森友問題:特捜検察の存在意義が問われる問題となってまいりました

 さて、NHKがやってくださった(いい意味で)の件で。

 近畿財務局と森友学園 売却価格めぐる協議内容判明
 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170726/k10011075411000.html

 NHKは、この件では、官邸べったりの政治部と、本気で頑張りたい社会部が対立していると聞いています。が、朝日新聞に先駆けた大スクープになるはずだった加計学園文科省文書の件を、政治部にひっくり返されて、秋篠宮眞子さま婚約「予定」報道にすり替えられてしまった社会部、その口惜しさはいかばかりだったか。
 というわけで、今回は、社会部が頑張っているようですね。

 森友事件に関して、大阪地検全般としては、いままでのところは、「上の方」はあまり積極的でないというのは、私も関係者の方から聞いていました。

(特捜が、当初から森友事件の解明を本気でやるつもりだったならば、とっくの昔に、近畿財務局に強制捜査に入っています)

 というのも、単に忖度だけの問題ではなく、「背任罪」の立件のハードルはとても高いからです。単に、怪しい、というのでは起訴はできません。官僚が意図的に、それが国民に損害を与える行為であるとわかっていながら、その行為をやらなきゃいけないわけです。
 その時は良かれと思って行ったが、結果的に大失敗しちゃった、というのは背任にはなりません。というか、それが背任になってしまおうものなら、役所は恐ろしくてどんな事業計画も立てられなくなってしまいます。

 しかしそれだけに、財務省側の背任を立件しようとしても、当然、近財の被疑者の方々は「良かれと思ってやったこと」という主張をするでしょうから、これを崩して、「意図的に、それが国民に損害を与える行為であるとわかっていながら、その行為をやらかした」ことを立証しなければならない。
 前例などから考えて、しかも、相手が財務省と官邸であって、全力で抵抗してくるであろうということなどから考えて、非常にハードルが高かったわけですね。

 で、このNHKの報道は何がすごいかというと、

財務局の担当者はいくらまでなら支払えるのか購入できる金額の上限を尋ね、学園の弁護士は当時の財務状況を基におよそ1億6000万円と答えたということです。

一方、財務局の担当者は国有地の土壌改良工事で国がおよそ1億3200万円を負担する予定であることを理由にこれを上回る価格でなければ売れないなどと事情を説明したということです。

この協議の6日後の3月30日、財務局はゴミの撤去費用の見積もりを民間業者ではなく国有地を管理している大阪航空局に依頼するという異例の対応を取り、値引き額はおよそ8億2000万円と決まりました
この結果、学園側への売却価格は1億3400万円となり、3月24日の協議で財務局と学園の双方が示した金額の範囲内に収まる形となりました。

とまで言っちゃってる。

 これが事実なら(というか、NHKがこれだけの扱いで報道するわけですから、ニュースソースにそれなりの信頼性はあるのでしょう)、これだけで、問題の土地を1億6000万円以下で森友学園に売却するために、ゴミの撤去費用は「後付け」で、森友学園への値引きをするために8億2000万円という金額を決めたことになります。
 ほぼ、背任での立件が具体的になるレベルに大きく踏み込んでいるわけです。

さらに

 森友学園への国有地売却 財務局が異例の分割払い提案
 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170727/k10011075991000.html

と、「異例の分割払いを、去年6月1日に財務局が売買契約書の案に盛り込んで学園側に提案していた」とまで、報道されちゃってます。

 では、そんな、朝日や毎日がとれていない大スクープを、なぜ、NHKだけが報道したのでしょうか?

 社会部の記者に根性があったとか、ここ一ヶ月ほどで、安倍一強状態が完全に崩れたことが流れを変えているというのは、背後の大きな要因ではあるのですが、もう一つ、理由があります。

 つまり、この、豊中の市民団体の最初の告発は、被疑者不詳でした。なので、検察審査会で強制起訴が出て、裁判になる可能性がなく、そういう意味では、検察が不起訴を出してしまえば、それで(国民感情は別として)蓋をしてしまえるし、また、先程も書いたように、「背任の立件」のハードルは高いものですから、なんと言われようと「近財に犯意はなかった」ということで、押し切れたわけです。

 ところが、7月13日に、246名の弁護士さんと研究者さんのグループから、被疑者を特定した告発状が出されてしまいました。当然ながら、不起訴を出せば、検察審査会での勝負になるという流れになってしまったわけです。

