勘ぐれば
現在、豚インフル感染者は、全世界で21か国1085名。
メキシコ政府は、国内では沈静化したと発表しているものの、実際は、感染確認者は26人増えて736名、死者も4人増えて26人。
この状態で、週明けから厳戒態勢を解いて、レストランなどを再開し、学校閉鎖の継続も検討となるつもりのようだ。
フェーズ6へのアップが取り沙汰され、さらに、中国がメキシコ産豚肉の禁輸を決定するなど、メキシコに対する事実上の経済制裁的な行動が始まるにつれ、最初は(ベラクルス、ラ・グロリア村の養豚場の件は揉み隠しつつ)、明らかに被害を過大報告していたメキシコ政府は、メキシコが孤立化しかねないいまになって、あわてて沈静化を図っているようだ。
とはいえ、もはや、この件がメキシコの経済に大打撃を与えたのは、いまさらいうまでもないことなのだが。
このあまりの無節操さ。
しかし、いままで、歴代の多くの大統領とその側近が、その地位を個人資産獲得のために大いに利用してきたというのが、残念ながらこの国の歴史である。
さらに1992年の米国との自由貿易協定発効以来、メキシコの第一次産業には米国の多国籍企業が進出し放題となって、事実上、乗っ取られたも同様の状態となっている。
ちなみに、憲法改正までやってこの自由貿易協定を実現したサリナス元大統領は、実兄が麻薬取引・公文書偽造・殺人で逮捕されて、懲役27年。弟は麻薬カルテルとのトラブルで暗殺。ご本人は、不法蓄財と殺人容疑で現在海外逃亡中。
それで、それでも極端なまでの貿易赤字を垂れ流しながら、ここ数年のメキシコがやってこれているのは、石油収入の一語に尽きる。
この国は現在、国家歳入の37.5%を石油収入に依存しているという無茶苦茶な状態なのだ。
それでも、ここ2年あたりは石油価格が信じられないほど高騰していたから、見かけ上の好景気があった。
しかし、メキシコの石油は、その生産量の60%をカンタレル油田に依存しているのだが、そのカンタレル油田そのものは、枯渇しかけていて、埋蔵石油の可採年数は、2007年段階で、10年未満とされている。
http://jp.ibtimes.com/article/biznews/070319/5365.html
一方で、2004年、PEMEX(メキシコ石油公社)がメキシコ湾での3年におよぶ探査の結果、約540億バレルを埋蔵する新たな大油田を発見した。メキシコは、サウジアラビア、イラン、イラクに次ぐ世界第4位の埋蔵量を有する国に浮上したのである。これを採掘できれば、だ。
問題は、採掘するためにはそれ相応の投資が必要だということだ。
しかし、PEMEXは、いままでその収益のほとんどすべてを政府に吸い上げられているために、新規投資の余裕はない。
で、それなら、政府が超緊縮財政を行って、その投資分をなんとかしよう、という方向ではなくて、安易に外資による投資を行う方向に進んでおり、また、そのためにPEMEXを民営化しようとして、さすがに否決されたのが、去年のこと。
しかし、現政府が本気でPEMEX民営化を図りたいのであれば、(というか、これは民営化関係者には巨万の富を約束するのは確かだろうから)、いっそ、いまの経済危機に加えて、もう一発大打撃を与え、メキシコの経済を苦境に陥れて、IMF管理下に置いてしまう、というシナリオは、さほど陰謀論というほどのことでもないだろう。
IMFは間違いなく、PEMEX民営化を要求するだろうし、「苦渋の選択」をするふりで、内心やりたくて仕方なかったのに議会に反対されてできなかったことを、あっさりやれちゃうんである。
メキシコ政府は、国内では沈静化したと発表しているものの、実際は、感染確認者は26人増えて736名、死者も4人増えて26人。
この状態で、週明けから厳戒態勢を解いて、レストランなどを再開し、学校閉鎖の継続も検討となるつもりのようだ。
フェーズ6へのアップが取り沙汰され、さらに、中国がメキシコ産豚肉の禁輸を決定するなど、メキシコに対する事実上の経済制裁的な行動が始まるにつれ、最初は(ベラクルス、ラ・グロリア村の養豚場の件は揉み隠しつつ)、明らかに被害を過大報告していたメキシコ政府は、メキシコが孤立化しかねないいまになって、あわてて沈静化を図っているようだ。
とはいえ、もはや、この件がメキシコの経済に大打撃を与えたのは、いまさらいうまでもないことなのだが。
このあまりの無節操さ。
しかし、いままで、歴代の多くの大統領とその側近が、その地位を個人資産獲得のために大いに利用してきたというのが、残念ながらこの国の歴史である。
さらに1992年の米国との自由貿易協定発効以来、メキシコの第一次産業には米国の多国籍企業が進出し放題となって、事実上、乗っ取られたも同様の状態となっている。
ちなみに、憲法改正までやってこの自由貿易協定を実現したサリナス元大統領は、実兄が麻薬取引・公文書偽造・殺人で逮捕されて、懲役27年。弟は麻薬カルテルとのトラブルで暗殺。ご本人は、不法蓄財と殺人容疑で現在海外逃亡中。
それで、それでも極端なまでの貿易赤字を垂れ流しながら、ここ数年のメキシコがやってこれているのは、石油収入の一語に尽きる。
この国は現在、国家歳入の37.5%を石油収入に依存しているという無茶苦茶な状態なのだ。
それでも、ここ2年あたりは石油価格が信じられないほど高騰していたから、見かけ上の好景気があった。
しかし、メキシコの石油は、その生産量の60%をカンタレル油田に依存しているのだが、そのカンタレル油田そのものは、枯渇しかけていて、埋蔵石油の可採年数は、2007年段階で、10年未満とされている。
http://jp.ibtimes.com/article/biznews/070319/5365.html
一方で、2004年、PEMEX(メキシコ石油公社)がメキシコ湾での3年におよぶ探査の結果、約540億バレルを埋蔵する新たな大油田を発見した。メキシコは、サウジアラビア、イラン、イラクに次ぐ世界第4位の埋蔵量を有する国に浮上したのである。これを採掘できれば、だ。
問題は、採掘するためにはそれ相応の投資が必要だということだ。
しかし、PEMEXは、いままでその収益のほとんどすべてを政府に吸い上げられているために、新規投資の余裕はない。
で、それなら、政府が超緊縮財政を行って、その投資分をなんとかしよう、という方向ではなくて、安易に外資による投資を行う方向に進んでおり、また、そのためにPEMEXを民営化しようとして、さすがに否決されたのが、去年のこと。
しかし、現政府が本気でPEMEX民営化を図りたいのであれば、(というか、これは民営化関係者には巨万の富を約束するのは確かだろうから)、いっそ、いまの経済危機に加えて、もう一発大打撃を与え、メキシコの経済を苦境に陥れて、IMF管理下に置いてしまう、というシナリオは、さほど陰謀論というほどのことでもないだろう。
IMFは間違いなく、PEMEX民営化を要求するだろうし、「苦渋の選択」をするふりで、内心やりたくて仕方なかったのに議会に反対されてできなかったことを、あっさりやれちゃうんである。