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想像の斜め上を来てくれた大阪検察審査会の開示

 さて、検察審査会で、不起訴不当が出た件について。
 はっきり言う。検察審査会にはあまり期待していませんでした。

 場合によっては、被告人に対して死刑判決を下さなければならない裁判員とは違って、単に、「裁判するかどうか」を決めるという、はるかに軽い決断をするだけであるにもかかわらず、審査員は徹底秘匿され、記者会見することもなく、議事録もなければ、どんな説明が行われ、どんな証拠が提示されたのかさえ、わからないようなブラックボックスです。

 それでも、日本の司法では、検察の捜査がおかしければ、検察審査会に審査を求めるしかありません。

 そんな検審でさえ、ご存じのように、森友事件では、一部の罪状に関して、不起訴不当議決が出ました。

 起訴相当議決と不起訴不当議決のなにが違うかといえば、起訴相当議決であれば、議決2回で強制起訴となるが、不起訴不当であれば、単に検察に差し戻しになるだけで、なんの強制力もありません。

 それでは、その違いがなぜ起こるかといえば、単に「賛成者の数」。
 つまり、どんなに議論の内容が白熱し、これは起訴すべきだろうという流れになったとしても、断固として手を上げない人が4人いれば、絶対に起訴議決は出ないというわけ。

 だからでしょう。陸山会事件の田代政弘元検事の、あそこまであからさまな虚偽公文書作成事件には、どういうわけか、よりにもよって元検察高官が、アドバイザーとして、補助弁護士に就任していました。
 そして、まったく不必要に何度も審査員を入れ替え、起訴議決が出ないようになるまで議決を引き延ばしたという疑いも。
 
 伊藤詩織さんの事件の時には、素人しかいないはずの審査員が、なぜか、プロである補助弁護士をつけないで審査したり....。

 さらに言えば、審査員選定のために、選挙人名簿から無作為抽出するだけのガラポンソフトに数千万もかけ、やろうと思えば、任意の審査員を入れることができるような奇妙な仕様にしていたり....。

 その検審に開示請求を行ったのが、今年の4月、例の議決が出た直後です。

 通常、公文書の開示は二週間程度で行われるのだが、今回は、二度にわたって、大阪検審は延長を求めてきました。文書が大量にあり、精査が必要だと。

 で、3ヶ月もかけて、その間、あたくしは、カリブでレコーディングしたり、南米に行ったりしていたんですが、その末に、やっと開示してきたその内容が、想像の斜め上を行くトンデモだった、というわけ。

 通常、文書開示で、謄写つまりコピーを求めると、高めの実費を請求される。数百枚の開示の場合、これがけっこうな支出になるので、私が代表を務める「健全な法治国家のために声をあげる市民の会」のような質実剛健な団体では、裁判所にノートパソコンとハンディスキャナを持ち込んで、スキャンするのが常でした。

(裁判所は電源も貸してくれないのだが、このスキャナはパソコンから電源を取れるので、超絶便利です)

 ところが、今回、大阪検審から電話があって、
「閲覧文書は、こちらでコピーを取ってお送りしますので、大阪までおいでになる必要はありません」

 えええ? 大阪検審、太っ腹????

 と一瞬でも思った私が甘かったのです。届いた書類は、なんとペラ8枚。
 いままで、同内容の請求で、百数十枚が開示されていたのに、たった8枚ですよ。いままでの、20分の1! しかも、全部黒塗り。これって、どこの戦前?

 いや、この数年での劣化っぷりはなんといったらいいのでしょうね。
 公文書毀棄(隠匿)事件の審査会で、公文書隠匿って、どんなジョークなんでしょう。

 とにかく、審査員をどう選定するか、については、一切極秘なんだそうです。立ち会ったはずの裁判官と検察官も、検察審査会法では「くじは、地方裁判所の判事、地方検察庁の検事及び関係市町村の吏員各一人の立会を以てこれを行わなければならない。この場合において、立会をした者は、検察審査員及び補充員の選定の証明をしなければならない。」と定められているのにもかかわらず、この立ち会いをした人も秘匿です。
 一体、なにをそんなに隠したいんでしょう?

