裁判員制度、どうなるのか?! どうするのか??
いちおういろいろ書いてる本人なので、書いたことに対して責任を持つため、裁判所前に行ってくる。
今回の署名集めなどの中心になっているアジア女性センターなども、サイトでしか知らないので、どういう方たちなのか知っておきたいし。
幸か不幸か炎天下であった。
行ってみると、最高裁判所前の道路で、紙の垂れ幕を広げて、チラシを配ったりするぐらい。
ただ、裁判所に対しての示威効果を狙うということであるらしい。
テレビ局も取材に。
つまり、こういう「抗議運動」のなにがキモかというと、とにかくささやかでも、なにか具体的なアクションをやらないと、(後ろによっぽど大きな後ろ盾でもない限り)メディアの取材もないし、そうなると、結局「何もやってないのと同じ」ということになってしまうかららしい。
で、裁判所はどうなのかというと、19日の申し入れに対して、「回答はなし、しかも、回答するかどうかも回答しない」という、まー、はっきりいうと「しかと」状態である。
しかし、「しかと」されたらされたで、「裁判所は、この問題を『しかと』するつもりみたいです」ということになる実績ができちゃったというわけね。
すでに私のブログとかに、裁判員制度を熱狂的に支持しているらしい人から、この問題提起について「ありえないし、誤解だ」といううれしいコメントがついていて、ついでにその人のブログには、「そんな心配は全然無い」ことが熱烈に書かれているが、じつは、ぜんぜんそうじゃなくて、最高裁自身が、「単にこの問題をスルーしていて、しかも指摘されたら、『しかと』して答えない」というのが現実だということが、とっても残念ながら、はっきりしてしまったというわけだ。
私としても、じつは、最初、ひょっとして誤解であってほしいという気持ちがあった。
ので、知り合いの裁判員制度に詳しい弁護士さんに尋ねてみたところが、
「制度的にありえます。ただ、たぶん、配慮はされると思う」
という答えをもらって、仰天したのだよ。
「たぶん、配慮されると思います」ってなによそれ?
(ここ、アッチョンブリケの顔ね)
ちゃんとしたコンセンサスないんかい???
裁判員制度に詳しいと自認する人がそれでは、ないってことやね。
こら、あかんて。
というわけで、日記を書いた次第なんである。
で、裁判所前で、日焼け止めクリームはもちろん塗っているけどさ、長袖のブラウスにベストスーツでキメた私は、暑い陽ざしを浴びてへばりながら、関係者の方にお話を伺っていたわけ。
なんで、長袖のブラウスにベストスーツかというと、もちろん、深いわけがある。
今回の件で、強姦事件の裁判などについてちょっとネットで調べただけで、こんな判例が出てくるんである。戦前じゃなくて。アフガニスタンとかナイジェリアじゃなくて、1994年の日本で、だよ。
「おおぼけこいた」という言葉を使ったぐらいで、「慎重でもないし、貞操概念もない」から、強姦されても当たり前、と認定するらしいんだ、日本の裁判官は。
それぐらいの言葉、使うやろ。少なくとも私は使うぞ。悪かったね、慎重じゃなくて。どうせ、石橋を壊して渡る性格だよ、私は。
ちなみに、
すごすぎる。すごすぎるでしょ? 日本の裁判官のデリカシーって。
なので、いくら暑いからといって、セクシーなおばお姉さんが裁判所の前でタンクトップでも着ようものなら、なに言われるかわかんないじゃん!
