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ユナイテッド航空が炎上している件で

 ユナイテッド航空の件で、炎上騒ぎが起きています。
 これって、ほんとにネットの時代らしい出来事ですが、それにしても、ユナイテッドの対応、異常といえるものでした。

 私の経験から言うと、じつは、オーバーブッキングというのは、そこそこ発生します。米国では特に多いように感じます。
 ただ、通常、オーバーブッキングが起こると、航空会社は以下の順で対応をします。

1.エコノミークラスの乗客のうち、フリークエントフライヤー、比較的高い運賃客(エコノミークラスでも運賃のクラスには違いがある)や「航空会社が適切と判断した乗客」を、ファーストクラスやエコノミークラスにアップグレード。

 これはたいてい、チェックインのときに通告されます。その乗客の服装や雰囲気などがファーストやビジネスにふさわしいかも判断しているようで、いくらフリークエントフライヤーで高めの運賃で購入していても、グランジルックとかだと難しいでしょう。上品な服装の個人客とか老夫妻カップル、なんてのがよく選ばれるようです。
 乗客にとっては、じつは一番ありがたい対処です。
 ちなみに、こういうグレードアップでファーストやビジネスになったとしても、もちろんサービスに差はありません。お料理などはちゃんとアッパークラスのものが出ますし、お席につくなりシャンパンやゴディバのチョコレートが運ばれてきます。

2.ゲート待合室などで、ボランティアを募る。

 これ、最初は、「200ドルのバウチャー」あたりから始まって、「400ドルのバウチャー(その航空会社でのみ使える旅行券)もしくは現金200ドル」とか「800ドルのバウチャーもしくは現金400ドル」みたいな感じで、吊り上がっていきます。
 現金がいいに決まっていますが、その航空会社でよく旅行するなら、バウチャーのほうがお得ということにはなります。

 荷物をもう機内に預けてしまっている人は、実際問題としてフライト変更は難しいので、機内持ち込み荷物のみの人がよく受けています。激安チケットを購入していた場合など、実質、旅行代金がタダになってしまうこともあります。
「いつの代替フライトを用意してもらえるのか」ということも含めて、交渉の余地もあります。

3.それでもボランティアが必要数見つからなかった場合は、乗客のどなたかを選んで搭乗拒否(というより、別便振替を強くお願いする)するということはありえます。ただ、その場合は、代替便や補償金、一泊の場合のホテルや食事代などは、航空会社はそれなりに融通してくれるはずです。

 余談ですが、オーバーブッキングでなくても、天候の悪化や機材整備の問題、場合によっては空席多すぎて、などでのフライトキャンセルというのもしばしばありますし、あるいは航空機遅延のため乗継便に乗り遅れた、なんていうこともけっこうあります。

 こういう場合の補償も、フライトキャンセルの場合、問答無用で乗客一律に同じ補償というのが多いものの、多少の交渉の余地はあります。特に、航空機遅延のため乗継便に乗り遅れたなんてときは、交渉能力をフルに発揮しないと泣き寝入りになる可能性があります。5つ星ホテルとお食事クーポンぐらいはゲットしましょう。

 ちなみに、フライトキャンセルがあった場合、私の知る限り、一番、保障が手厚いのはデルタ航空です。私の友達は「自由に行き先が選べる無料往復特典航空券」をもらって、そのあとタダでヨーロッパに行ってました。
 私の知るけっこう悲惨な例は、2日連続でフライトキャンセルした挙句に2万円だけ払ったJALです。

 さて、ユナイテッド航空のケースの異常なのは、すでに座席に座っている客を下ろそうとし、しかも拒否されると、暴力的に引きずり下ろしたという点です。これは、常識的にも、ありえないことでしょう。
 もちろん、一旦搭乗した客でも、他の客やフライトスタッフに対して迷惑行為を行ったり、乗務員の安全上の指示に従わなかったりしたら(注意されても離陸時の携帯での通話をやめないとか、シートベルト着用を拒否するとか)、航空会社の判断でおろされることはありますが、今回の場合、そういうわけではないですし、流血するほど、なにをしたんでしょう。鼻骨折、前歯2本折れていたそうです。こわいです。
 しかもその理由が、自社のスタッフを乗せるためって、本末転倒もいいところです。
 すでに大炎上になって訴訟にも発展するようですが、企業イメージも随分損なわれましたし、裁判の結果も、いわゆる懲罰的賠償か高額の和解になるのではないかと思います。