 というわけで、本日、東京司法記者クラブで、緊急記者会見をいたしました。



プレスリリース
 
今回開示された資料
 
今までの開示と比べて、今回がどれだけ酷いかが一目でわかる資料
 
 まあ、大阪検察審査会が、大阪に来てもらいたくなかった理由がよくわかりました。ただ、これで逃げおおせたと思わないでいただきたいものでございます。

 ほんとに、明日はライブだってのに。

7月18日(木) 六本木 ノチェーロ

(東京都港区六本木6-7-9 川本ビルB1) お問い合わせ/03-3401-6801
1st 19:30 2nd 21:00 (入れ替えなし) 
Charge:2,600円(おつまみ一品付)
アクセス/日比谷線・大江戸線六本木駅より徒歩2分

六本木駅至近の最高の立地の音響の良いステージです。美しい歌曲の数々をじっくりお聴き頂きます! ギター:福島久雄さん。
詳細とご予約はこちら

7月30日(火) 大阪本町・Music Spot 燈門
 
( 大阪市中央区瓦町4-4-14 日宝ニュー本町ビル1F ) お問い合わせ/06-4708-8844
18:45 Open 19:30 Start
前売¥3000 当日¥3300+1ドリンク
アクセス/地下鉄御堂筋線「本町」駅徒歩4分。  

2018年7月より店主を変更し、グランドピアノも入れ、「小さな音の燈火をあなたの心に届ける」をコンセプトにした、大阪の音の憩いの空間「燈門(ともん)」での三度目のライブです! 新進気鋭のピアニスト柳原由佳さんとの共演!
ピアノ柳原由佳さん
詳細とご予約はこちら
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森友問題にかかわる一連の申立について、検察審査会で議決が出ました

学校法人森友学園に対する国有地売却にかかわる公用文書等毀棄罪、また、虚偽有印公文書作成及び行使容疑での申立について、本日、大阪検察審査会が、公用文書等毀棄罪に関して、佐川元局長らに対して不起訴不当議決、虚偽有印公文書作成及び行使に対して不起訴相当議決を出しました。

この件に関して、会として、以下の声明を発表いたしましたので、どうぞご一読ください。

学校法人森友学園に対する国有地売却にかかわる公用文書等毀棄罪、また、虚偽有印公文書作成及び行使容疑での申立について、本日、大阪検察審査会が、公用文書等毀棄罪に関して、佐川元局長らに対して不起訴不当議決、虚偽有印公文書作成及び行使に対して不起訴相当議決を出しました。

公用文書等毀棄につきましては、国有地の売却に関連する文書は、その事案が終了したのちも、最低5年から30年の保管が義務付けられています。

にもかかわらず、事案が終了していない、すなわち、売買金額の支払いも終わっていなければ、売買に付随する条件の施行も完了していなかったにもかかわらず、単に契約書を交わしただけの行為をもって、事案が終了したと強弁し、さらに、国会議員や総理夫人なども関連する重要な記録を、「軽微な書類」として廃棄したというような、まさに公文書管理法を足蹴にするような事案でした。

虚偽有印公文書等作成及び行使については、決裁文書の75ページ中60ページにわたって300ヶ所に及ぶ削除や改ざんを行なったという、近代国家の常識としてありえない事態で、しかもそれらの改ざん文書を国会や会計検査院に提出していたというものです。

公文書の正しい管理というものは、過去に行われた事柄、すなわち歴史を正確に記録し、必要に応じて確認することができる状態を維持するために、最低限必要なことであり、まさに民主主義の根幹をなすものです。