なので、長袖のシャツとスーツだったのである。
ちと脱線したが、それで、関係者の方にお話を伺ったところ、ある性犯罪被害者の方が(家族を守るために、名前は絶対に出せない、という。もちろん理解する)、このことを知って驚いて、直接、最高裁判所に問い合わせたところから始まる。
結論からいうと、彼女は、彼女の立場なら当然せっぱ詰まっている、その当然の疑問に答えてはもらえず、けんもほろろに扱われた。
そこで、追い詰められた彼女は、DVやら女性の人権問題を扱っているNPOに問題を訴えたというわけ。非常によくわかる話である。
ここで、市民団体が出てきたというだけで、勝手に拒否反応を示すようなコメントつけている人もいるし、その気持ちはまったくわからなくはないが、現実とはそういうものだ。
あなたが、なにかで非常に理不尽な被害に遭う。
そういうときに、一人で抗議したってどうしようもない。
労働問題であるなら組合なり、人権問題なら人権団体なり、悪徳商法に騙されたら、消費者センターなり、とにかく関連団体に相談するしかないわけだ。
でなければ、ほぼ確実に泣き寝入りになる。残念ながら、「個人」はここまで弱い。
ま、蟹工船が小説になるわけだ。
頼られた市民団体も、この話を聞いてさすがにびっくりして、しかも裁判員制度の開始が迫っているので、とるものもとりあえず動いた、という感じ。
さて、ここで最高裁判所は、個人に対してだけではなく、団体に対しても「しかと」を決め込んだというわけで、第二段階が始まるわけね。
ここで、団体の強みが出る。メディアとか政治家に働きかける窓口になることができるわけだ。
とくに、こういう「本当の被害者が表に出ることができない場合」にはね。
この裁判員制度には、国会議員の中からも疑問の声が上がっており、ちょうど今日、このあと、「裁判員制度を問い直す議員連盟」の総会があるという。しかも、その中心になっている社民党の保坂代議士がこの問題に注目してくれて、アジア女性センターに対して、総会でこの問題について説明してほしいとの依頼が来たのだという。
私は関係ないんだけど(なくはないか?)、頭数がいた方が良いような雰囲気ではあったので、一緒にのこのこついて行った。
なんたって、クソ暑い(あ、また「馬脚を現す」ような表現を使っちゃったよ)のに長袖のスーツだかんね。
で、衆議院議員会館である。
入口には、仰々しく、「発熱や咳などの症状のある方は入れません」と書いてあり、健康な人も入るためには、手指の消毒をしなくてはならない。
出たあっ。そこまで怖いか、豚インフル。
しかし、私は「オオボケこいてるな」などとは言わず、概ね上品な言葉や態度で、、黙って手指を消毒する。
知らなかったが、現在、この超党派の「裁判員制度を問い直す議員連盟」には、衆参両院で60名が参加しているという。彼らはすでに先週5月15日に「裁判員制度凍結・延期法案」を国会提出しようとしたが、民主党の代表選の最中で、民主党の意見集約ができず、法案提出が出来なかったらしい。
http://blog.goo.ne.jp/hosakanobuto/e/af35442a3c21473c69b94d8bf8ff178a
で、この議員連盟は12の論点を出して、裁判員制度の凍結・延期を求めている。
その中には、「思想・信条の理由による辞退が認められない」「無罪の判断をした裁判員も、強制的に『量刑評議』に参加させられ、途中辞任も認められない」「死刑判決を『全員一致』ではなく多数決で行う」などの問題がごろごろと提起されているのだが、その中に「守秘義務や虚偽陳述の罰則が重すぎる」というものもあった。
私らの立場としては逆である。候補者に守秘義務はないし、裁判員の守秘義務も軽い。
だからこそ、性犯罪被害者は、怖ろしい目に遭うかもしれないという心配だからだ。
しかし、なぜこれが問題になるかというと、一方で、過重な守秘義務を課すことで、裁判員が「この裁判は明らかにおかしい」と思うような証拠の提示や裁判官の誘導などがあっても、それを誰に言うことができないために、かえって冤罪の温床になるのではないか、とか、この制度が進み、国民の多くの人が裁判員を一度ぐらいは経験するような時代になったときに、この守秘義務をタテにした不当逮捕が簡単にできてしまう、というトラップが指摘された。
