪にするための重要証人をなぜか法廷に呼ばないという奇妙な動きを見せます。さらに、この弁護人氏、徳永氏有罪のあと、徳永氏が控訴しないように説得までしていたとのこと。
....一体ぜんたい、何があったのでしょうねえ。

さすがにおかしいと思った徳永氏が、この弁護士を解任することで、ただいま控訴中というわけです。

で、この控訴審では、おそらく、この徳永氏の無罪を立証する証人が出廷するでしょう。
それでも、検察が、徳永氏を偽証として有罪にできるかどうかは、かなり微妙になってきたわけで、さらに徳永氏が無罪になれば、検察の主張は見事に崩れ、最高裁での羽賀氏の無罪が確定するでしょう。そうなれば、当然、渡辺二郎氏も無罪です。

そして、そのような事態になれば、この事件に関する警察と検察のやったことに、より大きな批判が集まることは避けられないというわけです。

で、ここにきて、島田紳助氏のメール事件。
渡辺二郎氏は、もともと羽賀事件においても、警察の本来のターゲットであったと見られています。
大阪府警がガサ入れして出てきたメールということは、大阪府警から情報が流出して、吉本興業や週刊誌にリークされたわけですね。

なにがなんでも、羽賀事件を最高裁でも有罪に持ち込むか、あるいは最悪の場合でも、「渡辺二郎=暴力団とズブズブ」をアピールすることで、傷を最小限にするための最後の手段ということでしょうか。

むろん、島田紳助氏は、羽賀事件について知らないわけはないですから、大阪府警と大阪地検が本気になれば、どんなでっち上げでもできることは身に染みて知っているでしょう。少し臑に傷でもあろうものなら、なおさらです。

さて、どういう取り引きストーリーが出てくるでしょうか。

テーマ : 政治・経済・時事問題
ジャンル : 政治・経済

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