その公文書管理をないがしろにし、恣意的に捨てたり改ざんしたりした行為を容認することは、民主主義の自殺行為といって等しいものです。

実際、この事件においては、近畿財務局局員の方が自死されるということまで起こっており、到底、座視できる問題ではありません。

にもかかわらず、これだけのあからさまな改ざんに対して、「大きな内容の変更ではない」「廃棄してもかまわない文書であった」などという理由で不起訴とした大阪地検特捜部の決定は、もはや忖度などというレベルを通り越した、権力への露骨な迎合と言えるもので、民主主義・法治主義を踏みにじるものでした。

公用文書等毀棄罪に関しましては、不起訴不当が出ましたが、これは、検察に一度差し戻しになるだけのことであり、この事件の特殊性・異常性を考えれば、検察が再び不起訴にするであろうことは火を見るよりも明らかでしょう。

にもかかわらず、検察審査会の委員の方々が、何の危機感も問題意識も持たれず、上記のような検察の決定に追随されたということを、非常に異様と考えるのは私たちだけではないと考えます。

検察審査会に関しては、いままでにも、委員の選任方法の不透明さ(特定のバイアスのある審査員が選任されている疑い)・検察の問題を審査する審査会であるにもかかわらず、検察高官出身が補助弁護士に就任していたなど、補助弁護士の選任方法の不透明さ・議事録等が一切開示されないため、どのような議論が行われたのか、あるいは行われなかったのかが一切不明であること・審査会自体がどこに所属し、どこに責任があるのかさえ不明である点・検察官のみが一方的に審査員に説明を行うことができる上、捏造した証拠などでも提出することができるシステムになっており、しかもそれがバレても罪に問われない、など、きわめて灰色な部分が多いため、私たちも従来から、問題提起を行なってまいりましたが、そのもっとも悪い部分が、露わになったケースと考えます。

改めて、検察審査会法の歪さと問題点が浮き彫りになったともいえます。

いずれにしましても、この事件の当事者の一方でもある籠池夫妻のみならず、日産のゴーン氏に対する異常な長期勾留などで、日本の司法のおかしさに、世界の目が向けられ、あまつさえ、統計までもが改ざんされていることが明らかになり、国家としての信用にヒビが入っている最中にあって、大量の政府機関公文書の廃棄や改ざんが堂々と行われてもそれが重大な問題ではないと、国民が判断したという点で、これ以上ないほどに日本の恥を晒した問題として、歴史に刻まれることでしょう。

ノーベル賞と疑似医学:トンデモが湧いて出て来るぞ

しばらく前のことですが、銀行員のお兄さんの熱心なおすすめで、とある銀行主催のセミナーに参加したことがございました。この手のものは、ふつうはまず参加しないのですけど、テーマが「最新の高度先進医療」についてということだったので、覗いてみようと思ったのです。
といいますのも、あたくし、飲み友だちにお医者さん多いですので、多少、話のネタになるかなと思ったのと、あたくし自身がかつて精密検査で「悪性腫瘍の可能性極めて大」と診断されたことがありまして。(この件は、おかげさまでいまだに、この世にはばかっているわけなんですが)

で、結論から言うと、そのセミナーの内容は、完全なトンデモ系でございました。
笑っちゃうのは、講師と称する人物がそもそも、医師でも研究者でもなんでもない、一般社団法人の代表を称するだけの方で、クリニック系免疫療法を絶賛おすすめされていた、と。(藁)
で、なぜ、そういうセミナーを銀行がやったのかというと、高度先進医療対応が触れ込みの保険の売り込みだったわけで、したがって、「保険適用内のがん治療には問題が多く、副作用が少なく世界的に注目している最新医学は保険適用にならないので、高度先進医療対応の民間保険に入りましょう」という露骨な宣伝だったわけ。
銀行も落ちたものです。貴重な時間を無駄にしました。