(つまり、秘密の事柄に関して、「自分がバラしてない」という証明はぜったいに誰にもできない。だから、「お前がバラした」ことにすれば、検察はいつでも誰でも逮捕できちゃうというわけ。.......それは、確かに怖い)
この守秘義務に関して言えば、重くすれば、冤罪や不当逮捕の温床になりかねないし、軽くすれば、被告や(特にあとで冤罪とわかった場合の)被疑者の人権は踏みにじられかねない、という
どっちをとっても、どーしよーもない代物なのだった。
これだけとっても、裁判員制度は止めるべきのようである。
さて、ここで、スーパーヒーローもいらっしゃった。
鈴木宗男さんである。
ちなみに、この鈴木宗男氏が、「カナダで、病院から警察に通報されるほどひどく女房を家庭内暴力で痛めつけて、逮捕された挙げ句に『妻を殴るのは日本の文化』だと主張して、世界中に日本の恥をさらした国辱外交官」が、その後のうのうと「中米某国の大使」に赴任している事実について、国会で質問してくださってから、私はこの人のファンである。
http://www.shugiin.go.jp/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/a164146.htm
(ちなみにバラすと、この人物は、現在在ベネズエラ日本大使である。チャベスと相対するのに適当な人物だと外務省に判断されているのだろう)
ここで、鈴木氏が「検察がやろうと思えば、いくらでも犯罪をでっち上げることができ、さらに、その尻馬に乗って叩くマスコミが、いくらでも国民を洗脳し、誰かを『極悪人』として断罪してしまう」可能性というより、実体験についてじつに熱く語り、さらに小沢氏がハメられた問題にもしっかり触れ、「だから、裁判員制度など、あってはならない」
皆さんから思わず拍手。
このあと、アジア女性センターの方(名前は知らない)が、この性犯罪被害者問題について語る。
これは、裁判員制度に問題を感じている議員の方たちも初耳であったらしく、かなり皆さん真剣に聞いてくださっただけではなく、あとで、いろいろ質問や賛同の意を頂いた。
裁判所がシカトであるなら、立法の場での論議、ということである。
改めて気づいたが、この問題は、とにかく、まだまだ知られていないということ。
そして、気づいたら最後、普通の感性を持っている人なら、いわゆる市民運動とかジェンダーという言葉が好きか嫌いかは抜きとして、「でも、これは確かにマズい」と思う内容であるということだ。
なので、言いたい。
あなたが市民運動を好きか嫌いかはどうでもいい。小沢が嫌いでも、鈴木宗男が嫌いでも、ましてや(いきなりスケールが小さくなってアレだが)八木が嫌いでも、それは関係ない。
でも、議員ですら超党派で集まっているんだから、この件に関してだけは、協力してもらいたいと思う。
なぜならどんな理由があるとしても、結局なにもしないということは、「結局、賛成している」のとおなじことだからだ。
それで、署名は引き続きやっています。
こちらへどうぞ。
http://nobuyoyagi.blog16.fc2.com/blog-entry-372.html
ちなみに、裁判員制度賛成の立場の方からの、「施行そのものには賛成だけれど、これはさすがに問題だと思うので、そこはちゃんとすべき」という声や動きがあっても良いと思います。
そういう意味での、この署名活動も、この問題に限定したものなので、べつに署名したからといってアジア女性センターの活動全般を支持するという意味合いは「全くない」し、それ以外の用途に使用されることはありませんのです。
それでも、女性人権団体が、もうどうしても嫌いだという方は、個別に署名活動をされるなり、裁判所に電話されるのもよろしいでしょう。
私個人の問題でいえば、まとめたのが自民党女史議員連だとしてもべつにかまわないし、民主でも社民でも共産党でも、なんとなれば公明党でもデヴィ夫人でも叶姉妹でもインリンでもかまわないの。