 しかも、相手は200人以上の弁護士です。
 つまり、陸山会事件での田代検事虚偽報告書事件のときにやったみたいに、補助弁護士に検察の息がかかった弁護士を送り込んで、検審で起訴議決が出ないようにするというやり口は、もうお見通しなので、この弁護士さんたちは、大阪弁護士会でどのような過程で補助弁護士が選任されるかも凝視されるでしょう。弁護士会の側でも、田代報告書の時みたいに、弁護士会長がどさくさまぎれに勝手に決めた、みたいな不透明なことをやるのは難しい。

 そして、ややマニアックであり、しかも小沢一郎氏を支持するかどうか、みたいなまったく筋違いな問題に話をすり替えられがちだった田代虚偽報告書のときとは違って、今回は全国民の多大な関心を呼んでいる事件です。検察が不起訴にしたところで、補助弁護士がよっぽどの誘導をやらない限り、一般国民が審査を行う検察審査会で強制起訴される可能性は、かなり高い。

 そして、裁判になって、ぞろぞろ有罪判決が出たりすれば、どうなるか。

 特捜検察は、国民から完全に見放され、存在意義を完全に否定されることになります。
 そういう意味では、実は、これは財務省や官邸の問題ではなく、検察の問題ともなってきているのです。

 で、その検察にとって、なかなか悩ましい状況の中、内閣支持率が激減して、もう保たないかも.....とかいう声が出てきているわけですね。

 となると、検察はけっこう風向きを読むところがあるので.....。

 なので、今回のNHKのスクープ、現場の検事がやる気があるのに、上がまだ踏ん切りをつけられないので、「世論の流れ」を作るために、そっちが取調べで出てきたネタを記者にリークした可能性が高いと私は踏んでおります。

 といいますのも、これが財務省側からのリークであるなら、文科省のケースと同じく、文書という形で出すのがもっとも簡単かつリスクが少ないにもかかわらず、そうではないからです。

(ちなみに、佐川さんが廃棄したと主張しておられる文書に関してですが、本当に廃棄したとは、私たちはまったく思っておりません。防衛庁の日報などと同じく、役所は必ず、持っています。ちなみに、刑法における公用文書等毀棄罪は、廃棄していなくても「隠蔽」だけで成立しますので、たとえ文書が出てきたとしても、国会で「廃棄した」と答弁され、さらに「この世に存在しない」とまで断言された段階で、佐川さんたち財務省の皆さんの公用文書毀棄は成立いたします)

 そして、読売が報道した「籠池氏逮捕」がなかったこと。いくら読売の記者でも、まったく情報もなくこんな記事は書かないので、おそらく、夜回りででも、検察上層部の誰かからは「逮捕がありうる」と聞かされたものだと思います。これは当初の「籠池氏逮捕&近財不起訴」で幕引きというストーリー通りの展開なんですが、これが、土壇場で崩れ、検察が方向転換しかけてるということです。
 なぜ崩れたか。「背任が成立する可能性が濃厚である」ことが、NHKで報道されちゃったからです。

 こうなっちゃうと、「籠池氏逮捕&財務省は不起訴であっさり幕引き」路線は、検察にとって悪夢のシナリオ、すなわち「強制起訴→有罪→国民の軽蔑と嘲笑が検察に向けられる」可能性濃厚になってきてしまいます。

 一方で、私たちが、5月14日に出した「公用文書等毀棄罪」での刑事告発がどうなっているか、という点ですが、こちらも、まだ、東京地検特捜部で受理されていないという異例の展開になっております。

 当会の優秀な弁護士チームの方々が書かれた刑事告発は、過去8回、すべてすみやかに受理されております。最短では、翌日受理という前例も頂いているほどなのですが、今回に限っては、2ヶ月半たっても受理されておりません。

 おかしいですね。告発事実と告発理由のところをコピペしていただければ、被疑者否認でも、すみやかに裁判所から逮捕状が取れるレベルのものはつくっているんですけどね。

 でも、これまた、同じ理由でしょう。特捜検察として、最大のパートナーである国税庁の、その現長官を、財務省と官邸を敵に回して起訴するなんてことが果たしてできるのか、という点では、大阪地検以上に、忖度が要求されるところなのですが、とはいえ、不起訴を出してしまったら、こちらも当会から、検察審査会に申し立てをされるのは、もうわかっているわけです。

 というより、もっとはっきり言ってしまえば、当会の告発状は、「いまの特捜検察さんに起訴する度胸はないでしょうから、検察審査会で勝負かけますんで、そのおつもりでね」ということが、検察の方がお読みになれば、それはもう見え見えの文章だったりいたします。