なんで貴重な時間を無駄にしたと断言できるかというと、確かに高度先進医療を対象にしている民間保険はあるのですが、すごく小さい字で「厚生労働省が認めた高度先進医療」だけを対象にしていることが明記されているのを知らないあたくしではなかったからです。
で、「厚生労働省が認めた高度先進医療」は、そう簡単に、患者が希望して、ほいほい受けられるものじゃないのです。
というか、Googleあたりに広告出しているようなクリニックでやってるのは、厚生労働省が認めてる高度先進医療じゃないです。
そもそも、「保険のきかない高度先進医療」というのは、治験レベルの話なので、体質や病状など膨大なチェックポイントが完全に適合しないと受けられません。患者さんが希望して受けられるもんじゃないんですよね。
で、今回、ノーベル賞を取ったがん免疫療法の研究に関しては、あたくしのランチ友だちであり、本庶教授のご研究に詳しいインペリアルカレッジ・ロンドン上席講師の小野昌弘先生がブログで解説しておられるので、そちらを参照なさってください。
https://news.yahoo.co.jp/byline/onomasahiro/20181003-00099152/

で、今回、受賞した免疫療法の最大のポイントは、素人がなんとなく想像するような「免疫を強化してがん細胞を壊す」ような単純なことではなく、「もともと免疫という名の攻撃力を持つキラーT細胞のブレーキを止めることで、自己免疫力を最大限にまで引き出し、がん細胞を治療する」ことです。
では、なんで、そもそもT細胞にブレーキなどあるのか。
それは、免疫とは、そもそも体の異物を認識し排除するための役割で、そういう意味では、がん細胞は「異物」ではあるのですが、そこはずるい奴なので「あたしは異物じゃありません」というサインを出して、T細胞を騙すのですね。なので、がんは増殖するわけです。
ですから、このT細胞のブレーキを外すことで、「あたしは異物じゃありません」というサインを出していたとしても、容赦なく、そのがん細胞を叩く、という仕組みなのです。

というと、もうここで頭のいい皆様にはおわかりでしょう。
そうなると、今度は、そのT細胞が、異物ではないもの、つまり、自分の正常な細胞や臓器を攻撃するようになることが起こりえてしまうわけです。
T細胞が、異物でない、自分の細胞や臓器を攻撃するようになるとどうなるか。
自己免疫疾患という過剰反応が起こります。自己免疫疾患とは、たとえば、膠原病はその典型的な例。甲状腺機能異常症や関節リウマチもそうです。
つまりT細胞のブレーキを外す、ということは、そういう事態が起こるリスクを伴うわけです。
だから、小野先生曰く、これは「肉を切らせて骨を断つ」療法なのであり、けっして、「自分の免疫だから副作用がない」とか「抗がん剤に比べて体に負担が少ない」ような代物ではないわけです。

ましてや、現状では、効果のある症状は限定されていて、がん患者なら誰にでも試せるようなものでもありません。
たとえば、オプジーボによる治療は、「手術による治療が難しいメラノーマ(悪性黒色腫)、手術による治療が難しい進行・再発の非小細胞肺癌、根治切除不能又は転移性の腎細胞癌」限定で、しかも、アレルギーの可能性のある人や自己免疫疾患にかかったことのある人は受けられないわけですし、その投与もきわめて慎重を期さなくてはならないわけ。
そして、現段階では、抗がん剤や放射線治療の併用での安全性がわからないため、併用もできませんし、対象になったとしても、上記のリスクがあり、かつ、効く可能性は20%ほどです。

つまり、あくまでも、ノーベル賞受賞ポイントは、「発想・手法として画期的であり、しかも一定の効果が確認されたので、これから研究を進めていく方向としてきわめて有効」ということです。
逆に言えば、これ以外の免疫療法と称している代物は、「いくらやっても有効なエビデンスがない」。ぶっちゃけいうと、牛乳にイソジンたらすような、おまじないレベルということ。
(※牛乳イソジンは、健康に害がある可能性さえありますので、絶対にやらないように)

