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検審申立という第2幕が始まりました

5月31日、検察が森友事件に関する一連の告発について、「まとめて不起訴」を出しました。
この「まとめて不起訴」という対応そのもので、はじめからまともに捜査をする気もなければ、本気で起訴する気もなかったということが明らかであったと思います。

だって、たとえ被疑者が同一であったとしても、

(1) 大量の公文書を捨てたと佐川局長が国会で抜かした件
(2) 多数の公文書を改ざんしていたのが朝日のスクープでバレた件
(3) みんなが疑っている、8億円の国有地を1億円で売っちゃって、背任じゃないかと疑われている件

というのは、それぞれ別の問題なわけです。

極端に言うと、死体があったとして、「殺人」と「死体遺棄」と「死体損壊」はそれぞれ別の罪なわけでして、殺人はやってないけど死体遺棄はやったとか、死体損壊はやったとか、証拠隠滅だけやったのかもしれないとか、殺人じゃなくて、過失致死だったかもとか、まともに捜査をしていれば、まあいろいろありうるわけで、他に犯人がいて、まったくの無関係でない限り「本人死にたがってた人で、死んでもかまわない人だったから、死体捨てたのまでバレてて、殺人疑われてるけど、まとめて不起訴」なんてありえないですよね。

で、その不起訴理由というのがまた、記者会見では、

・公用文書毀棄については、「応接記録は、財務省文書管理規則で、保存期間一年未満なので、捨ててもいい書類だった」

・虚偽有印公文書作成及び行使に関しては、「文書の内容に大きな変更はなかったし、嘘を書いたわけではない」

などと、女性特捜部長さんがおっしゃったそうです。

アホ抜かせ。

と、そこで、大阪人である私は、つい大阪言葉で毒づいてしまったわけですの。

財務省管理規則にはどこを探しても、「応接記録は、財務省文書管理規則で、保存期間一年未満なので、捨ててもいい書類だった」などという項目などございませんのよ。
いくら、記者の方が、財務省管理規則を全文暗記しているわけがないので、その場でツッコミができないだろうからって、よくもぬけぬけと、そんなボケかましてくれますよね。
そんなにツッコんでほしいのでしたら、徹底的にツッコましていただきますわ。なめてんじゃねえよ。

というわけで、まず、公用文書毀棄について出させていただいた申立書が、こちらでございます。

http://shiminnokai.net/doc/moushitate_kiki_180611.pdf

簡単に言いますと、財務省管理規則では、国有地の売却に関する一連の書類は、保存期間が30年と定められており、さらに、他の省庁(この場合は大阪航空局)との交渉記録は最低10年の保存期間、しかも、相手方に不利益処分のある場合(この場合は、契約に買い戻し特約があること)がある場合は、最低5年の保存期間が定められているので、どっちにしても、1年未満の保存期間などというのは、無理筋の言い訳でしかないこと。

そして、決定打としては、森友学園への土地売却は、一括払いではなく、10年の分割払いになっていたため、支払いが完了しないうちは、事案も契約も終了していない(で、結局、小学校建設の話が潰れたので、問題の土地を更地にして、国に返還しなくてはならない)ので、そもそも、事案は終了していないので、1万歩譲って、「事案が終了したので、細則で廃棄した」という苦し紛れの言い訳自体、はじめっから成立してないし、ということです。

そして、虚偽有印公文書作成及び行使につきましては、申立書はこちらになります。

http://shiminnokai.net/doc/moushitate_kyogi_180611.pdf

「大きな改ざんではない」どころか、どこが、「内容に大きな変更のない」んでしょうね。しかも、わざわざ国交省まで行って書類をすり替えようなどという泥棒みたいな真似までして、バレてやがんの

しかも、この件については、昭和33年の最高裁での判例がありまして、議事録の一部を削除しただけでも、公用文書等毀棄罪と虚偽有印公文書作成及び行使が成立した、というものがあるわけなんですね。
 この判例につきまして、「これは議事録の話であって、財務省の交渉記録ではないから」などという間抜けな論評を書いておられるアレな方もいらっしゃいますが、(見え透いたDD論で中立を装うことで、国会で調査委員会でも立ち上げることになったら、ぜひ入りたいとでも切望していらっしゃるんでしょうか。)、ブログの記事か、せいぜいネットでちゃっちゃと検索できる最高裁判例しかお読みになっていらっしゃらないようです。