ま、とにかく、この件に関しては、ちゃんと具体的なアクションを起こさないと、このままなし崩しにされる、というその危惧だけの問題です。
今回の署名集めなどの中心になっているアジア女性センターなども、サイトでしか知らないので、どういう方たちなのか知っておきたいし。
幸か不幸か炎天下であった。
行ってみると、最高裁判所前の道路で、紙の垂れ幕を広げて、チラシを配ったりするぐらい。
ただ、裁判所に対しての示威効果を狙うということであるらしい。
テレビ局も取材に。
つまり、こういう「抗議運動」のなにがキモかというと、とにかくささやかでも、なにか具体的なアクションをやらないと、(後ろによっぽど大きな後ろ盾でもない限り)メディアの取材もないし、そうなると、結局「何もやってないのと同じ」ということになってしまうかららしい。
で、裁判所はどうなのかというと、19日の申し入れに対して、「回答はなし、しかも、回答するかどうかも回答しない」という、まー、はっきりいうと「しかと」状態である。
しかし、「しかと」されたらされたで、「裁判所は、この問題を『しかと』するつもりみたいです」ということになる実績ができちゃったというわけね。
すでに私のブログとかに、裁判員制度を熱狂的に支持しているらしい人から、この問題提起について「ありえないし、誤解だ」といううれしいコメントがついていて、ついでにその人のブログには、「そんな心配は全然無い」ことが熱烈に書かれているが、じつは、ぜんぜんそうじゃなくて、最高裁自身が、「単にこの問題をスルーしていて、しかも指摘されたら、『しかと』して答えない」というのが現実だということが、とっても残念ながら、はっきりしてしまったというわけだ。
私としても、じつは、最初、ひょっとして誤解であってほしいという気持ちがあった。
ので、知り合いの裁判員制度に詳しい弁護士さんに尋ねてみたところが、
「制度的にありえます。ただ、たぶん、配慮はされると思う」
という答えをもらって、仰天したのだよ。
「たぶん、配慮されると思います」ってなによそれ?
(ここ、アッチョンブリケの顔ね)
ちゃんとしたコンセンサスないんかい???
裁判員制度に詳しいと自認する人がそれでは、ないってことやね。
こら、あかんて。
というわけで、日記を書いた次第なんである。
で、裁判所前で、日焼け止めクリームはもちろん塗っているけどさ、長袖のブラウスにベストスーツでキメた私は、暑い陽ざしを浴びてへばりながら、関係者の方にお話を伺っていたわけ。
なんで、長袖のブラウスにベストスーツかというと、もちろん、深いわけがある。
証人尋問では概ね上品な言葉や態度に終始しているものの、ときどき「おおぼけこいた」等という言葉を口走る等して、いわば馬脚を現しているので、慎重で貞操概念があるという人物像は似つかわしくない。(東京地裁 1994年12月16日、判例時報 1562・141)
で、無罪今回の件で、強姦事件の裁判などについてちょっとネットで調べただけで、こんな判例が出てくるんである。戦前じゃなくて。アフガニスタンとかナイジェリアじゃなくて、1994年の日本で、だよ。
「おおぼけこいた」という言葉を使ったぐらいで、「慎重でもないし、貞操概念もない」から、強姦されても当たり前、と認定するらしいんだ、日本の裁判官は。
それぐらいの言葉、使うやろ。少なくとも私は使うぞ。悪かったね、慎重じゃなくて。どうせ、石橋を壊して渡る性格だよ、私は。
ちなみに、
「おれは刑務所から出てきたばかりや。わしの言うこと聞かなんだらどないなるかわからん。親兄弟を殺してでも連れ戻す」との発言は脅迫にならない。(大阪地裁1971年3月12日・判例タイムズ)
これまた無罪なんである。すごすぎる。すごすぎるでしょ? 日本の裁判官のデリカシーって。
なので、いくら暑いからといって、セクシーな
なので、長袖のシャツとスーツだったのである。
ちと脱線したが、それで、関係者の方にお話を伺ったところ、ある性犯罪被害者の方が(家族を守るために、名前は絶対に出せない、という。もちろん理解する)、このことを知って驚いて、直接、最高裁判所に問い合わせたところから始まる。