ちなみに、本物の免疫療法に詳しいお医者さんによると、免疫療法で効く可能性がある(つまりエビデンスがある)のは、このオプジーポ(抗PD-1抗体)とCAR-Tだけ。オプジーポは、保険適用されたこともあって薬価が大幅に下がり、一回の投与の薬代が40万円ほどになりましたが、薬代だけで数千万円です。(ただし、保険適用なので、高額療養費制度が適用されます)
保険適用されないCAR-Tの場合も、薬価だけで数千万円クラスの世界。
つまり、そのへんのクリニックで数百万とか言ってるのは、はっきり言って詐欺です。それから、言うまでもなく、「免疫は個人によって違うので、大規模治験に向かない。だから、統計上の問題がクリアできないので、エビデンスがないなどという不当な評価を受ける」「患者さんが希望しても、日本の医療界が閉鎖的なので免疫療法が受けられない」などというのは、詐欺師の片棒担ぎのタワゴトです。

もちろん信じるものは救われますし、鰯の頭も信心、プラセボ効果というのも実際にあります。がんであっても、ごくまれには自然治癒する例だってありますから、アレな療法を受けて「治っちゃった」人は、ぜったい「いない」とは言い切れません。しかし、アレ系の診療はたいてい「標準治療と併用できる」とか謳っているところなども、いろいろアレです。
(とはいえ、標準治療を完全拒否して、みすみす勝ち目のないギャンブルで亡くなるよりは、併用の方が良心的とも言えます)
ということで、みなさま、疑似医学や独自研究詐欺にご注意を。

カツカレー食い逃げとか謎の文書とか、内緒でいろいろやる人はどこにでも

 昨日はなんとカツカレー食べちゃいましたよ。
 カツカレーなんて、カロリー高くて健康に悪そうなもの、ここ数年食べてなかったんですけどね。もちろん、あの方たちの影響です。
 っていうか、あれだけテレビでもネットでも「カツカレー」という言葉が乱舞しますとですね、やはり、意識がそっちに行っちゃうわけです。

 で、カツカレーは食い逃げ事件に発展したわけですが、とはいっても、人間、最後の瞬間に気が変わるなんてことはあるわけです。ぽとぽと落ちていたしずくが、最後の一滴でコップからあふれることだってあるわけです。なので、必ずしも、食い逃げというのは正しくないとは思うんですけどね。

 とはいえ、そうでなかったのだとすると、これは、「面従腹背」の見本ということになりますわな。正面切ってノーと言えない立場の方や、地縁などの事情で投票を事実上強要されている人でも、この手があるんだよって。
 沖縄でもどこでも、です。

 そういえば、7月1日に野党が大勝したメキシコ大統領選挙でも、与党が相当額の裏金をばらまいて、住民の反応も極めて良好で、したがって優勢を確実視していた地区で蓋を開けたらボロ負けしてたんですね。多くの選挙民がにっこり笑って裏金だけ受け取って、そういうことするような候補に入れなかったわけです。なにこれ、賢いわ(爆)

 ということで、もちろん正々堂々としているのは立派ですが、そうでない方もそれなりに、意思表示の方法はあって、ある意味、その方が効果的だったりすることもあるというわけです。

 などと言っていますと、複数のメディアの方から、例の5ちゃんねるに出てきた伊藤詩織さん関連の文書についてお問い合わせが。

 なんで、あたくしに? ただの歌手なんですが。
 というより、その後、当会に届けられたりするかも、ってことなんでしょうか?
 いずれにしても、問題の文書、ペラ一枚のしかも写真では信憑性は低いとしか申し上げようがありません。決裁書類でもなんでもない、偽造しようと思えば10分で作れるものですので、前後時系列のメモなどある程度の分量があるとか、それが偽造ではないことを示す他の証拠などがないと、信用度は皆無に近いと思います。

