そして、墓場ネタきわめつけはこれだ!

昨日の歌では「お墓にはいるところ」で終わっていますが、なんの、メキシコ人はすごいです。
お墓に入ってからの歌というのもあります。
「黒い婚礼」という曲ですが、墓守があまりに美しい亡骸を見て、夜中にこっそり掘り返し、骨になった彼女に永久の愛を誓うという、怪談にしてもかなりやばそうな話ですが、これがまた、なんといいますか......ロマンティックなチークダンス系メロディなのでして。
まあ、死についての認識の違いは、日本のような多湿の気候では、死体の腐敗が早く、また、伝染病などの温床になりやすかったので、死体そのものが危険物であったということもあるでしょう。
その点、メキシコは多くの地域で乾燥地帯なので、死体は腐敗しにくい。
昨日ご紹介した歌のメキシコのグァナファト高原もかなりの乾燥地帯ですが、この州の州都グァナファトにいたっては、「ミイラ博物館」というものがあります。
グァナファトの土壌と気候のせいで、遺体は腐敗せず、数年で飴色のミイラとなります。
で、この博物館は、「供養料を支払う係累がいなくなったミイラ化した死体」を共同墓地から取り出して、博物館に展示して見物料を取る(爆)という、それはもう、縁起の善し悪しどころか、ご遺体への畏敬の念のかけらもない博物館なのであります。ほんとです。ちなみに市営です。
ちゃんと説明書きもありまして、「世界一小さいミイラ=赤ん坊のミイラ」とか、花嫁衣装のまま朽ち果てた「結婚式の当日、花婿が別の女と逃げたことを知って、そのまま湖に身投げした花嫁のミイラ」。挙げ句に、この土地のミイラ化の研究に来たドイツの博物学者の「ミイラ取りがミイラになったミイラ」.....。
(ちなみにわたしは、ここの博物館の職員さんに「日本人のミイラのコレクションて、まだないんですよね」と熱い視線で見つめられたことがあります)
で、どっぷりミイラを見たあと、出口で売っているのが、「ミイラの写真集」「ミイラの絵葉書」。そして、お土産きわめつけが、「ミイラ飴」。
いや、ミイラって確かに飴色していますが........またこの飴細工が、けっこうよくできているんですよ。はっきりいって、かなり似ている....。
で、こんな悪趣味なもの誰が買うのかと思ったら、メキシコ人の家族連れとかにはよく売れていますね。(爆)
で、ミイラ飴ぺろぺろ舐めながら帰っていきます。さすがメキシコ人、子供の頃から、こういうのに馴染んでいる。すごいよなあ。
それで、昨日、ハロウィーンと死者の日についてご質問を頂きました。
キリスト教で11月1日と2日は「諸聖人の日」という祝日ですが、イギリス・アイルランド・アメリカのハロウィーンはそれを「イブ(前夜祭)」として祝います。
不気味なものを飾るのはケルト(ドルイド教)の伝統をひいていて、不気味なものを飾ることで、悪霊を脅かして追い払うという意味合いがあるそうです。
一方で、メキシコでは、イブではなくその「諸聖人の日」そのものを祝うわけです。(っても、10月後半からはすでにお祭りモードではありますが)で、こちらは古代メキシコの髑髏崇拝というか愛好癖と結びついて、べつの雰囲気を醸し出しているというわけです。
不気味なものを飾るという点では、一見、似ているようですが、こちらは悪霊を追い払うというより、死んだ人たちも仲間に入れて一緒に楽しみたいという雰囲気で、そもそもメキシコ人は髑髏や骸骨を「不気味」と思っていないところが、かなりニュアンスが違います。
いま、私のプロフィルページにある、どことなくユーモラスな、羽根帽子で着飾った髑髏の女性の絵は、メキシコでは知らない人はいないほど有名なキャラクターで、名前は「カトリーナ」さんというのですが、死者の日の広場に行くと、このカトリーナのグッズが売られていたり、カトリーナ扮装をした女性(たいてい演劇をやっている若い女性の小遣い稼ぎ)が写真のモデル(子供と手をつないで写真に入ってあげる)をやっています。子供はもう大喜び。
この死者の日には、仲良し同士で髑髏チョコをプレゼントしあったりするのもふつう(おでこに相手の名前を入れてあげるのが、さらに可愛くてよいとされている)
ちなみに死者の日を前に、下記サイトでは「髑髏チョコ」は売り切れ
http://
なんつってると、明日もうライブです。
ご来場の方、抽選で1名様にミイラ飴を差し上げます。(もちろん嘘)