結論からいうと、彼女は、彼女の立場なら当然せっぱ詰まっている、その当然の疑問に答えてはもらえず、けんもほろろに扱われた。
そこで、追い詰められた彼女は、DVやら女性の人権問題を扱っているNPOに問題を訴えたというわけ。非常によくわかる話である。
ここで、市民団体が出てきたというだけで、勝手に拒否反応を示すようなコメントつけている人もいるし、その気持ちはまったくわからなくはないが、現実とはそういうものだ。
あなたが、なにかで非常に理不尽な被害に遭う。
そういうときに、一人で抗議したってどうしようもない。
労働問題であるなら組合なり、人権問題なら人権団体なり、悪徳商法に騙されたら、消費者センターなり、とにかく関連団体に相談するしかないわけだ。
でなければ、ほぼ確実に泣き寝入りになる。残念ながら、「個人」はここまで弱い。
ま、蟹工船が小説になるわけだ。
頼られた市民団体も、この話を聞いてさすがにびっくりして、しかも裁判員制度の開始が迫っているので、とるものもとりあえず動いた、という感じ。
さて、ここで最高裁判所は、個人に対してだけではなく、団体に対しても「しかと」を決め込んだというわけで、第二段階が始まるわけね。
ここで、団体の強みが出る。メディアとか政治家に働きかける窓口になることができるわけだ。
とくに、こういう「本当の被害者が表に出ることができない場合」にはね。
この裁判員制度には、国会議員の中からも疑問の声が上がっており、ちょうど今日、このあと、「裁判員制度を問い直す議員連盟」の総会があるという。しかも、その中心になっている社民党の保坂代議士がこの問題に注目してくれて、アジア女性センターに対して、総会でこの問題について説明してほしいとの依頼が来たのだという。
私は関係ないんだけど(なくはないか?)、頭数がいた方が良いような雰囲気ではあったので、一緒にのこのこついて行った。
なんたって、クソ暑い(あ、また「馬脚を現す」ような表現を使っちゃったよ)のに長袖のスーツだかんね。
で、衆議院議員会館である。
入口には、仰々しく、「発熱や咳などの症状のある方は入れません」と書いてあり、健康な人も入るためには、手指の消毒をしなくてはならない。
出たあっ。そこまで怖いか、豚インフル。
しかし、私は「オオボケこいてるな」などとは言わず、概ね上品な言葉や態度で、、黙って手指を消毒する。
知らなかったが、現在、この超党派の「裁判員制度を問い直す議員連盟」には、衆参両院で60名が参加しているという。彼らはすでに先週5月15日に「裁判員制度凍結・延期法案」を国会提出しようとしたが、民主党の代表選の最中で、民主党の意見集約ができず、法案提出が出来なかったらしい。
http://blog.goo.ne.jp/hosakanobuto/e/af35442a3c21473c69b94d8bf8ff178a
で、この議員連盟は12の論点を出して、裁判員制度の凍結・延期を求めている。
その中には、「思想・信条の理由による辞退が認められない」「無罪の判断をした裁判員も、強制的に『量刑評議』に参加させられ、途中辞任も認められない」「死刑判決を『全員一致』ではなく多数決で行う」などの問題がごろごろと提起されているのだが、その中に「守秘義務や虚偽陳述の罰則が重すぎる」というものもあった。
私らの立場としては逆である。候補者に守秘義務はないし、裁判員の守秘義務も軽い。
だからこそ、性犯罪被害者は、怖ろしい目に遭うかもしれないという心配だからだ。
しかし、なぜこれが問題になるかというと、一方で、過重な守秘義務を課すことで、裁判員が「この裁判は明らかにおかしい」と思うような証拠の提示や裁判官の誘導などがあっても、それを誰に言うことができないために、かえって冤罪の温床になるのではないか、とか、この制度が進み、国民の多くの人が裁判員を一度ぐらいは経験するような時代になったときに、この守秘義務をタテにした不当逮捕が簡単にできてしまう、というトラップが指摘された。
