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死者たちに捧げる歌

メキシコといえば、スペイン市民戦争の共和国側亡命者を受け入れた国であり、キューバ革命前夜にはカストロやゲバラが革命の準備を行った国であり、また、チリのアジェンデ政権転覆時にも多くの亡命者を受け入れた国である。

皮肉だが、トラテロルコ事件で責任者として告発されたエチェベリアは、日墨交流に尽くした人であり、日本メキシコ学院の創設に協力し、日墨交流計画を開始した。わたしはそのプロジェクトのおかげで、メキシコで学ぶことができた。

この二面性。この二つの顔ゆえに、だからこそ、メキシコの「汚い戦争」は表に現れてこなかった、といえるかもしれない。

80年代、年上の『筋金入りの左派のはずの』メキシコ人の友人たちから、
「好奇心でデモに行ってはいけない」「署名運動に署名してはいけない」
ときつくいわれたのは、そういうことであったのか、と後にわかった。

70年代前半の経歴がはっきりしない知識人。
「いろいろあって、シティを避けて、地方の奥地にずっといた」と語ったその人の遠い目。
それはそういうことだったのだ。

そして、11月1日は、メキシコの「死者の日」。
アメリカのハロウィンとは違い、メキシコの死者の日は、スペイン征服以前の先住民時代のお祭りに起源のある、日本のお盆に当たる日で、この日、死者たちは蝶に姿を変えて、人里に戻ると言われている。

街は墓標で埋められ、花と羽根飾りの帽子に髑髏の顔の貴婦人カトリーナが、優雅に日傘を揺らして現われる。

今年の死者の日には、40年前の死者たちに捧げる歌を歌いたい。
そう思って、ライブを企画した。

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10月21日(火) 阿佐ヶ谷Loft-A
(東京都杉並区阿佐谷1-36-16-B1) お問い合わせ/03-5929-3445

八木啓代(vo) 大熊ワタル(cl) 大橋いさお(g)
Special Session「メキシコに捧ぐ」

地図 http://www.loft-prj.co.jp/lofta/map.html

OPEN 18:30/START 19:30 Charge:2,500/2,800円+drink
ローソンチケットLコード【L:39432】
アクセス/JR中央線阿佐谷駅パールセンター街徒歩2分

予約はこちらでもできます
http://nobuyoyagi.com/JAPANESE/reserv.htm

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PANDORA

Author:PANDORA
ラテンアメリカと日本を拠点に活動する音楽家・作家 八木啓代のBlog
公式サイト http://nobuyoyagi.com

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人は、どのような局面において言葉をつむぐか。30人の執筆者が震災を語ったエッセイ集。澤地久枝、斎藤 環、池澤夏樹、渡辺えり、やなせたかしらと並んで八木も寄稿。
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