 もっとも、一時期、日本語でツイートされていた「ユナイテッド航空に指名されて降ろされた4人全員がアジア人」という説は、どこにも根拠のある出典がありません。もし本当に、降ろされた4人全員がアジア人なら、もっと問題になっていると思うので、それはたぶんデマか誤解でしょう。
 ただ、機体の急な変更などで、ある程度まとまった人数を別便に振り替えたりするとき、選ばれた複数名に日本人が多いというのはよくあるようです。これは日本人に(言葉の問題などで)反論や抗議をしたりしないで、すぐ指示に従ってしまう人が多いことと関係があるように思います。

 ちなみに、私は、ある満席便で、ある緊急の乗客を一人どうしても乗せるために、スチュワーデスを一人下ろして、機内クルー用の席に座らせたケースを知っています。あれって今なら問題になるんじゃないかしら。

 いずれにしても、オーバーブッキングもさることながら、大幅な遅延やフライトキャンセルになるリスクなどもあると理解した上で予定を立てて乗るというのが、現実的な対応ということになります。

 などと書いていたら、ユナイテッドでまたまた炎上になりそうな話が出てきました。ビジネスのチケットを買っているフィリピン系のおばあさんをエコノミーに格下げしたというひどい話です。

 またしてもユナイテッド航空 障がいを持つ94歳女性をビジネスクラスからエコノミーに移動させる
 https://netallica.yahoo.co.jp/news/20170414-61849585-techinq
 https://www.facebook.com/marianne777/posts/10154293571613309?pnref=story ←最初のFacebook投稿

 こうなってくると、やはり乗客軽視かつ差別的「体質」なのかと、それこそ「レッテル」を貼られてもしょうがありません。

 と思っていると、世界中の人々が、ユナイテッド航空の新スローガンを投稿していらっしゃいました。
 ユナイテッド航空に新スローガンの提案が続々「お客様を世界中引きずり回します」

最高検報告書:まともな神経じゃやっていられませんわよね

ただいま、申立書を作成するため、衛星回線を通じて弁護士さんたちとやり取りをしておりますが、当会のイケメンチームは、皆さん、(過去はともかく現在は)まっとうな紳士淑女ばかりなんで、ほんとにあまりにもひどい最高検報告書に、みなさん、扱いに困っていらっしゃいます。

なにせ、中身が、ほとんどスピンの世界ときていますので、それだけにまともに正面から反論すると、レベルの低すぎる争いに終始しそうですし、かといってまるまる無視すると、鬼の首とったみたいに「反論できない」みたいに言われても嫌ですし。
あ、この感覚、なにかに似てると思ったら、ネトウヨ(のなかでもとりたてて頭悪い人)との不毛な論争みたいですね。

不起訴をお決めになったのは上の方なんでしょうが、司法試験受かって、長い年月、エリートとして検察庁に奉職していらっしゃった方々が、こんなみっともない重箱の隅を必死でほじくり返したみたいなレベルの報告書書かなきゃいけないなんて、ほんとに情けなかったでしょうね。お察しします。

細い衛星回線で届いた噂によりますと、最高検の多少まともな方たちには、田代検事を在宅起訴とする声もあったようですが、
「そんなことをすれば現場で暴動が起こる、なぜなら田代検事よりもっとひどい調べをしてきた検事が庁内にたくさん残っている」ということで、まともじゃない方たちに押し切られたんだそうでございます。