この裁判では、印の押された決裁文書は、「毀棄できないことは明らかである」と述べられているだけではなく、原審では、明白に、「(除去した発言等の)部分が要望事項にすぎなかったものとしても、はたまた同部分の議決が無効であるとしても、同部分が前記委員会の会議において 議決されたものであることが動かぬ事実である以上、同部分を故(ことさ)らに脱漏して新たな議事録を作成するがごときことは真実に適合しない虚偽の議事録を作成するものというべく、もとより法の許さざるところであり、これをあえてするときは虚偽公文書作成罪を構成し、またこれを行使するときは同行使罪を構成するものといわなければならない。」
とまで、書かれているわけです。

つまり、要望部分が、議決に何の影響も与えなかったとしても、その部分を削除したら、それだけで公用文書等毀棄罪と虚偽有印公文書作成及び行使が成立するとされているわけです。

で、常識で考えて、村役場の議事録ですらNGなことが、財務省の国有地売却記録で問題ないわけがないということは、皆さんおわかりでしょう。

ていうか、それでも「いや、村役場の議事録では駄目でも、財務省の国有地売却記録では、どんだけ書き換えても、削除しても、内容を変えても、ぜんぶセーフなんだよっ」と言い張る向きがおありなら、だったら、裁判所で判断を仰げばいいんですよ

ということで、この事件、大阪地裁内の検察審査会で、昨日、無事、申立を済ませて参りました。

大阪地裁は初めてでしたので、勝手がわからなかったのですが、大阪の弁護士さんたちより、大阪地裁の内部の見取りから、近場のコーヒーが美味な喫茶店、さらには安くて旨い立ち飲み屋に至るまでの、いろいろ有益なアドバイス多数をいただけたのと、なにより、地元大阪の有志の方にもお手伝いに来ていただけたおかげで、ラビリンスのような大阪地裁の中で、迷子になることもなく、無事、申立と記者会見を行うことができました。
ご協力をいただいた皆様、本当にありがとうございます。(鱧美味しかったです。)

とはいえ、検察審査会のブラックボックスさは定評のあるところ。
あのストーリー田代事件のように、中立であるはずの補助弁護士に、元検察高官がどさくさ紛れに就任していた、などというようなことのないよう、大阪弁護士会にも要望書を提出し、解散となりました。

http://shiminnokai.net/doc/oosakabengoshikai.pdf

さあ、皆様、第2幕はこれからですよ。
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「公文書改ざん罪」は存在しません。しかし、3つの犯罪が成立しています。

 財務省で大量の文書の改ざんをやっていたことが、朝日新聞のスクープでバレちゃったのが、先月はじめのこと。結局、財務省は、60ページ以上、300箇所もの改ざんを認めて、自殺者まで出てしまいました。
 そんな中で行われた佐川宣寿元理財局長の証人喚問だったわけですが...。
 佐川氏が「官邸の指示はなかった」ことと「刑事訴追の疑いがあるのでお答えできません」というほぼ2点しか答えなかったことをもって、自民党の一部の方が大喜びしたり、一方で、野党の追及が下手だったとおっしゃる御仁も出ておられますが。
 この人たちって、あの佐川氏が、あの公文書を大量廃棄したとしゃあしゃあと言い切っていたほど面の皮の厚い佐川氏が、証人喚問になった途端に、ホントのことを泣きながら告白するとでも思っていたんでしょうか?
 だとしたら、幼児向けのテレビ番組の見過ぎなんじゃないですかね、まじで。

 野党の追及が下手だった、とか上から目線で書いているような人に限って、「私だったら、ここをちゃんと聞くんだ」みたいなことを、具体的には何一つ書いておられないあたり、プロの試合見ながら、「そこで打てよ! バカヤロー」とかテレビの前で喚いているおっさん臭が凄いです。

 佐川氏が、「刑事訴追の疑いがあるのでお答えできません」なんていうのは、中学生レベルでもわかる「想定内」の話です。つまり「自分に不利な供述を強要されない」というのは、佐川氏の権利。逆に言えば、その部分を答弁拒否する、というのは、そこが「事実を言えば自分にとって不利」であると言っているも同様だ、ということですね。
 その中で、佐川氏についている弁護士が、ドリル優子とか甘利疑惑を不起訴にした自民党御用達の方なんだ、とか、まあ、そういう香ばしさも明らかになる中で、佐川氏が、かなり幅広く「刑事訴追の恐れ」つまり、それが罪になりうることであると認識して答弁拒否しているとか、さらに、官邸や昭恵夫人が関与していないと言ってるそばから、細かいことは知らんと言ったり、文書をいつ見たかも言えないと言い出したりと、矛盾噴出なところが、見応えのあるショーだったわけでございまして。

