PANDORA REPORT 南極編・その9
さて、船はモンテビデオから南下する。
ということは、一日ごとに気温が低下する。気温だけではなく水温も。
ゆえに、船の屋上デッキにある海水プールも、あっという間に使えなくなった。このプールはちょっとリッチな気分を味わえたのだがな。
これからアルゼンチン最南端の町ウシュアイアまで、数日間の船生活である。
実は、ここのところが、船旅のキモなんである。
スケジュールを見ると当然だが、ピースボートはすべて船移動なので、実際に行き先に寄港している時間はそれほど長いわけではない。長くて3日。短いと1日。(出航約2時間前に帰船リミットがあるので、着岸が遅れたりすると、実質、半日強程度の場合もある)
これに対して圧倒的に長いのは、洋上で過ごす時間というわけ。
きょうび、世界のかなりの国々には、飛行機で行けば、遠いところでも2日以内で着く。運航便が非常に不定期とか、定期便が週一便しかないとかいうような島は別として、かのエボラ出血熱が発生したザイールの首都のキンシャサからでさえ、24時間でニューヨークに行けるのだ。
だから、世界の特定の場所数カ所に行くこと、を目的として旅行するなら、言うまでもなく飛行機便が圧倒的に早くて便利で安い。
いや、特定の場所でなくても、世界一周航空券を利用すれば、40万円程度で、飛行機での世界一周は可能なのだから、単に世界一周を目的にするなら、このほうがずっとたっぷり現地滞在はできる。
要するに、船旅を選ぶというのは、現地で滞在することより、ゆったりと船上生活そのものを楽しめるかどうかが、ポイントとなるようだ。
船の生活そのものを楽しめれば、それこそが醍醐味なのだろうし、そこを勘違いして乗ってしまうと、船旅はいたってつまらないものとなるわけだし、下手すれば、悪夢そのものになりうるわけね。
ちなみに、ポスター広告に出ている激安価格は4人部屋の場合の料金なので、ペアや一人部屋だと当然もっと高額になり、一人部屋でほぼその倍額からになる。もっと高価格のスイートもある。
とはいえ、この価格には、三食と世界一周の移動費が含まれている。また、水先案内人の講演など、無料で参加できるイベントも多いので、コストパフォーマンスはかなりすぐれていると言っていいと思う。
というか、相部屋が嫌でなければ、このクルーズの場合、106日間最安150万円以下で食事付きで世界一周できるわけだ。
これって、一日に直すと、1万4千円程度。ビジネスホテルでも3食付きで、この価格というところはちょっと無いから、移動費を考えれば、確かに激安である。
(ちなみに70回クルーズだと、80日間で985000円という料金設定まであるようだ)
ただ、しつこいようだが、船上イベントや講演を楽しめれば、こんなにお得な旅はないし、そういったものに一切興味はなく、ただ船室に籠もって過ごしていれば、これほど退屈でひどい旅はないというのも、勘違いではあるけれど真実である。
で、ここから、アルゼンチンから乗ってこられた社会起業家・中西武志さんの「起業ゼミ」がはじまる。
それも、良くありがちな、「ちょっと時流に乗って成功した起業家の自慢話」みたいなものではなくて、実践講座。
私もちょっと覗かせていただいたが、コーポレート・アイデンティティからロゴ・デザイン、企画書の書き方、投資の募り方、初歩的な法律知識など、めちゃめちゃ具体的な内容の指導で、これを連日、宿題入りでやりつつ、ゼミ生にグループを作らせて、ヴァーチャル会社を立ち上げ、企画書をプレゼンするところまで指導するというもの。実際、前回の旅で、このまま企画を実現し、起業した参加者も二組ほどあったらしいが、それぐらい実務的な内容なのである。
恐るべしピースボート、はっきりいって、この企画のゼミだけ参加しても、ピースボートの船旅はモトがとれるといっても過言ではない。
で、実生活にはまるで役に立たない(爆)私の講演も、チリからペルー音楽編。それから、猛特訓の末に、ピアソラまで弾き抜いたフィリピン・グループとのライブである。
一方、なぜか、なりゆきで『伝説的なバックパッカー』の話を聞きたいという若い人たち相手のミニ講座も行う。
.....っていっても、キミら、リアルタイムで『八木啓代』が一部のヲタなバックパッカーの間で伝説化していた時代を知らんだろうに。と思ったが。
しかし、考えてみればいまの若者は、物心ついたときにはパソコンが存在し、ケータイがあるのが当然である文化を生きているわけで、通信するためにターミナルモードを呼び出して叩くとか、ケータイ自体が存在しない時代の旅の経験というのも、いわゆる途上国を旅する上では有益な点もあるだろうと。
で、これはちょっとだけ実際に役に立ったかも。単に、バックパッキングや貧乏旅行をするのにも、いざというとき野宿するにも.....(をいをい)
というわけで、サクセスフルな起業講座から、失敗したときのホームレス入門(だから違うって)まで、幅広い船内講座を持つピースボートの船は、一路、難局南極に向かっていったのである。