 で、書類を廃棄した事自体は佐川さんが認めちゃっていますから、不起訴にするならするで、なぜ、不起訴なのかを説明するためには、誰でも納得できるような説明ができなければなりません。でないと、検審で強制起訴に....。

 大阪地検以上に苦しい立ち位置ですね、これは。
 なので、今の特捜部長さんが、近々の異動まで引き伸ばして、あとの方に放り投げようというお気持ちはわからないでもないです。はい。(笑)

 そういう意味では、検察は、大阪特捜も東京特捜もいまのところ、たいへん悩ましい状態においでです。ですので、ここで、やはり皆さんで励ましてあげるのが肝要かと思います。

 大阪地検特捜部の皆さん東京地検特捜部の皆さん、どうぞ、ここで、原点に立ち戻って、存在意義を見せてくださいね!

【追記】

 一日おいて、籠池氏が逮捕されました。今度は各社、逮捕前に速報を出しての逮捕です。もちろん、逮捕前に「逮捕か」という速報が出るのは、検察幹部が、今度は明確に記者クラブにお知らせしたからで、やはり、読売が「飛ばし」誤報をやったわけではなかったわけです。

 とはいえ、NHKが、引き続き、近財の背任とセットで報道しているということは、「籠池逮捕だけで幕引き」という路線が崩れそうではあるということです。まあ、田代事件のとき以上に、検察内部で、方針が対立したとしても仕方がない案件とは思っていますし。

 いずれにしても、近財の背任立件に動く方向に舵を切っていけるか、それとも、当初の予定通り「籠池逮捕で幕引き」にしようとするか、というのが明らかになるのは、お盆明けになるでしょう。ただ、そのへん、世論の動向もかなり鍵になってくると思います。

森友問題:財務省官僚を刑事告発してきました

 すでにNHKのニュースなどで流れているようですが、本日、霞が関の東京地方検察庁に、全国から集まった数十通の告発状を提出してまいりました。

 財務省の官僚7名を、被疑者特定して、公用文書等毀棄罪での刑事告発です。
 もちろん、「なんか怪しいみたいだから、お上で捜査してください」というような検察に期待をかけた、やさしい告発ではありません。諸資料により、当会のイケメン法曹チームが、佐川理財局長らの答弁の嘘を完全に暴いております。

 というわけで、本日午後3時の時点で、告発状はWebで公開されておりますが、あらためて、概要をご説明しようと思います。

 まず、公文書の保存についてですが、これは、いわゆる公文書管理法(正式名 公文書等の管理に関する法律)で規定されています。
 この4条に、

「行政機関の職員は、第一条の目的の達成に資するため、当該行政機関における経緯も含めた意思決定に至る過程並びに当該行政機関の事務及び事業の実績を合理的に跡付け、又は検証することができるよう、処理に係る事案が軽微なものである場合を除き、次に掲げる事項その他の事項について、文書を作成しなければならない。」

と定められており、

三  複数の行政機関による申合せ又は他の行政機関若しくは地方公共団体に対して示す基準の設定及びその経緯
四  個人又は法人の権利義務の得喪及びその経緯

とされています。森友学園事件の場合、

三は、航空局や大阪の私学審議会との折衝の記録
四は、まんま、森友学園との交渉記録ですね。ちゃんと「経緯」とまで書いてあります。

 すなわち、航空局との交渉も、森友学園との交渉記録も、公文書管理法で、作成を「しなければならない」と規定されているわけです。国有地の売却の大幅値引きに関わる交渉ですから、「軽微なこと」ということはありえません。
 そして、実際に、佐川局長も「作成した」ことは認めています。そして、細則に基づいて廃棄した、というのが、主張なわけです。

 そして、第五条では、

第五条  行政機関の職員が行政文書を作成し、又は取得したときは、当該行政機関の長は、政令で定めるところにより、当該行政文書について分類し、名称を付するとともに、保存期間及び保存期間の満了する日を設定しなければならない。

とされています。すなわち、各行政機関で、行政文書の保存期間を決めるということです。その保存期間が定められているのが、財務省の場合、「財務省行政文書管理規則」です。

 さて、それで、問題は、森友学園の土地売買にかかわる記録がどういう扱いになるか、が問題になるわけですが、これについては、当会法律家チームでも、いくつかの説が出てまいりました。