 そのうえ、ついに、4月4日には、値引きに関しての口裏合わせ、つまり、財務省の方から、森友学園に「嘘をついてくれ」と依頼していたことが、今度はNHKのスクープで明らかになっちゃったうえ、佐川氏自身が籠池氏に表に出ないように指示してたこととか、去年の2月22日に官邸に報告していたことまでバレちゃって、喚問から一週間で、偽証までもほぼ確定するということに。

 森友事件に幕を引きたい人たちには、なかなか気の毒な展開ではありますが、逆に言えば、ここまでの事件がうやむやになってしまうことになったら、法治国家・民主国家としての日本は終わりじゃないかと思います。

 というわけで、本日、財務省と近畿財務局の官僚24名を、公用文書等毀棄、虚偽有印公文書作成及び行使で、刑事告発してまいりました。

 この件に関しては、一部の法律家の方から、「削除しただけであるので改ざんとはいえないため、虚偽有印公文書作成罪には当たらない」、あるいは、「多少の書き換えがあったとしても、文書そのものの本質的な意味を損なう虚偽内容でなければ改ざんには当たらない」とか「公文書を改ざんするのは重大問題だが、現行の刑法では『公文書改ざん』に相当する罪がない」といった消極論も出ていますが、当会の優秀な法律家チームの皆様が、改めて、問題の改ざん文書を精査いたしまして、「削除しただけとはいえない」し、「文書そのものの本質的な意味を損なう虚偽内容」となっていることを立証したものです。

 その告発状は、こちらでダウンロードしていただけますが、簡単に解説いたします。
 
 まず、大量に削除されているのが「特例的扱い」であること、この件が「特殊」であるという文言が全般的に削除されていること。
 そして、政治家からの問い合わせや安倍昭恵夫人との強い関わりの部分がすべて削除されています。
 やましいところがないのであれば、削除する必要はないわけですから、まさにここが「隠したかったところ」であるとしか考えられません。
 また、このことで、「特殊なこと」が「一般的なこと」であるかのような内容になっています。これは、文書そのものの本質的な意味が変わっているわけですから、これだけでも、重要な内容の改変です。

 さらに、改ざん前の文書では佐川氏の答弁は成り立ちません。だからこそ、財務省は、この文書の改ざんが、佐川氏の国会答弁との整合性を取るためのものであったと説明しているわけです。
 つまり、この改ざん前の文書を見ていたとしたら、佐川氏は、国会で嘘の答弁をしていたことになります。
(逆に、国会答弁前に事実と異なるレクチャーをされ、改ざん後の文書しか見ていなかったのだとしたら、佐川氏は国会で嘘を言っていなかったことになりますが、それなら、そういえば済む話だったわけですが、そうは言えず「刑事訴追の恐れ」ということは、ある意味、自白しているようなものですね)
 しかし、そうだとすると、改ざん前の文書と改ざん後の文書は、佐川氏の国会答弁が「嘘を言っている」ことになるか、「嘘をついているわけではない」のかという、正反対なほどの差があることになります。
 つまり、その観点からも、改ざん後の文書は「虚偽の公文書」といえます。

 第3に、これは、うちの発表の前に毎日新聞さんが気づいて書かれちゃったんですけど、財務省の報告書の7ページ目に、驚くような記述があるのです。
 つまり、改ざん前の決裁文書によれば、近畿財務局は、森友学園が実施したボーリング調査の結果について、地質調査会社に意見を求め、「特別に軟弱であるとは思えない」(=値引きの根拠にならない)とする見解を得ていたと、はっきり書かれている。
 ところが、改ざん後の文書では、地質調査会社からのこの記述が削除されて、「ボーリング調査結果について、専門家に確認するとともに、不動産鑑定評価を依頼した不動産鑑定士に意見を聴取したと ころ、新たな価格形成要因であり、賃料に影響するとの見解があり、価格調査により、鑑定評価を見直すこととした。」と、真逆方向に書き換えられているんです。
 悪いけど、この一点だけをもってしても、この改ざんは、「虚偽有印公文書作成」に当たってしまいます。