なんといいますか、かなり救いがないですね。

まあ、元特捜検察検事の由良秀之氏の執筆されたミステリ小説『司法記者』でも、特捜検事が、被疑者にされた方を脅しまくって、無理矢理、事実とぜんぜん異なる供述調書に署名をさせてしまうシーンなどが生々しく描かれておりますので、まあ、明らかにそのモデルになったんじゃないかと推定されるようなあの方とかこの方が、検察庁の中で出世しちゃったところが、もうほんとに、そういう異常な状況をデフォルトにしちゃったんですね。

(ああ、この本は本格ミステリとして楽しめるのはもちろんですが、そういう「モデルは誰かな」捜しでも楽しめる作りになっているようで、昔を思い出して泣いちゃった人もいるそうです)

それにしたって、誰が見たって明らかな上司の責任、というか、犯罪が、事実上、不問とされて、田代検事一人の個人責任におっかぶせられたことについては、現場の検事たちには不満が溜まっているとのチクリメールも頂いております。
そりゃそうですよね。これじゃまともな人はたまらない。

でも、喋べらないでいてくれたら、不起訴ですませてやるからなんて言われて、真実を語らない田代検事が被害者かっていうとそうでもないと思いますよ。
確かに、石川議員の録音がなければバレなかった事件ですし、彼の調べは、暴行や暴言を加えたわけでもない。そして、問題の報告書だって、おそらく自分の意志で作ったわけではない。
告発されている(そして検審に申し立てられる)偽証だって、やりたくてやったわけではなく、最高検からの指示を受けてやったことでしょう。

だけどね。多少脅されたからって、喋べらないことで、結果的に「思いっきりヤクザの手下が親分をかばうようなこと」をして、この世紀の大犯罪の隠蔽のために大貢献しちゃったんですから、やっぱり被害者じゃなくて、加害者なんですよ。むしろね、ちゃんと真実を喋ってた方が、確実に裁判で執行猶予がついたと思うんですよね。

不起訴で減給の自己退職だから、法曹資格剥奪にならないと思っているんでしょうが、弁護士会だってそんなに甘いかなあ。

ということで、あたくしたちは粛々と田代検事の検審申立の準備を進めております。
今しばらくお待ちください。

語るに落ちた最高検:報告書の説明がイタすぎますが

ブログをお読みの皆さんだけではなく、各メディアの皆様まで、うちの会が検察審査会に申し立てをいつするのか、期待満々で待っておられるようです。
読売新聞に至っては、うちの会から公開してない日程まで報道してくださっているぐらいですので、その期待度たるや、たいへんなものです。

他人の不幸は蜜の味と言いますが、みなさん、検察が痛めつけられるところをそんなにご覧になりたいのでしょうか。

ところで、当会の先日の告発、6日付けで受理されました。国民の皆さんの怒りを反映して、137通の告発状が集まりました。
で、今回の告発もスピード受理です。その日のうちでなかったのは、数が多すぎたために当会のチェックが行き届かず、一部の告発状に日付漏れなどの不備があったため。当会副会長が、金曜に最高検刑事事務課で修正に出向き、即日受理されました。
また、この検事総長告発は、朝日も産経も報道してくださっています。

(ツイッター等で、メディアが一切報道していないなどというツイートを拡散されておりまして、不信は判りますが、確認もせず報道しないと決めつけるのは、ただのデマです。ネットデマの拡散はやめましょうね。)

とはいえ、あの方たちにしてみれば、今回は、べつにデモがあるわけでもなし、検察庁の看板にペンキかけられたりするわけでもないので、別に大したことではないと思っていらっしゃると思います。でなけりゃ、田代検事に「不起訴+処分は減給のみ」はないですよね。
国民も舐められたものですが、ここまで舐められ、こういう連中をのさばらしちまったあたくしたちにも責任はあると思いましょ。ブログのコメント欄でぶーたれているだけじゃ、検察は痛くもかゆくもないんですからね。

しかも、なんたって、検察は、すでに、検審は誘導できるってことを覚えちゃったんです。しかも、偽書類作ったって、その証拠をバラされたって「うっかりしてて悪気無かった」で不起訴にできちゃうんです。