①30年説

 公文書管理法第5条では、会議録や協議録等の文書は、それ単独では保存期間1年 であっても、「相互に密接な関連を有する行政文書」は「一の集合物」として「行政文書ファイル」にまとめなければならない」と書いてあります。そして、「行政文書ファイルの保存期間満了時期は、行政文書ファイルにまとめられる 行政文書のうち保存期間の満了する日が最も遅い日となるものに合わせる」こととされている。
 だから、契約書が30年保存なので、交渉記録も、同じ青いファイル(だそうです。財務省の方談)に入れて、30年保管が原則。

②10年説

 もし、30年説にあたらないという解釈があるとした場合でも、「財務省行政文書管理規則」にちゃんと、「国有財産の管理及び処分に関する決裁文書又は管理及び処分に関する重要な実績が記録された文書」の保存期間は10年と書いてあります。

 値引きの交渉というのは、(それが完全に無視されて、何の影響も与えなかったようなレベルの交渉ならともかく)、実際に値引きが行われた交渉なのですから、「処分に関する重要な実績が記録された文書」そのものです。

 それから、「4.他の行政機関との会議に検討のための資料として提出された文書及び当該会議の議事が記録された文書その他申し合わせに至る過程が記録された 文書の保存期間は10年」とも明記されていますから、航空局や大阪府教育庁と交渉記録は、これにあたりますね。
 というわけで、この場合は、最低保存期間は、10年です。

③5年説

 上の②で、ほぼ決まりみたいなものですが、②が当てはまらないというような苦しい言い訳がある場合でも、この「財務省行政文書管理規則」には、法人に対して、「不利益処分をするための決裁文書その他当該処分に至る過程が記録された文書」の保存期間は、5年と規定されています
 で、近畿財務局が森友学園と交わした売買契約書には、契約の締結日から10年間有効な買戻し特約が付されています。これはね、法的には「不利益処分」そのものです。
 なので、10000歩譲っても、この文書の保存期間は、最低でも5年。しかも、それは、不利益処分有効期間を経過した2026年6月20日から5年、すなわち、2031年6月20日となります。

 この30年〜5年説、どれをとっても、いま現在の段階で、書類廃棄はあってはならないことになります。

④みんながひっかかってる佐川局長の嘘について

 え。ということは、ちゃんと規定されてるのに、佐川局長の「規則に基づき、保存期間1年未満とされている」ってのは、どういうこと?

 と思われたでしょう。それこそが、佐川局長の答弁の根拠となっている「細則」なんです。この細則、Webで公開さえされていないんですけどね。(情報公開したらやっと出てきます)

 では、この細則とは何か。じつは、「財務省行政文書管理規則」で規定されています。すなわち、

本表が適用されない行政文書については、文書管理者は、本表の規定を参酌し、当該文書管理者が所掌する事務及び事業の性質、内容等に応じた保存期間基準を定めるものとする。

 これですね。つまり、逆に言えば、文書管理者レベル、つまり細則で廃棄を決められるのは、「本表(財務省行政文書管理規則 別表)が適用されない行政文書」にしかすぎないんです。
 なので、この「財務省行政文書管理規則」で規定されている文書を、下位規定である細則をもって勝手に捨てることは、できません。

 あたりまえですが、労働基準法があって、就業規則があるのにもかかわらず、それに反するような内容の課内内規を勝手に作って、課長権限で、「うちの課内規定では、課長が残業時間決めていいって書いてあるし、それでオレが、うちは残業300時間て決めたんで、労働基準法とか就業規則になんて書いてあっても、そっちが、うちの規則として優先されるんで」と開き直っても、労働基準監督署はそんなもん認めませんから。(笑) 罪になるんですよ、罪に。嘘だと思うなら、裁判の場で、そう主張なさってみてください。

 ということで、佐川局長の答弁はすでにここで、完全に崩れているわけですが、さらに、徹底的に潰します。

⑤そもそも(←正しい用法)、事案終了してないし

 問題の土地は一括払いじゃありません。分割払いで、完済が10年先です。そして、佐川局長は、「売却代金の分割払いについて今受け取っているということでございます」「私ども、先方の学校法人に対して、一億三千二百万のきちんとした債権を 保有しているということでございます」と、明確に支払いが完了していないことを認めています。

 住宅ローンで考えれば当たり前ですが、契約書にハンコ押したという行為で、事案は終了してません。完済するまではローンあるんです。しかも、この場合、銀行にお金借りての支払いじゃなくて、国に対しての債務です。なので、10年分割の債務が終了するまでは、事案は終了してません。それは会計監査院も、明確に認めちゃってます

