PANDORA REPORT 南極編・その15
マゼラン海峡をかたわらに、タクシーは走る。
うん。マゼラン海峡が、かたわら、である。どうだすごいだろう、って感じが出ますね。
ほとんど交通のない海沿いの長い道路を20分ほど走って、それから内陸方向に折れる。そこから40分。ひたすら平原の一本道。
周囲の平原には、羊や牛や山羊の群れが時々見える。
こんなものでも、日本人には珍しく面白い。
ので、ときどき、車を停めてもらって写真タイム。
運ちゃんも心得たもので、
「このちょっと先に、アルパカがたくさんいる牧場があるよ」
と教えてくれたりする。
「運が良ければ、コンドルも出るかも」
と言っている端から、空にコンドル。
さらに、妙に高い重心でクルマの前を懸命に走るなにかを発見。
「おっ、ニャンドゥだ」
ニャンドゥというのは南米最南端地域に住むダチョウ目レアの一種。時速60キロで走る、絶滅危惧種である。ダチョウの仲間ではあるが、ダチョウではない。英語ではダーウィン・レアという。
そのニャンドゥが、タクシーの前を全力疾走していた。

「キミら運良いね~」
うん。そう思う。
しばし疾走したあと、ニャンドゥは、一本道を逸れて、草原の方に走り去っていった。
ふ~~っと、肩の力を抜く私たち。(なんで肩に力が入るんだ?)
と、こういう道中1時間半ほどのあと、オトウェイ湾のペンギン保護区に着いた。
「じゃあ、一時間後ね」
タクシーは保護区の入口の駐車場までなのである。
「公園にゴミを捨てないでください」とか「大声を上げてペンギンを驚かせないでください」という注意書き。
これを、引率の八木としては、連れの青少年たちに翻訳して、きちんと言い聞かせたことは言うまでもない。
こうして、私たちは、連れのタクシーと、さらに途中で一緒になったもう一台(こちらには、同じくピースボートの年配組3人が乗っておられた)とで、とろとろ歩き出した。
この公園がまた広い。しかも、絶景である。
この日も快晴だったので、すばらしい眺めで、とりわけ雲の動きが息を飲むほど美しい。

この景色を楽しみながら、草原の中の一本道を3分近くトレッキングすると、湾が見えてきた。
その直後、奇声が響き渡った。
「え~、なにうそ、きゃ~、かっわいい~」
注意書きなど、全員の頭から飛んでいた。
.....すぐ目の前を、なんとも可愛いペンギンが行列して、とろとろと歩いていた。
(続く)
うん。マゼラン海峡が、かたわら、である。どうだすごいだろう、って感じが出ますね。
ほとんど交通のない海沿いの長い道路を20分ほど走って、それから内陸方向に折れる。そこから40分。ひたすら平原の一本道。
周囲の平原には、羊や牛や山羊の群れが時々見える。
こんなものでも、日本人には珍しく面白い。
ので、ときどき、車を停めてもらって写真タイム。
運ちゃんも心得たもので、
「このちょっと先に、アルパカがたくさんいる牧場があるよ」
と教えてくれたりする。
「運が良ければ、コンドルも出るかも」
と言っている端から、空にコンドル。
さらに、妙に高い重心でクルマの前を懸命に走るなにかを発見。
「おっ、ニャンドゥだ」
ニャンドゥというのは南米最南端地域に住むダチョウ目レアの一種。時速60キロで走る、絶滅危惧種である。ダチョウの仲間ではあるが、ダチョウではない。英語ではダーウィン・レアという。
そのニャンドゥが、タクシーの前を全力疾走していた。

「キミら運良いね~」
うん。そう思う。
しばし疾走したあと、ニャンドゥは、一本道を逸れて、草原の方に走り去っていった。
ふ~~っと、肩の力を抜く私たち。(なんで肩に力が入るんだ?)
と、こういう道中1時間半ほどのあと、オトウェイ湾のペンギン保護区に着いた。
「じゃあ、一時間後ね」
タクシーは保護区の入口の駐車場までなのである。
「公園にゴミを捨てないでください」とか「大声を上げてペンギンを驚かせないでください」という注意書き。
これを、引率の八木としては、連れの青少年たちに翻訳して、きちんと言い聞かせたことは言うまでもない。
こうして、私たちは、連れのタクシーと、さらに途中で一緒になったもう一台(こちらには、同じくピースボートの年配組3人が乗っておられた)とで、とろとろ歩き出した。
この公園がまた広い。しかも、絶景である。
この日も快晴だったので、すばらしい眺めで、とりわけ雲の動きが息を飲むほど美しい。

この景色を楽しみながら、草原の中の一本道を3分近くトレッキングすると、湾が見えてきた。
その直後、奇声が響き渡った。
「え~、なにうそ、きゃ~、かっわいい~」
注意書きなど、全員の頭から飛んでいた。
.....すぐ目の前を、なんとも可愛いペンギンが行列して、とろとろと歩いていた。
(続く)