そういう方たちですから、検審でも、誘導しまくり放題だと思っていらっしゃると考えるのが妥当だと思います。
というわけで、当会がちゃっちゃと申立書を出さないのは、その手に引っかかってたまるかいと思っているからでして、ただいま、当会のイケメンで優秀な法曹チームの方たちが、綿密な協議をなさっています。

で、その最高検の調査報告書ですが、田代検事に不適切な発言があったことは、最高検の報告書でも明確に認めているんですよね。

それは、
1.供述を維持するように繰り返し推奨し、
2.供述を変えれば再逮捕することを示唆し、
3.それでも石川氏が、供述の変更を求めていたのに、その主張を無視した供述調書を作った
4.その後、上司の指示で報告書を作った
と4段階ですね。

でも、これを認めてしまっている以上、すなわち、1や2が行われても、なおかつ、石川氏が供述の変更を主張したのに、それを黙殺して供述を維持させた時点で供述調書は虚偽ですし(だから裁判でも証拠却下されたわけですし)、それと同じ要旨の報告書の内容の虚偽性は明らかだと思います。
で、このことも最高検では認めちゃってると。

ところが、最高検報告書では、石川反訳書で、田代検事が何度も席を立って上司に報告している形跡があるにもかかわらず、上司が「不適正な取り調べの指示をしたと認められない」としています。

つまり、最高検調査報告によると、上司が「不適正な取り調べの指示をしていない」以上、田代が独断で不適切な取り調べ(脅迫に近い行為)をやり、かつ上司に対しても、事実と異なる報告をしていた
ということになります。

なのに、不起訴、というのは、つまり、田代検事が不適切な取調をやったことが減給に当たるわけで、偽報告書を作った部分は、「記憶の混同」を丸呑みして、一切、おとがめはなかったということですね。

つまり、被疑者を脅して事実と異なる供述調書に署名させたことは、「不適切だけど、しょせん減給程度」という軽いことでしかないというわけですが、ここで注目なのは、人事判断は、法務大臣だということです。
最高検も記者会見で、「(人事)判断は任命権者(=法務大臣)にある」と責任転嫁しちゃっていますからね。

つまり、滝法務大臣は、「検察官が、被疑者を脅して事実と異なる供述調書に署名させたことは、しょせん減給程度」と判断されたということです。法務省の役人にたらし込まれて、歴史に汚名を残しましたね。みなさん、ぜひ、このことを大臣に教えて差し上げてください。

そして次のポイントです。

すべては田代検事の記憶の混同なんですね。記憶の混同は故意じゃないから罪にならない、と。
だとしたら、田代検事の「記憶の混同」はいつ起こったのか です。

最高検報告書では、取調べ中にメモを取っておらず、その後、上司に報告書を作成を命じられたので、不確かな記憶を頼りに作った、ということになっています。

100歩譲ってこれを認めるとしたら、「田代検事は、不適正な取調べを独断で行い、石川議員を脅迫してまで、石川議員が変更を主張していた供述を維持させた」わけですが、その記憶がほとんど全部飛んでいたということになります。

すなわち、供述調書で書いた「最高検ですら不適切と認めた取調べ」すら、田代検事は記憶していなかったことになる。つまり、田代検事の記憶は完全にすり替わっていたことになる。

心理学的には、トラウマになるような記憶が別の記憶とすり替わるということは、ありえないことではないのですが、そうだとすると、田代検事には、本当に、「不適切な取調べ」の記憶そのものが消えていなくてはおかしいことになります。

(佐賀農協事件における、市川寛さん状態です。もっともさすがの市川さんも、「不適切な取調べをした」細部の記憶が部分的に飛んでいるだけで、「不適切な取調べをしたこと自体」をまったくまるまる覚えていないということはないわけですが)

だとすれば、最高検の判定は、それ自体が矛盾していることになります。
つまり、田代検事の記憶のすり替えが起こっていて、本当に自分は「不適切な取調べ」をしたことをまったく覚えていなかったなら、最高検の調査でも、彼の主張は一貫しているはずです。