⑥ていうか、専門家から見ると、契約自体も終わってません

 この森友学園の契約書第26条には、10年間の買戻し特約が規定されていました。つまり、森友学園は、売買物件について平成29年3月31日までに必要な工事を完了し、指定用途(注:学校用地)に自ら供さなければならない」(第23条第1項)とされ、この指定期日までに土地に学校を建設し、開校できない場合、国は売買物件を買い戻すことができるという特約が付けられています。

 しかも、国による、この買戻権は売買契約の締結日から10年間有効です。つまり、身も蓋もなく言っちゃうと、森友学園の運営がうまくいかなかった場合でも、2年や3年でやめちゃって転売、みたいなことはできませんよ。学校閉めて転売しちゃう場合も、1年や2年でそれやられたら、あまりに見え見えでアレなんで、最低10年は待ってね。という特約です。

 そして、しかも、この買戻権については、売買契約締結時に、国土交通省を買戻権者とする付記登記をすることで、国の権利の保全が図られています。

 で、実際に、森友学園の財務状況は積立ゼロとかで、私学審議会でも「「基本金がゼロだから計画性がない。」「かなり赤字になっているのでは」「こんな絵空事でうまくいくとはとても思えない」とボロクソだったわけですから、うまくいかない可能性は、さんざん指摘されていたわけです。
 そして、事実、今年3月31日までに学校を作ることができなかったので、まさに、この特約によって、国は土地を買い戻しできるわけ。

 つまり、この契約自体、売買契約の締結日から10年間、最短でも今年の3月30日までは、契約自体も終了していないのです。

 で、ここで、もうひとつ。
 刑法における公用文書等毀棄罪は、単に書類をシュレッダーかけたとか燃やしたとかだけじゃなくて、「隠匿」しただけでも、成立します。
 つまり、今年2月28日、佐川局長が「廃棄しました」と言った瞬間、その瞬間に、そして、今月9日、官房長自ら、「この世にない」とおっしゃってますから....あとでどこかから出てきたとしても、お気の毒ですが、罪は成立しています。

 というわけで、この告発状は、そのまま報告書にして裁判所に出していただければ、被疑者否認でも逮捕状取れますので、検察の皆様としては、国民の期待を背負って、すみやかに行動なさっていただきたいものです。

 もちろん、それでも不起訴、という場合は、それなりの説明が求められることは言うまでもありませんわよ。

森友学園問題 : この世に存在しないということ

 官邸詰めの記者さんのお話では、GWで森友問題はもう鎮火と見て、官邸や閣僚の方々はのんびりモードでいらっしゃったようですが、GW直前の民進党のヒアリングで、籠池氏が出してきた録音が新たな燃料投下となったようです。

 GW明け月曜日の衆議院予算委員会では、籠池氏自身が傍聴に出てきてメディアが大騒ぎになるわ、首相がなぜか新聞の勧誘を始めるわ、尽くしてきたのに歯牙にもかけられなかったジャーナリストがハンカチ噛んだとか、別のジャーナリストの逮捕状は空中消滅したとか、連休明けから、ひと騒動になっております。
 あんなに北朝鮮ミサイル危機を煽ったのに、やっぱり、みんなで外遊に行っちゃったり、ゴルフやったりしてたら説得力なかったですよね。

 で、その翌日の昨日ですが、参議院予算委員会でも、前日のパフォーマンスがすごすぎて見逃され気味ですが、ちょっと面白い質疑がありました。

 ひとつは小川敏夫議員の質疑で、航空局が8億円値引きの根拠になった「ゴミを確認してなかった」と認めちゃいました。

 森友学園 土地8億円値引き ごみ直接見ず算定
 http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201705/CK2017051002000116.html

 小川議員の出してこられた写真に対して、航空局の佐藤局長は、どう見ても廃材が見えない写真について「廃材が確認できる」と、主張しておられました。とはいえ、もちろん、TV画面越しですので、なんともいえません。ほんとうは、廃材がすごくはっきり写っていたのかも。この写真のピクセル数の大きなのを公開していただきたいものです。
 小川議員によると、ゴミがなかったことも、ほぼ立証されたようですので、ぜひ、どこかで詳しい説明をお聞きしたいものです。

 で、その直後、この小川議員の、昭恵夫人の発言に関しての質問に対して、安倍首相は、「言葉の一部を取り出して印象操作をしている」と逆ギレしておられましたが、一部もなにも、みんな、昭恵夫人のお言葉全部をフルでお伺いしたいのですから、ぜひ、Facebookに「いいね」なんてしてないで、あのにこやかなお顔で国会でたくさんお話ししていただきたい、とそこでツッコミを入れたのは私だけではないでしょう。