(つまり、秘密の事柄に関して、「自分がバラしてない」という証明はぜったいに誰にもできない。だから、「お前がバラした」ことにすれば、検察はいつでも誰でも逮捕できちゃうというわけ。.......それは、確かに怖い)
この守秘義務に関して言えば、重くすれば、冤罪や不当逮捕の温床になりかねないし、軽くすれば、被告や(特にあとで冤罪とわかった場合の)被疑者の人権は踏みにじられかねない、という
どっちをとっても、どーしよーもない代物なのだった。
これだけとっても、裁判員制度は止めるべきのようである。
さて、ここで、スーパーヒーローもいらっしゃった。
鈴木宗男さんである。
ちなみに、この鈴木宗男氏が、「カナダで、病院から警察に通報されるほどひどく女房を家庭内暴力で痛めつけて、逮捕された挙げ句に『妻を殴るのは日本の文化』だと主張して、世界中に日本の恥をさらした国辱外交官」が、その後のうのうと「中米某国の大使」に赴任している事実について、国会で質問してくださってから、私はこの人のファンである。
http://www.shugiin.go.jp/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/a164146.htm
(ちなみにバラすと、この人物は、現在在ベネズエラ日本大使である。チャベスと相対するのに適当な人物だと外務省に判断されているのだろう)
ここで、鈴木氏が「検察がやろうと思えば、いくらでも犯罪をでっち上げることができ、さらに、その尻馬に乗って叩くマスコミが、いくらでも国民を洗脳し、誰かを『極悪人』として断罪してしまう」可能性というより、実体験についてじつに熱く語り、さらに小沢氏がハメられた問題にもしっかり触れ、「だから、裁判員制度など、あってはならない」
皆さんから思わず拍手。
このあと、アジア女性センターの方(名前は知らない)が、この性犯罪被害者問題について語る。
これは、裁判員制度に問題を感じている議員の方たちも初耳であったらしく、かなり皆さん真剣に聞いてくださっただけではなく、あとで、いろいろ質問や賛同の意を頂いた。
裁判所がシカトであるなら、立法の場での論議、ということである。
改めて気づいたが、この問題は、とにかく、まだまだ知られていないということ。
そして、気づいたら最後、普通の感性を持っている人なら、いわゆる市民運動とかジェンダーという言葉が好きか嫌いかは抜きとして、「でも、これは確かにマズい」と思う内容であるということだ。
なので、言いたい。
あなたが市民運動を好きか嫌いかはどうでもいい。小沢が嫌いでも、鈴木宗男が嫌いでも、ましてや(いきなりスケールが小さくなってアレだが)八木が嫌いでも、それは関係ない。
でも、議員ですら超党派で集まっているんだから、この件に関してだけは、協力してもらいたいと思う。
なぜならどんな理由があるとしても、結局なにもしないということは、「結局、賛成している」のとおなじことだからだ。
それで、署名は引き続きやっています。
こちらへどうぞ。
http://nobuyoyagi.blog16.fc2.com/blog-entry-372.html
ちなみに、裁判員制度賛成の立場の方からの、「施行そのものには賛成だけれど、これはさすがに問題だと思うので、そこはちゃんとすべき」という声や動きがあっても良いと思います。
そういう意味での、この署名活動も、この問題に限定したものなので、べつに署名したからといってアジア女性センターの活動全般を支持するという意味合いは「全くない」し、それ以外の用途に使用されることはありませんのです。
それでも、女性人権団体が、もうどうしても嫌いだという方は、個別に署名活動をされるなり、裁判所に電話されるのもよろしいでしょう。
私個人の問題でいえば、まとめたのが自民党女史議員連だとしてもべつにかまわないし、民主でも社民でも共産党でも、なんとなれば公明党でもデヴィ夫人でも叶姉妹でもインリンでもかまわないの。
ま、とにかく、この件に関しては、ちゃんと具体的なアクションを起こさないと、このままなし崩しにされる、というその危惧だけの問題です。