 そこで思い出してしまったのですが。
 あの陸山会事件で現役検察官たちが組織ぐるみで偽報告書をでっち上げて、検察審査会を騙したというトンデモ事件で、その動かぬ証拠となる偽報告書一式を、心あるどなたかが、どっさり当会に届けてくださった事件では、なんといっても、その書式の完璧さと分量の多さでもって、その信憑性が極めて高く、さらに公開数時間で、複数の関係者の方が本物認定してくださったので、ひとつの事件となったのですが、じつは、いまだに、流出犯は不明です

 当然のことながら、検察関係者や裁判所関係者の方が流出犯でしたら、国家公務員法違反ですし、弁護団からの流出なら刑訴法違反となりますので、流出させたのがどなたであれ、時効が来るまで「自分がやりました」とはいえませんわね。(時効が来たって、言えない人は言えないでしょうし)

(ちなみに、あたくしは「落とし物を拾っただけ」の善意の第三者ですので、落とし物の存在をネットに公開しても、いかなる罪にも問われる可能性はありません)

 とはいえ、当然のことながら、当時、警察も検察も犯人捜しに血道を上げたのは事実です。でも、それでも流出犯はわからなかった。

 その少し前に尖閣ビデオ事件というのがありましたが、あの事件の犯人があっさり特定されたのは、警察がYouTubeの日本法人にIPアドレスを問い合わせたら、YouTube側があっさり問い合わせに応じちゃったからです。で、そのIPアドレスで、ビデオをアップロードしたパソコンを特定して、神戸のインターネットカフェで、該当時間にそのパソコンを利用したユーザーがあっさり特定されちゃったという、簡単な事件だったのですね。

 なのに、この検察証拠流出事件の犯人がわからなかったのは、問題の文書がロシアのサーバに置かれていたからです。
 日本法人がないから、日本の警察も検察も乗り込みようがない。

 とはいえ、これがアメリカのサーバなら、日本の検察と米国FBIは捜査協力体制にあるので、FBIが動いてくれます。で、この年の4月にFBIがアメリカのサーバに圧力かけて使用者を開示させる事件が起こっています。

 ところが、相手はロシアですからね。
 日本の検察または警察は、日本国外務省にお願いし、日本国外務省はロシアの外務省にお願いし、そのロシアの外務省から問題のサーバ会社に情報開示を請求しなければならないわけです。
 で、これが、国際的な麻薬密売ルートとか人身売買事件とか、テロ事件とか凶悪殺人事件とかの捜査なら、国際協力で、それを試みる値打ちはあるでしょう。少なくとも「協力をお願いする」大義名分はあるというわけです。
 でも、「検察がデマ報告書をでっちあげていて、その犯罪の証拠が流出して貴国のサーバにあるんですけど、その犯罪の証拠を持ち出した犯人をどうにかしたいんで、IPアドレス開示してくれ」というような恥さらしは言えませんわね。ふつう。
 そういう裏取引までしようとするなら、それ相応のお土産でもないと、ロシアもほいほい承諾するわけないですし。
 で、そこまでやったところで、相手のサーバ会社に
「あ、でも、うちは、IPアドレスのログ取ってませんので」
と言われちゃったらおしまいで、それが事実かどうかを調べることすらできないわけで。

 1万歩譲って、そのロシアのサーバがIPアドレスを開示してくれたところで、そのIPアドレス情報だって本物かどうかわからないし、仮に本物だったとしても、そこまで読んでロシアのサーバを使うような犯人なら、当然、たまねぎブラウザ使ってIPアドレスの偽装ぐらいやってると推認するほうが自然です。

 というわけで、警察は(あたくしが聞いた話では)わりとすぐ捜査本部も解散して、あっさりあきらめちゃったみたいです。
 つまり、あれは未解決事件なのでございます。

 で、ふと思い出して、当時利用されたロシアのサーバを調べてみましたら、当時のダウンロードリンクが切れているのも道理で、名前が変わり、サービス自体も改良されているみたいです。
 http://free.arinco.org/storage/yandex/
 連絡に使われたYandexメールは、ロシア最大のポータルサイトの、最新のメール機能を備え、容量実質無制限。送信 IPアドレスはマスクされるし、自動転送も可能なら、携帯電話の登録も不要。たまねぎでのアカウント取得や運用も可能。
 http://free.arinco.org/mail/yandex/
 申し込みはこちらからできるみたい。