 そして、森ゆうこ議員が、財務省が、森友学園関連の面談記録などは、電磁データも消しちゃったという件について質問。
 森議員の、「アクセスログから、いつ誰が電磁データを消したのかわかるのではないか」という質問については、アクセスログは取っているけど、いつ誰がアクセスしたかはわからないのだそうです。
 なんのためのアクセスログなんでしょうか(笑)
 ていうか、答えている官房長自身、アクセスログが何か、よくおわかりではない感じで、お気の毒です。

 そして、24億円かけている財務省のシステム(ちなみに、NECだそうです)では、災害時に備えて、別の場所にもバックアップセンターを設置し、二重化されているのだそうです。

 なるほど。東京で大震災があっても、ミサイルが飛んできても、あるいは財務省で大火災が発生しても、一次バックアップのクローンサーバーが稼働して、財務省業務はすみやかにつづけられるわけですね。すばらしい。

 ていうか、今を遡る16年前、2001年9.11のツインタワー倒壊のときも、あそこにオフィスのあったほとんどすべての企業は、事故直後から、各社クローンサーバーを稼働させて、とりあえず業務を続けられたわけですから、まあ、そんな自慢するほどのものじゃありませんわな。

 でも、そこまでやっているわりに、二次バックアップの月次データも年次データも一切とっていないのだそうです。それで、ファイルを誤って消したり上書きしたら、2週間経つと、復旧不可能なのだそうです。
 日本中のSIerの方が脱力するような.........まるで、「オートロックの4LDKの高級マンションなのにお風呂がついていない」みたいな、素敵な設計です。 NEC大丈夫か?

  いやでも、NECのサイトでは、ちゃんと二次バックアップの重要性について推奨されていますので、これは、やはり財務省独自仕様のようです。

 つまり、職員が誤ってファイルを上書きしたり削除したりしちゃって、2週間以上経ってから、それに気づいたりした場合は、もう一巻の終わりなんだそうです。正月明けとかGW後とか、財務省で、デスクに突っ伏する職員の方が続出したりしないんでしょうか。
 クラッキングで書類が消されたり改ざんされてるのにすぐ気づかなかったり、2週間経ってから書類に悪さするウイルスとか出てきたらどうするんでしょうね。ああもう、こんなことが露わになっちゃって、我らが日本経済の要である財務省が、世界中のクラッカーに狙われるのじゃないかと思うと心配でなりません。

 ていうか、想定外の事態が起こったときのためのバックアップだと思うんですが、職員が誤ってファイルを上書きしたり削除したりしちゃって、2週間以上経ってから、それに気づく、というよーな、普通にオフィスで起こるようなことすら想定していないというとこが、いろいろとすごいです。24億円もかけて。

 で、そういうわけで、例の森友学園関係の文書は、「この世に存在していない」のだそうです。
 お。断言しましたね。この世にないって。
 ほんとに「この世にない」んですね。
 いいんですね。言い切っちゃって。


 というか、これだけ疑われて、問題になっている売買の記録がなくなっちゃって、その検証すらできなくなっちゃってる事態に、まともな官僚なら、我が身の潔白が証明できないことに、ものすごく責任感じると思うんですが、むしろ嬉々として答えちゃってるの、なんかとっても不思議です。
 まあ、それを言うなら、夫人や自身の関与が疑われている首相は、自身や夫人の身の潔白を明らかにするためにも、率先して調査を進めさせるべきなのに、意地でも調査を阻もうとしておられるのも、とっても不思議ですが。

 それにしても.......「この世にない」って、強烈ですね。

◆5月11日(木) 六本木 ノチェーロ


(東京都港区六本木6-7-9 川本ビルB1)
お問い合わせ/03-3401-6801

1st 19:30 2nd 20:45 3rd 22:00(入れ替えなし) 
Charge:2,600円(おつまみ一品付)

アクセス/日比谷線・大江戸線六本木駅より徒歩2分

六本木駅至近の最高の立地の音響の良いステージでのライブです。美しい歌曲の数々をじっくりお聴き頂きますが、トークも炸裂........するかも! 
ギター福島久雄さん。
ネット予約

