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信じられないことばかりが起こるこの日々に

しばらくブログの間隔が空いたのは、もちろんわけがあります。
震災のせいですね。

あまりに月並みにですが、まずなによりも、今回の東日本大震災の被災者の方々にお見舞いの意を表明いたします。そして、東京電力福島原発事故の現場の方々や、これから長く続くであろう避難者の方々の苦しみに、自分になにができるかを考え続けさせられる日々でありました。

「3.11」以前と以後、この日を境に日本は決定的になにかが変わってしまったのかもしれない。
少なくとも、もう以前と同じではない。
そんな言葉さえ聞かれた3月でした。

たしかに、私たちはサイエンス・フィクションの設定だと思っていた世界を現実として生きる羽目になっていて、そして、その中ですら、やはり私たちは「3.11」以前なら非日常であった日常を、ある意味、淡々と生きている。もしかしたら、その日々の繰り返しこそが、私たちを虚無や絶望から救ってくれる、希望というものの源泉なのかもしれません。

震災自体が、実をいいますと、私が日本に帰った直後のことでありました。
正確には9日夜に帰国して、その翌々日です。
またこの日に打合せで赤坂に出かけていて、しっかり帰宅難民に。

とりあえず近距離の四谷に出て、上智大学かイグナチオ教会の悪くてもどちらかが開いているだろうと当てにしたのが運が良くて、上智大学の知り合いの教授研究室に避難ができました。
もっともそこから、研究室のパソコンを使って情報を集め、帰宅難民になってメールを送ってくる人たち(主に東京にいる外国人)の人たちに、最寄りの避難場所を連絡し続けることになったのですが。

ええ、そうです。
ブログを読んでいらっしゃる皆さんなら、とっくにご存じのことですが、あの日、携帯も電話も通じない中、TwitterとGメールとSkypeFacebookViberだけは、完璧と言っていいぐらい機能していました。

家族にすら連絡できないそのときに、メキシコやチリやキューバや中米の友人たちから次々とメールやFacebookで「日本で大地震があったみたいだけど、大丈夫?」という問い合わせがひっきりなしに届いていたのです。
あの日、バーチャルなはずの電脳世界は、リアルの現実世界よりもはるかに近くに、生々しい存在感で「存在していた」のでした。

そして、あの日こそは、それまではテレビが公式には『簡易ブログ』と、上から目線でしか語ってこなかったTwitterが、もはや誰も否定できない公のメディアとして躍り出た瞬間でもありました。

帰宅難民があふれた東京には、午後7時にはすでにこんな情報がまとめられていました。
http://twitter.com/doctorcoochan/status/46161957874712576
被災地ですら、いったいどれほどの人たちがTwitterで情報を求め、また発信しておられたでしょうか。

そして、電話でしか連絡を取る方法を思いつかない公の機関が右往左往しているうちに、どれほど多くの人たちが、ネットで情報を拡散していったでしょうか。
もちろんそれはいまも続いています。

http://savejapan.simone-inc.com/index.html
http://japan.person-finder.appspot.com/?lang=ja
http://311help.com/

そして、福島原発事故。

これが5年前でなくて、ある意味良かったかもしれないと思います。

これが現在であったゆえ、私たちはUstream中継で東電や保安院の記者会見を編集なしにリアルタイムで見ることで、フリーランス記者たちの刃のように鋭い質問の内容を知り、美しく編集されたテレビ画面や新聞からはわからない、東電関係者や保安院のしどろもどろの返答にうさんくささを嗅ぎ取り、さらに大手メディアにほとんど登場しない専門家の話を時間制限なしに聞くことができた。
リアルタイムで福島原発の映像を眺め、雨の中の放射性物質のグラフを見ることもできる。

ネットがすべてをダダ漏れにするが故に、以前のような完璧で洗練された情報統制ができなくなっているのです。

それだけに、この地震と津波と原発事故が5年前に起こっていたら、と思うとさらに寒気がします。
まだまだ、大メディアと組織の壁は厚いとしても、少しづつ少しづつ、なにかが変わりつつあると、そう思える予兆は確かに感じます。

その渦中で、刻々と動き、大量に流れる情報の渦の中で、じっくり考えて文章を書くBlogより、私がTwitterのほうにかまけてしまったというのも、また、とても「現在」的と言えるかもしれません。
とはいえ、じっくり考えることも必要ですので、またブログも再開していきますが。