 で、このメールサービスのストレージサービスから添付ファイルの形でファイルを送ることもできれば、ストレージサービスからダウンロードリンクを送ることもできる、と。あら、便利。

 内部告発をしたい方向けというより、普通に便利なサービスのようです。

 ということで、今夜のおかずは鯖の味噌煮、かな。

検審申立という第2幕が始まりました

5月31日、検察が森友事件に関する一連の告発について、「まとめて不起訴」を出しました。
この「まとめて不起訴」という対応そのもので、はじめからまともに捜査をする気もなければ、本気で起訴する気もなかったということが明らかであったと思います。

だって、たとえ被疑者が同一であったとしても、

(1) 大量の公文書を捨てたと佐川局長が国会で抜かした件
(2) 多数の公文書を改ざんしていたのが朝日のスクープでバレた件
(3) みんなが疑っている、8億円の国有地を1億円で売っちゃって、背任じゃないかと疑われている件

というのは、それぞれ別の問題なわけです。

極端に言うと、死体があったとして、「殺人」と「死体遺棄」と「死体損壊」はそれぞれ別の罪なわけでして、殺人はやってないけど死体遺棄はやったとか、死体損壊はやったとか、証拠隠滅だけやったのかもしれないとか、殺人じゃなくて、過失致死だったかもとか、まともに捜査をしていれば、まあいろいろありうるわけで、他に犯人がいて、まったくの無関係でない限り「本人死にたがってた人で、死んでもかまわない人だったから、死体捨てたのまでバレてて、殺人疑われてるけど、まとめて不起訴」なんてありえないですよね。

で、その不起訴理由というのがまた、記者会見では、

・公用文書毀棄については、「応接記録は、財務省文書管理規則で、保存期間一年未満なので、捨ててもいい書類だった」

・虚偽有印公文書作成及び行使に関しては、「文書の内容に大きな変更はなかったし、嘘を書いたわけではない」

などと、女性特捜部長さんがおっしゃったそうです。

アホ抜かせ。

と、そこで、大阪人である私は、つい大阪言葉で毒づいてしまったわけですの。

財務省管理規則にはどこを探しても、「応接記録は、財務省文書管理規則で、保存期間一年未満なので、捨ててもいい書類だった」などという項目などございませんのよ。
いくら、記者の方が、財務省管理規則を全文暗記しているわけがないので、その場でツッコミができないだろうからって、よくもぬけぬけと、そんなボケかましてくれますよね。
そんなにツッコんでほしいのでしたら、徹底的にツッコましていただきますわ。なめてんじゃねえよ。

というわけで、まず、公用文書毀棄について出させていただいた申立書が、こちらでございます。

http://shiminnokai.net/doc/moushitate_kiki_180611.pdf

簡単に言いますと、財務省管理規則では、国有地の売却に関する一連の書類は、保存期間が30年と定められており、さらに、他の省庁(この場合は大阪航空局)との交渉記録は最低10年の保存期間、しかも、相手方に不利益処分のある場合(この場合は、契約に買い戻し特約があること)がある場合は、最低5年の保存期間が定められているので、どっちにしても、1年未満の保存期間などというのは、無理筋の言い訳でしかないこと。

そして、決定打としては、森友学園への土地売却は、一括払いではなく、10年の分割払いになっていたため、支払いが完了しないうちは、事案も契約も終了していない(で、結局、小学校建設の話が潰れたので、問題の土地を更地にして、国に返還しなくてはならない)ので、そもそも、事案は終了していないので、1万歩譲って、「事案が終了したので、細則で廃棄した」という苦し紛れの言い訳自体、はじめっから成立してないし、ということです。