匿名での内部告発にはいろいろなやり方があるんだなあと思った件

 そういえば、ロシアのサーバーを通じて検察の隠していた書類がネットに晒されたのが5年前の憲法記念日です。
 正確には、ロシア版「宅ファイル便」みたいなファイル転送サービスを使って、5月2日の夜に何者かが、「健全な法治国家のために声を上げる市民の会」メールアドレス宛に、ダウンロードリンクを送ってくれたものを、あたくしがGoogle翻訳とか使って状況を理解して、ダウンロード。
 開いてみたら、「証拠書類一式」みたいなものでしたので、ネットに公開して晒したのが、5月3日の午前でございました。

 八木啓代のひとりごと:大暴露 とんでもないものが届きました 
 
http://nobuyoyagi.blog16.fc2.com/blog-entry-635.html

 あの日は、憲法記念日で、しかも土砂降りの雨だったので、多くの方がご自宅におられ、実に、たくさんの方にダウンロードしていただいたものでした。
 こういったファイル転送サービス。大きなファイルを誰かに送りたいときには、本当に便利ですね。

 いずれにしても、Wikileaksに代表されるように、インターネットのおかげで、内部告発は遥かに簡単になりました。

 相当前の話ですが、94年1月1日のメキシコ先住民ゲリラ蜂起事件で、メキシコ政府機関が、「外国人に先導されたテロ」と発表したのに対抗して、その蜂起で何が起こっていたのかを、たまたまその現場にいた旅行者がハンディカムビデオで録画していたテープがありました。メキシコ政府の主張が一瞬で崩れるそのビデオを、どう拡散するか。
 いまなら、YouTubeというものがありますが、あの当時はそんなのなかったですからね。

 なので、あのとき、そのようなビデオを持ち込まれたら、そういうものを安全に拡散するためには、コピーをたくさん作って、世界各国の記者に手渡し、それぞれでさらに拡散をしてもらうという「呪いのビデオ」方式にするしかなかったんですね。
 http://nobuyoyagi.blog16.fc2.com/blog-entry-370.html

(そういえば、テレカがなにかわからない青少年も出てきているということで、あのホラーの名作「リング」も、そのうち「意味がわからない」世代が出てくるのかもしれません)

 とはいえ、YouTubeだったら、身元を絶対にバラしたくない内部告発が安全にできちゃうのか、というとそうでもないわけです。
 あの少し前に尖閣ビデオ流出事件というのがありましたが、あれって、あっさり流出犯が特定されちゃいました。
 国家公務員法に反するということで、警察が、YouTube社日本法人に問い合わせたら、YouTubeの運営元であるGoogle日本法人は、あっさりビデオがアップロードされたIPアドレスを警察に差し出しちゃったんですね。
 それで、いまどきのネットカフェは、身分証明書出して会員登録しますから、いくら、使い捨てメルアドとか使っていても、どの日にどこのネットカフェのどのパソコンを使ってアップロードしたかがわかれば、そのときに使っていた人は、すみやかに特定されちゃったわけです。

 私に、検察書類を送ってくださった方は、そういうことはご存知だったのでしょうね。日本のファイル転送サービスでも、どうせ同じことになるだろうと。

 かといって、アメリカのファイル転送サービスも微妙です。日本の検察とFBIは捜査協力関係がありますから、ちゃっちゃとFBIが動いてくれるかもしれませんからね。こういうことは検察・警察関係者の方なら常識でしょう。

 だからロシアだったのかもしれません。
 ファイルをアップロードした発信者のIPアドレスを辿るためには、ロシア政府の協力が必要になりますが、そのためには、検察は日本の外務省を通じて、ロシアの外務省にお願いをしなくてはならないわけです。
 でも、そのためには、どういうファイルが流出したのか説明することになり、まさか、「日本の検察が、偽の報告書をでっち上げてた証拠のファイル」なんて言えませんわな。

 しかも、大規模麻薬売買とか凶悪テロとか、世界中の誰でもが「それは協力するべき」と思うほどの重大犯罪でもないんですから、あっさり断られるのが落ちでしょうし。百歩譲ってロシア当局に借りを作って協力してもらったところで、そのIPアドレスが、たまねぎだったりすると、世界的に大爆笑拡散ものになっちゃうわけですし。

 そういう意味では、オランダのWetransferとかでも良かったのじゃないかとは思いますが、まあ、ロシアのほうが、インパクトはありましたよね。
 
 いずれにしても、Google翻訳を使えば、ぜんぜん知らない言語でもそれなりの精度で翻訳できますし、そういう意味でも世界は狭くなったものです。

 といまここで、こういうことを書いたのは、単に5年前の事件を思い出しているだけなんですが、どこかから、ないはずの財務省の書類とかが出てきちゃったりしたら、嬉しいなあとか、ちょっとだけ思ったりもする、5年目の憲法記念日なのでありました。