 そして、トドメです。
 そもそも、役所では、前の文書に何らかの問題があり、訂正を行うことは、実はよくあることです。
 たとえば、単純な書き間違えとか変換ミスとかの類いですね。
 で、そういうときは、二重線を引いて、責任者が訂正印を押します。
 それはどういうことかというと、訂正を行う場合でも、旧文書と新文書との連続性(どういう理由に基づいて、どこをどう訂正したのか)を明らかにしなければならないわけです。これを連続性と言います。
 しかし、今回の場合、前の文書が明らかになってはまずいので、それを消滅させて、新しい文書を作ったわけですね。その間に連続性はない。連続性を明らかにせずに、大量の変更を行ったということ自体が、本質的に内容や趣旨の異なる虚偽文書を作成したことを意味するわけです。

 まとめますと、この改ざん事件は、改ざん前の公文書を「廃棄し」、新たに事実と異なる新文書、つまり虚偽有印公文書を「作成し」、それを国会や会計検査院に提出することで、「行使した」ことになり、3つの犯罪が成立いたします。
 ちなみに、改ざん前の文書が出てきたといっても、それが、国会や会計監査院に提出されるべき時に提出されなかったということそのもので、隠匿ということになります。そして、隠匿の場合でも公用文書等毀棄罪は成立します。

 さらに。この事件は、大阪地検特捜部で捜査することになるでしょうが、その大阪地検特捜部は、2010年にあの「証拠改ざん事件」を起こしています。
 現職の検事が証拠を改ざんするなどということは刑法では想定されていなかったので、「証拠改ざん」罪という罪は存在していませんでした。
 では、そういう罪が存在しないからといって、前田恒彦元検事は不起訴あるいは無罪放免になったでしょうか?
 そんなことはありません。ほかならぬ大阪地検特捜部が、証拠改ざんを「証拠隠滅」罪で逮捕起訴し、有罪にしたのです。
 その例から見ても、同じ大阪地検特捜部が、この「公文書改ざん」を不起訴にすることはできないでしょう。

 ちなみに、3月22日に、会計検査院も、改ざん文書を検査に提出した行為について「会計検査院法に違反する」と判断していることも付け加えておきましょう。

 さらに、この一連の犯罪においては、それを命令した人間が「正犯」であって、やらされた人間は「従犯」でしかありません。自殺された職員の方は、もし、書類の書き換えに手を染められていたのだとしても、明らかに従犯だったのですから、自分一人に罪を押しつけられると誤解され、命を絶たれたのだとしたら、本当にお気の毒でなりません。

 ということで、毎度のごとく、この告発状は、そのまま報告書にして裁判所に出していただければ、被疑者否認でも逮捕状取れますので、特捜検察の皆様としては、国民の期待を背負って、すみやかに行動なさっていただきたいものです。

あのディズニーでもやろうと思えばできるんだよ

 昨日に続いて、もうひとつ、映画をご紹介。

 折しも、ラテンアメリカ圏では、ディズニー映画の最新作が、「アナ雪」をしのぐ大ヒット中なのです。
 少し前から宣伝が始まった日本版ではタイトルをまったく変えられて(ありがちですが)いたので、気づかなかったのですが、原題「ココ」。そして、日本版タイトル「リメンバー・ミー
 この、なんとなくお涙頂戴っぽい英語タイトルに騙されてはいけません。それから、見事なまでに、メキシコ色を排した子供向け映画風の日本版宣伝にも騙されてはいけません。
 この作品は「当たり」です。そして、ラテンアメリカ色、メキシコ色が満開です。

 かの「エビータ」といい、「フリーダ」といい、「ブエナビスタ・ソシアルクラブ」といい、ラテンアメリカを舞台にした、アメリカ制作エンタテインメントの全米ヒット系映画って、本国では大不評、ワースト映画扱い、下手すると地雷ってのが実は多いんですが、この映画に関して言うと、その殻を破って、中南米圏でも大ヒットしただけのことはあるのです。