そして、虚偽有印公文書作成及び行使につきましては、申立書はこちらになります。

http://shiminnokai.net/doc/moushitate_kyogi_180611.pdf

「大きな改ざんではない」どころか、どこが、「内容に大きな変更のない」んでしょうね。しかも、わざわざ国交省まで行って書類をすり替えようなどという泥棒みたいな真似までして、バレてやがんの

しかも、この件については、昭和33年の最高裁での判例がありまして、議事録の一部を削除しただけでも、公用文書等毀棄罪と虚偽有印公文書作成及び行使が成立した、というものがあるわけなんですね。
 この判例につきまして、「これは議事録の話であって、財務省の交渉記録ではないから」などという間抜けな論評を書いておられるアレな方もいらっしゃいますが、(見え透いたDD論で中立を装うことで、国会で調査委員会でも立ち上げることになったら、ぜひ入りたいとでも切望していらっしゃるんでしょうか。)、ブログの記事か、せいぜいネットでちゃっちゃと検索できる最高裁判例しかお読みになっていらっしゃらないようです。

この裁判では、印の押された決裁文書は、「毀棄できないことは明らかである」と述べられているだけではなく、原審では、明白に、「(除去した発言等の)部分が要望事項にすぎなかったものとしても、はたまた同部分の議決が無効であるとしても、同部分が前記委員会の会議において 議決されたものであることが動かぬ事実である以上、同部分を故(ことさ)らに脱漏して新たな議事録を作成するがごときことは真実に適合しない虚偽の議事録を作成するものというべく、もとより法の許さざるところであり、これをあえてするときは虚偽公文書作成罪を構成し、またこれを行使するときは同行使罪を構成するものといわなければならない。」
とまで、書かれているわけです。

つまり、要望部分が、議決に何の影響も与えなかったとしても、その部分を削除したら、それだけで公用文書等毀棄罪と虚偽有印公文書作成及び行使が成立するとされているわけです。

で、常識で考えて、村役場の議事録ですらNGなことが、財務省の国有地売却記録で問題ないわけがないということは、皆さんおわかりでしょう。

ていうか、それでも「いや、村役場の議事録では駄目でも、財務省の国有地売却記録では、どんだけ書き換えても、削除しても、内容を変えても、ぜんぶセーフなんだよっ」と言い張る向きがおありなら、だったら、裁判所で判断を仰げばいいんですよ

ということで、この事件、大阪地裁内の検察審査会で、昨日、無事、申立を済ませて参りました。

大阪地裁は初めてでしたので、勝手がわからなかったのですが、大阪の弁護士さんたちより、大阪地裁の内部の見取りから、近場のコーヒーが美味な喫茶店、さらには安くて旨い立ち飲み屋に至るまでの、いろいろ有益なアドバイス多数をいただけたのと、なにより、地元大阪の有志の方にもお手伝いに来ていただけたおかげで、ラビリンスのような大阪地裁の中で、迷子になることもなく、無事、申立と記者会見を行うことができました。
ご協力をいただいた皆様、本当にありがとうございます。(鱧美味しかったです。)

とはいえ、検察審査会のブラックボックスさは定評のあるところ。
あのストーリー田代事件のように、中立であるはずの補助弁護士に、元検察高官がどさくさ紛れに就任していた、などというようなことのないよう、大阪弁護士会にも要望書を提出し、解散となりました。

http://shiminnokai.net/doc/oosakabengoshikai.pdf

さあ、皆様、第2幕はこれからですよ。
プロフィール

PANDORA

Author:PANDORA
ラテンアメリカと日本を拠点に活動する音楽家・作家 八木啓代のBlog
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3.11を心に刻んで (岩波ブックレット)
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刑事司法への問い (シリーズ 刑事司法を考える 第0巻) (岩波書店)
日本の刑事司法の何が問題か、どのような改革が求められているか。刑事法研究者、実務法曹の他、八木も執筆しております。
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Vo. 八木啓代 Pf. 柳原由佳
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