じわじわきてます。森友学園問題

 森友事件。
 あまりに濃ゆいキャラクターの方々が次々に登場されるのを、あたくしは外野席からぼうっと見物人していたのでありますが、展開の面白さがじわじわきております。

 そもそも、教育勅語を幼稚園児に唱えさせて「安倍首相バンザイ」なんていうのは、まともな右翼の方なら、「天皇陛下をバカにしてんのか」と激怒されるようなことでありまして、なんといいますか、そういう左から見ても右から見ても論外な光景に対して、時の首相夫人が感銘の涙を流して名誉校長になる、なんていう滑稽さは、単独でもかなりアレなお話なんですが、そこに、莫大な国費が注ぎ込まれたみたいだとか、ゴミがあるんだか、それも実在するんだか幻なんだかという魔術的リアリズムな話になってきますと、もうラテンアメリカ系としては放っておけないじゃないですか。

 それにしても、官庁の中の官庁、日本で一番頭のいい人達が揃っているという財務省のエリートの方々が、どうやって、こんなゴミの山に足を突っ込んじゃったというのでしょう。

 と思っていたら、

「ゴミ以外にも面白い問題がありますよ」
と、知り合いの素敵なお兄さんから面白い計算を見せていただいちゃいました。

 問題の土地は、

平成27年1月鑑定:10年契約年額4200万
平成27年4月鑑定:50年契約年額3600万

(あれれ、契約期間が伸びて、ちょっと追加条件が加わったら、ここで600万円安くなっています)

そして、5月契約:10年契約年額2730万

あれれ、契約期間が戻ったのに、なぜか、賃貸料がもっと下がっちゃいました。
最初から考えると、なんと、わずか4ヶ月で1470万円、なんと、ここまでですでに、35%もお値引きになっちゃったんですね。まだ、本格的にゴミ出てないのに!(笑)

で、籠池さんは、それでも高いんで、半額にしてくれないかなあ、とアッキーにお願いしたわけですが、とすると、籠池さんが希望しておられたお支払い額は、

 2730万円÷2=1365万円
 10年分で、13650万円

てことですね。
すると、ああら不思議。

この売買契約には「買戻し特約」が設定され、登記もされています。契約条件に反した場合、売主が買い戻せるという特約ですが、この特約は民法で期間は10年以内と決められているのだそうです。なので、
あれ? 賃料を半額にして、買い戻せる最長期間10年で計算すると・・・

どういうわけか追加でゴミが出てきちゃった、というので8億円減額された土地売買価格は、10年分割で13400万円ですから、

あれれ?

(1) 借地契約の賃料を半額にして
(2) 10年後には無償で譲渡する

のと、同じ額になっちゃったんですね。谷さんへのFAXでのお願いの内容と、ぴったり同じ条件じゃありませんか。うわあ、すっごい偶然てあるもんですね。

こんな計算式見せられちゃうと、やっぱり、財務省と籠池さんとが、面談でどういうお話をなさったのかがとっても気になっちゃうじゃないですか。

でも、捨てちゃったんですよね。その面談記録は。
そして、交された会話も「忘れちゃった」というんですね?


さすがに、「どんなミッション・インポシブル?」と日本中で失笑を買った「データ2週間自動消滅システム」は撤回されましたが、それでも、

1.電子データだと容量の問題があるので、紙で保存している。(どういう鏡の国?)

2.電磁データは、サーバの容量がもったいないから、ちゃっちゃと消してるし、バックアップデータも2週間分だけしか取ってない。

3.データ復旧はできない。専門家ができないって言ったから。その専門家が誰かは内緒。

....だそうです。

そうですか。電子データより紙のほうが保存に適しているって、もろに経産省に喧嘩売ってるんですね。
http://www.meti.go.jp/policy/it_policy/e-doc/guide/nyumon2.html

(財務省と経産省が犬猿の仲っていう噂は本当だったのかな)

しかも財務省って、月次データすら保存してないってことなんですね。私みたいなしがない個人事業者でもやってることなんですが。

いやもう、天下の財務省がここまでケチらなきゃいけないなんて、今の日本、どんだけお金がないのか思い知らされるような、うら悲しいお話です。

なわけないだろうが。

というわけで、なんか、すごーく興味が湧いてきてしまいました。
ほら、目の前にプチプチがあると、どうしてもプチプチ潰しやりたくなっちゃうじゃないですか。

財務省の皆様、私の前にプチプチを置いちゃいけませんよ。
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Author:PANDORA
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