つまり、最高検ですら認めている「不適切な取調べの存在」を説明するものは、まさに録音でしかなく、その時点で、田代検事の言っていることは、(故意に嘘をついているか、記憶のすり替えによって本当に覚えていないのか、は別として)、どう考えても、事実に反することになります。だから最高検も、報告書に虚偽性があることまでは認めているのですよね。

しかも、田代検事は、上司の指示を受けたわけではなく、独断で(つまり自分の意志で)その「不適切な取調べ」をやったのですから、最高検が「不適切な取調べ」を認めたこと自体で、論理的に、田代検事の報告書の虚偽性は明らか。つまり、虚偽有印公文書作成及び行使罪自体は成立し、ただ、記憶の混同だから、心神耗弱ということで故意性はなかったとしての不起訴があり得るということですね。

次に、もし、心理的外傷などの要因で、田代検事が「上司の指示を受けたわけでもなく、自分の独断で不適切な取調べ」の5時間の内容を忘れ、記憶を都合良く改竄してしまっていたとします。
その場合、彼は当然、不適切なことを言ったこと自体記憶していないわけです。

そこに、上司から、報告書を書けと言われて、書いたということはあり得なくはありません。
しかし、あの報告書には、どこにも、「不適切な取調べ」の片鱗も出てこない。石川氏は自分の意志で、供述を維持しています。そのことが、彼に「不適切な取調の記憶がなかった」ことを裏付けます。

しかし、田代が真に記憶の混同が起きていて、故意ではなく、あの報告書を書いたのであれば、「しかし実際に起こっていて、裁判でも認められ、録音も残っている事実」との全面的な違いに、最高検のチームは、田代の精神鑑定なり心理分析を依頼しなくてはおかしいことになりますし、そのような状態の検事を、不起訴にするというなら、根拠は「心神耗弱」のために故意性はなかったというしかないですから、それで、減給処分というのはもっとおかしい。
減給処分というのは、検察官としての職務を務め続けられるということを前提にしているからです。

事件の後も、田代検事は新潟地検で職務を続けていたわけですから、客観的には、この2年にわたって、田代検事は、異常な健忘などの症状で職務に支障をきたし、精神科に通院していた事実はなかったと認められます。
だとすれば、これまた、矛盾です。
なぜなら、不適切で異常な取調べを、田代検事が自分の意志で、独断でやったものであるのに、それを全部忘れ、まったく別の記憶に改竄しているとしたら、それは明らかに異常な状態だからです。
すでにこの件では、大阪のイケてる市民団体に、検察官適格審査会にかけられていますが、まさにそのとおりですよね。

(もっとも、この件、法務省は「捜査中の案件は検適にはかけられない」と審査会の議員を騙して審査にかけさせず、かつ、田代を辞職させることでうやむやにしちゃったみたいです。検適は法務省から独立させなければ、なんの意味もないということが明らかになりましたね)

で、本来なら、最高検は、こんなとんでもないことが明らかになったら、これほどの異常な検事が扱った今までのすべての事件を、再調査し、彼の精神疾患がいつから始まったのかを調査しなくてはならないはずですね。

にもかかわらず、検事として軽い処分でかまわないとする最高検と法務省、さらに法務大臣は、そういう異常な検事が「普通に存在していて、それはめずらしいことではない」ことを認めたようなものだからです。

こりゃたいへん。やはり日本の司法は狂っていますね。

とはいえ、田代さんは、裁判の時に、「録音されていると判っていたら、あんな取調べはしなかった」と語っていますね。あれれ、それって記憶あるんじゃないですか。どうしてなのかなあ?(大爆)

善き年を...