ということは、一日ごとに気温が低下する。気温だけではなく水温も。
ゆえに、船の屋上デッキにある海水プールも、あっという間に使えなくなった。このプールはちょっとリッチな気分を味わえたのだがな。
これからアルゼンチン最南端の町ウシュアイアまで、数日間の船生活である。
実は、ここのところが、船旅のキモなんである。
スケジュールを見ると当然だが、ピースボートはすべて船移動なので、実際に行き先に寄港している時間はそれほど長いわけではない。長くて3日。短いと1日。(出航約2時間前に帰船リミットがあるので、着岸が遅れたりすると、実質、半日強程度の場合もある)
これに対して圧倒的に長いのは、洋上で過ごす時間というわけ。
きょうび、世界のかなりの国々には、飛行機で行けば、遠いところでも2日以内で着く。運航便が非常に不定期とか、定期便が週一便しかないとかいうような島は別として、かのエボラ出血熱が発生したザイールの首都のキンシャサからでさえ、24時間でニューヨークに行けるのだ。
だから、世界の特定の場所数カ所に行くこと、を目的として旅行するなら、言うまでもなく飛行機便が圧倒的に早くて便利で安い。
いや、特定の場所でなくても、世界一周航空券を利用すれば、40万円程度で、飛行機での世界一周は可能なのだから、単に世界一周を目的にするなら、このほうがずっとたっぷり現地滞在はできる。
要するに、船旅を選ぶというのは、現地で滞在することより、ゆったりと船上生活そのものを楽しめるかどうかが、ポイントとなるようだ。
船の生活そのものを楽しめれば、それこそが醍醐味なのだろうし、そこを勘違いして乗ってしまうと、船旅はいたってつまらないものとなるわけだし、下手すれば、悪夢そのものになりうるわけね。
ちなみに、ポスター広告に出ている激安価格は4人部屋の場合の料金なので、ペアや一人部屋だと当然もっと高額になり、一人部屋でほぼその倍額からになる。もっと高価格のスイートもある。
とはいえ、この価格には、三食と世界一周の移動費が含まれている。また、水先案内人の講演など、無料で参加できるイベントも多いので、コストパフォーマンスはかなりすぐれていると言っていいと思う。
というか、相部屋が嫌でなければ、このクルーズの場合、106日間最安150万円以下で食事付きで世界一周できるわけだ。
これって、一日に直すと、1万4千円程度。ビジネスホテルでも3食付きで、この価格というところはちょっと無いから、移動費を考えれば、確かに激安である。
(ちなみに70回クルーズだと、80日間で985000円という料金設定まであるようだ)
ただ、しつこいようだが、船上イベントや講演を楽しめれば、こんなにお得な旅はないし、そういったものに一切興味はなく、ただ船室に籠もって過ごしていれば、これほど退屈でひどい旅はないというのも、勘違いではあるけれど真実である。
で、ここから、アルゼンチンから乗ってこられた社会起業家・中西武志さんの「起業ゼミ」がはじまる。
それも、良くありがちな、「ちょっと時流に乗って成功した起業家の自慢話」みたいなものではなくて、実践講座。
私もちょっと覗かせていただいたが、コーポレート・アイデンティティからロゴ・デザイン、企画書の書き方、投資の募り方、初歩的な法律知識など、めちゃめちゃ具体的な内容の指導で、これを連日、宿題入りでやりつつ、ゼミ生にグループを作らせて、ヴァーチャル会社を立ち上げ、企画書をプレゼンするところまで指導するというもの。実際、前回の旅で、このまま企画を実現し、起業した参加者も二組ほどあったらしいが、それぐらい実務的な内容なのである。
恐るべしピースボート、はっきりいって、この企画のゼミだけ参加しても、ピースボートの船旅はモトがとれるといっても過言ではない。
で、実生活にはまるで役に立たない(爆)私の講演も、チリからペルー音楽編。それから、猛特訓の末に、ピアソラまで弾き抜いたフィリピン・グループとのライブである。
一方、なぜか、なりゆきで『伝説的なバックパッカー』の話を聞きたいという若い人たち相手のミニ講座も行う。
.....っていっても、キミら、リアルタイムで『八木啓代』が一部のヲタなバックパッカーの間で伝説化していた時代を知らんだろうに。と思ったが。
しかし、考えてみればいまの若者は、物心ついたときにはパソコンが存在し、ケータイがあるのが当然である文化を生きているわけで、通信するためにターミナルモードを呼び出して叩くとか、ケータイ自体が存在しない時代の旅の経験というのも、いわゆる途上国を旅する上では有益な点もあるだろうと。
で、これはちょっとだけ実際に役に立ったかも。単に、バックパッキングや貧乏旅行をするのにも、いざというとき野宿するにも.....(をいをい)
というわけで、サクセスフルな起業講座から、失敗したときのホームレス入門(だから違うって)まで、幅広い船内講座を持つピースボートの船は、一路、