そんな中。ブログ再開ついでに、ライブも再開のお知らせです。
フライヤーを作って宣伝という状態ではなかったので、今回はネットだけでの宣伝になりますので、是非、皆様、おいでください。

すでにTwitterでは告知済みなのですが、久しぶりに、『東京アンダーグラウンドシーンの帝王』にして4.10の高円寺では先頭に立っていらしたシカラムータの大熊ワタルさん(クラリネット)と、凄腕ピアニストの阿部篤志さんと一緒に、これまた久しぶりに、都内は赤坂の本格ジャズクラブ「B♭(ビーフラット)」でのライブです。ハコに敬意を表して、懐かしのジャズのスタンダードや、先日、メキシコ人作曲家ラファエル・メンドーサにプレゼントしてもらったスウィング・ジャズの新曲なども歌いたいと思います。
とはいえ、このメンツですので、バスクやカタルニア、果ては南米チリの曲など、濃ゆいレパートリーが出てくることは避けられません。

そして。

なんとこの日、とんでもなく「あり得ない」スペシャル・ゲストをお招きしております。

はい。もうすでに「あり得ない」事が次々に起こっている日本で、すでに「あり得ない」という言葉の意味も形骸化しておりますが、それは承知の上で、この言葉を使わせて頂きますね。

スペシャル・ゲストとは、かつて、不二家信頼回復対策会議長としてTBS報道が捏造だったことを暴き、村木さん事件から小沢問題にいたる一連の検察暴走問題では、元東京地検特捜部検事として検察批判の急先鋒。その一方で、年金業務監視委員長として、今年初めに話題だった不公平「運用三号」を事実上の撤回に追い込み、震災後は、総務省顧問として原発冷却用のコンクリートポンプ車から救援貨物船から乳児用ミルク調達まで、八面六臂の活躍で「あの人、いったい、いつ寝てるんだ」と巷で言われている、あの、郷原信郎弁護士です。

これでライブまで参加って、ほんとにいつ寝ていらっしゃるんでしょうか。それは謎です。

どういうご縁かともうしますと、私の課外活動におきまして一度ほめていただいたという、まあそういうご縁でしかないのですが、けれど確実なのは、当日、間違いなくご本人がサックスをもって会場に来られるということと、トークでも参加して下さることを予告してくださっていることです。

音楽の合間に、検察問題から震災問題、原発問題と、地上波TVに出てこない話ががんがん炸裂しそうな予感がいたしますので、私としても、数年ぶりに気合いを入れて、正装のイブニングドレス着用で迎撃させて頂きたいと思っております。いや、もちろんジャズライブですので。

しかし、この組み合わせ、いやほんとに、あり得ないでしょう。
なので、集客がまったく読めません。

ですので、今回は、八木のホームページ上でのweb予約はなしで、お店に電話で直接のご予約をお願い申し上げます。また、早めのご予約をおすすめします。

◆4月20日(水) 赤坂 B Flat(ビー・フラット)
(東京都港区赤坂6-6-4 赤坂栄ビルB1)
ご予約・お問い合わせ/03-5563-2563
1st p.m. 7:30 ~ Charge:2,500円
アクセス/地下鉄千代田線「赤坂」駅下車。出口5bから3分 地図
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PANDORA

Author:PANDORA
ラテンアメリカと日本を拠点に活動する音楽家・作家 八木啓代のBlog
公式サイト http://nobuyoyagi.com

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3.11を心に刻んで (岩波ブックレット)
人は、どのような局面において言葉をつむぐか。30人の執筆者が震災を語ったエッセイ集。澤地久枝、斎藤 環、池澤夏樹、渡辺えり、やなせたかしらと並んで八木も寄稿。
刑事司法への問い (シリーズ 刑事司法を考える 第0巻) (岩波書店)
日本の刑事司法の何が問題か、どのような改革が求められているか。刑事法研究者、実務法曹の他、八木も執筆しております。
禁じられた歌ービクトル・ハラはなぜ死んだか(Kindle版)
長らく絶版状態だった書籍をリクエストにより電子書籍で再版いたしました。八木啓代の原点です。
検察崩壊 失われた正義(毎日新聞社)
5刷。この一冊で特捜検察の現実がわかります。
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なぜラテン人は自殺しないの?に応えて3刷!好評発売中!
キューバ音楽(青土社)
ラテン音楽ファン必読!キューバ音楽のすべてが理論も歴史もわかります。浜田滋郎氏激賞
貧乏だけど贅沢(文春文庫)
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