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信じられないことばかりが起こるこの日々に

しばらくブログの間隔が空いたのは、もちろんわけがあります。
震災のせいですね。

あまりに月並みにですが、まずなによりも、今回の東日本大震災の被災者の方々にお見舞いの意を表明いたします。そして、東京電力福島原発事故の現場の方々や、これから長く続くであろう避難者の方々の苦しみに、自分になにができるかを考え続けさせられる日々でありました。

「3.11」以前と以後、この日を境に日本は決定的になにかが変わってしまったのかもしれない。
少なくとも、もう以前と同じではない。
そんな言葉さえ聞かれた3月でした。

たしかに、私たちはサイエンス・フィクションの設定だと思っていた世界を現実として生きる羽目になっていて、そして、その中ですら、やはり私たちは「3.11」以前なら非日常であった日常を、ある意味、淡々と生きている。もしかしたら、その日々の繰り返しこそが、私たちを虚無や絶望から救ってくれる、希望というものの源泉なのかもしれません。

震災自体が、実をいいますと、私が日本に帰った直後のことでありました。
正確には9日夜に帰国して、その翌々日です。
またこの日に打合せで赤坂に出かけていて、しっかり帰宅難民に。

とりあえず近距離の四谷に出て、上智大学かイグナチオ教会の悪くてもどちらかが開いているだろうと当てにしたのが運が良くて、上智大学の知り合いの教授研究室に避難ができました。
もっともそこから、研究室のパソコンを使って情報を集め、帰宅難民になってメールを送ってくる人たち(主に東京にいる外国人)の人たちに、最寄りの避難場所を連絡し続けることになったのですが。

ええ、そうです。
ブログを読んでいらっしゃる皆さんなら、とっくにご存じのことですが、あの日、携帯も電話も通じない中、TwitterとGメールとSkypeFacebookViberだけは、完璧と言っていいぐらい機能していました。

家族にすら連絡できないそのときに、メキシコやチリやキューバや中米の友人たちから次々とメールやFacebookで「日本で大地震があったみたいだけど、大丈夫?」という問い合わせがひっきりなしに届いていたのです。
あの日、バーチャルなはずの電脳世界は、リアルの現実世界よりもはるかに近くに、生々しい存在感で「存在していた」のでした。

そして、あの日こそは、それまではテレビが公式には『簡易ブログ』と、上から目線でしか語ってこなかったTwitterが、もはや誰も否定できない公のメディアとして躍り出た瞬間でもありました。

帰宅難民があふれた東京には、午後7時にはすでにこんな情報がまとめられていました。
http://twitter.com/doctorcoochan/status/46161957874712576
被災地ですら、いったいどれほどの人たちがTwitterで情報を求め、また発信しておられたでしょうか。

そして、電話でしか連絡を取る方法を思いつかない公の機関が右往左往しているうちに、どれほど多くの人たちが、ネットで情報を拡散していったでしょうか。
もちろんそれはいまも続いています。

http://savejapan.simone-inc.com/index.html
http://japan.person-finder.appspot.com/?lang=ja
http://311help.com/

そして、福島原発事故。

これが5年前でなくて、ある意味良かったかもしれないと思います。

これが現在であったゆえ、私たちはUstream中継で東電や保安院の記者会見を編集なしにリアルタイムで見ることで、フリーランス記者たちの刃のように鋭い質問の内容を知り、美しく編集されたテレビ画面や新聞からはわからない、東電関係者や保安院のしどろもどろの返答にうさんくささを嗅ぎ取り、さらに大手メディアにほとんど登場しない専門家の話を時間制限なしに聞くことができた。
リアルタイムで福島原発の映像を眺め、雨の中の放射性物質のグラフを見ることもできる。

ネットがすべてをダダ漏れにするが故に、以前のような完璧で洗練された情報統制ができなくなっているのです。

それだけに、この地震と津波と原発事故が5年前に起こっていたら、と思うとさらに寒気がします。
まだまだ、大メディアと組織の壁は厚いとしても、少しづつ少しづつ、なにかが変わりつつあると、そう思える予兆は確かに感じます。

その渦中で、刻々と動き、大量に流れる情報の渦の中で、じっくり考えて文章を書くBlogより、私がTwitterのほうにかまけてしまったというのも、また、とても「現在」的と言えるかもしれません。
とはいえ、じっくり考えることも必要ですので、またブログも再開していきますが。