 というのも、制作陣のメキシコ民衆文化に対するリスペクトが細部にまで感じられ、また、スタッフも相当勉強した上で作っているのもうかがえます。
 じつは、この映画制作前、ピクサーが「死者の日」を商標登録しようとして、メキシコで大バッシングされるという事件があったのですが、その悪いイメージを払拭するだけのものに仕上がっています。

 (ちなみに、この件に関して、ピクサーは、「死者の日」という言葉を自分たちだけのものにしたかったわけではなく、単にタイトルとして使いたかったため、と釈明していますが、批判を受けて取り下げました。六花亭の「そだねー」騒動みたい。)

 主人公はリベラ家で、登場人物としてフリーダ・カーロも出てくる上、さらに言うと、アニメ吹き替えなのに、声優も全員ヒスパニック系にしているうえ、なんと、オリジナル版の準主役の声は、あの、「モーターサイクル・ダイアリーズ」で若き日のチェ・ゲバラを演じたガエル・ガルシア=ベルナル!、さらに硬派のジャーナリストで左派アクティビストのエレナ・ポニアトウスカも声の出演をしているところなど、なにげに反トランプ全開感が(笑)。

 しかも。邦題タイトルにもなっているテーマ曲とは別に、クライマックスシーンで歌われるのが、なんと!
 八木のライブのお客様なら、一度は聞かされたことがあるという、八木の持ち歌でもある、あの曲ではありませんか!
 (道理で、どこに行ってもリクエストされたわけだわ)
この曲に限らず、劇中の音楽もすべて、メキシコの民俗音楽をきちんと踏まえたものになっています。(日本語版のシシド・カフカさんとスカパラのテーマ曲は、別物だと思ってください)

 メキシコでは、11月1日・2日の「死者の日」にあわせて、去年の10月に公開されたのですが、日本での公開がこんなに遅れたのは、おそらく、「こんな、ラテン文化濃厚の映画なんて、日本ではきっと受けない」という、日本側の偏見ではないでしょうか。でも、映画がたくさんの賞を獲得し、しかも世界的なヒットとなったので、あわてて日本でも公開。でも、ためらいがあるから、なるたけメキシコ色を排した、おもいきり中途半端な宣伝、みたいな。

 けれど、ラテンアメリカ文化、とくにメキシコ文化に少しでも興味を持っていただけるなら、是非、ご覧ください。堪能できます。
 そして、ラテンアメリカ文化やメキシコ文化に少しの興味もない人でも、絵の美しい映画として楽しんでください。この世界観と美しい色彩感覚は、むしろ大人にこそ愉しんでいただけるかと思います。

 ディズニーの創業者であるウォルト・ディズニーは、かつて赤狩りにも告発者として関与するなど、いわゆる「ばりばり右」の人で、初期のディズニー作品には、人種差別的要素や男尊女卑的要素がさんざん指摘されているのだけれど、そういう根っこを持つ会社であっても、時代とともに変わることはできる。そして、あえてトランプ政権下で、この作品をぶつけるほど、やればできる、という意味でも、感慨深いです。

 というわけで、あえて、予告編は日本版ではなくて、ラテンアメリカ版を乗っけておきます。



 それから、オスカーを取った主題曲は、こちら

獄友:リアル99.9に挑むということ

 私が検察の問題を知ったのは、例の大阪地検特捜部の証拠改ざん事件の少し前ぐらいからだった。そして、知れば知るほど、その闇の深さに愕然とすることになる。
 その決定打となったのが、あれほどあからさまな「検察の犯罪」だった陸山会事件での報告書でっち上げ事件を、むりやり不起訴にしてしまった件だったが、もちろん、本当の闇は、そんなところだけでは済まない。
gokutomo.jpg
 この日本に、じっさいのところ、どれほどの冤罪事件が存在しているのか。

 このクールでけっこう高視聴率を獲得していたドラマ「99.9」は、民放ドラマとしては画期的に、この司法の闇に切り込んだ番組だったが、その内容のいくつかが、実在の、冤罪の疑いの強い事件を下敷きにしたものであることに気づかれた方はおられるだろうか?
 たとえば、3月11日放送の回は、和歌山カレー事件(犯行に使われた毒の成分の再分析を行った結果、犯行に使われた毒物と「犯人とされた人物が所持していた」毒物の成分が異なっていた問題)、そして、18日放送分は、恵庭女性殺人事件(ガソリンスタンドに立ち寄った時間がずれていた問題)+本庄トリカブト事件(そもそも、被害者の「死因が違ってる」問題)。(他のネタは、みなさん、それぞれ推理してみてね)
 そして、いま話題の森友事件の「おかげ」で、人質司法、つまり、自白しない被疑者を延々と拘置することができる人権侵害的な異様なシステムが、広く知られるようになってきている。