そんな中。ブログ再開ついでに、ライブも再開のお知らせです。
フライヤーを作って宣伝という状態ではなかったので、今回はネットだけでの宣伝になりますので、是非、皆様、おいでください。

すでにTwitterでは告知済みなのですが、久しぶりに、『東京アンダーグラウンドシーンの帝王』にして4.10の高円寺では先頭に立っていらしたシカラムータの大熊ワタルさん(クラリネット)と、凄腕ピアニストの阿部篤志さんと一緒に、これまた久しぶりに、都内は赤坂の本格ジャズクラブ「B♭(ビーフラット)」でのライブです。ハコに敬意を表して、懐かしのジャズのスタンダードや、先日、メキシコ人作曲家ラファエル・メンドーサにプレゼントしてもらったスウィング・ジャズの新曲なども歌いたいと思います。
とはいえ、このメンツですので、バスクやカタルニア、果ては南米チリの曲など、濃ゆいレパートリーが出てくることは避けられません。

そして。

なんとこの日、とんでもなく「あり得ない」スペシャル・ゲストをお招きしております。

はい。もうすでに「あり得ない」事が次々に起こっている日本で、すでに「あり得ない」という言葉の意味も形骸化しておりますが、それは承知の上で、この言葉を使わせて頂きますね。

スペシャル・ゲストとは、かつて、不二家信頼回復対策会議長としてTBS報道が捏造だったことを暴き、村木さん事件から小沢問題にいたる一連の検察暴走問題では、元東京地検特捜部検事として検察批判の急先鋒。その一方で、年金業務監視委員長として、今年初めに話題だった不公平「運用三号」を事実上の撤回に追い込み、震災後は、総務省顧問として原発冷却用のコンクリートポンプ車から救援貨物船から乳児用ミルク調達まで、八面六臂の活躍で「あの人、いったい、いつ寝てるんだ」と巷で言われている、あの、郷原信郎弁護士です。

これでライブまで参加って、ほんとにいつ寝ていらっしゃるんでしょうか。それは謎です。

どういうご縁かともうしますと、私の課外活動におきまして一度ほめていただいたという、まあそういうご縁でしかないのですが、けれど確実なのは、当日、間違いなくご本人がサックスをもって会場に来られるということと、トークでも参加して下さることを予告してくださっていることです。

音楽の合間に、検察問題から震災問題、原発問題と、地上波TVに出てこない話ががんがん炸裂しそうな予感がいたしますので、私としても、数年ぶりに気合いを入れて、正装のイブニングドレス着用で迎撃させて頂きたいと思っております。いや、もちろんジャズライブですので。

しかし、この組み合わせ、いやほんとに、あり得ないでしょう。
なので、集客がまったく読めません。

ですので、今回は、八木のホームページ上でのweb予約はなしで、お店に電話で直接のご予約をお願い申し上げます。また、早めのご予約をおすすめします。

◆4月20日(水) 赤坂 B Flat(ビー・フラット)
(東京都港区赤坂6-6-4 赤坂栄ビルB1)
ご予約・お問い合わせ/03-5563-2563
1st p.m. 7:30 ~ Charge:2,500円
アクセス/地下鉄千代田線「赤坂」駅下車。出口5bから3分 地図
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ラテンアメリカと日本を拠点に活動する音楽家・作家 八木啓代のBlog
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3.11を心に刻んで (岩波ブックレット)
人は、どのような局面において言葉をつむぐか。30人の執筆者が震災を語ったエッセイ集。澤地久枝、斎藤 環、池澤夏樹、渡辺えり、やなせたかしらと並んで八木も寄稿。
刑事司法への問い (シリーズ 刑事司法を考える 第0巻) (岩波書店)
日本の刑事司法の何が問題か、どのような改革が求められているか。刑事法研究者、実務法曹の他、八木も執筆しております。
禁じられた歌ービクトル・ハラはなぜ死んだか(Kindle版)
長らく絶版状態だった書籍をリクエストにより電子書籍で再版いたしました。八木啓代の原点です。
検察崩壊 失われた正義(毎日新聞社)
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