 その一方で、ここしばらくのうち、立て続けにふたつの冤罪の可能性が極めて高い二つの事件の再審請求問題がニュースとなった。
 そのうち、明らかに「99.9」でもネタにされている、恵庭女性殺害事件は、再審請求が無残にも却下。一方、さすがに高裁さえ「無罪を言い渡すべきことが明らかな証拠に該当する」と再審を認めた大崎事件にも、検察が即時抗告を出して、再審を阻止しようとしていることが批判を浴びている。
  
 まさに、ドラマ「99.9」ではないが、こんだけ無罪の証拠が揃っているにもかかわらず、おまえら弁護団が真犯人見つけて自白でもさせない限り、意地でも被疑者の冤罪を認めないつもりかよ、みたいなことになっているのだ。
 政権に近い政治家や官僚やジャーナリストの犯罪は「忖度」して、逮捕状が出ていても取り下げたりして、起訴もしないくせに、弱い者いじめは得意なんである。

 そんな折りに、なかなか濃ゆい映画が公開になった。
 「獄友」



 あの冤罪で再審無罪を獲得した布川事件の桜井さんと杉本さん、足利事件の菅谷さん、狭山事件の石川さん、そして、袴田事件の袴田さん。
 この、「やってないのに全員殺人犯」として合計155年を刑務所で過ごすことになった人たちを追ったドキュメンタリーなのだが、これがね。

 なぜか、上映中、要所要所で、客席から笑い声が起きるんである。

 いや、重いんですけど、テーマはね。でも、この、とんでもなく前向きな「冤罪エリート」の方々のキャラクターが、とんでもなく重いテーマを、いい感じで軽くしてくださるんですわ。そういう意味で、この作品を監督は「冤罪青春グラフィティ」として描いていらっしゃる。
 でも、そうであればあるだけ、警察や検察や栽培所の罪深さ、というか、日本の司法の歪み方が、浮き彫りにもなってくるという仕組みなんです。

 本日から、ポレポレ東中野で上映中。公式サイトはこちら
 http://www.gokutomo-movie.com/

再び森友問題が風雲急を告げているようです

寒い日本を脱出して、中米とキューバで歌姫三昧をやっておりました八木でございます。大劇場でオーケストラバックに肩を出したドレスでド派手に歌って、ちやほやされて(大爆)まいりました。
で、帰ってきた日本は、いきなり土砂降りでしたが。(笑)

まあ、それはいいとしても、私の帰国を待ちかねるかのように、森友問題での問題の文書(捨てたんやなかったんかい?(笑))の改ざんが朝日にスクープされたかと思うと、毎日新聞にもそれを裏付けるような文書の存在が記事となり、その矢先、この一連の文書に関係があると思われる職員の方が自殺され、続いて佐川国税庁長官の辞任が発表されるなど、目まぐるしいほど急転直下の展開でございます。

帰ってくるなり、とりあえずテレビをつけたら、国会中継のはずの時間帯に、「審議が始まるまで」延々と熱帯魚のビデオ流れてるし。

しかも、このタイミングで、北朝鮮の和平交渉。もはや頼みの綱の、お隣のミサイルに頼れなくなった「あの人」の青ざめる姿が浮かびます。

この問題の財務省の文書、どの段階で書き換えられたのか、いずれにしても、虚偽公文書作成及び行使が濃厚なわけです。

ちなみに、公文書偽造罪というのは、民間人が公文書を偽造した場合の罪で、今回は役人が公文書を偽造・改ざんしたわけですので、虚偽公文書作成。さらにこれを国会に提出した(使った)わけですから、行使、ということになります。
ちなみに、この場合、本物の文書を隠したことになりますから、公用文書等毀棄罪も成立するかと。あ、毀棄罪って捨てただけではなく、隠しても成立なんで。

この事件、背任の立件では、籠池夫妻に脅されたというストーリーにして逃げ場を作りようがありますが、「公用文書」問題については言い訳は難しいとなると睨んではおりましたが、改ざんまで明らかになったことで、いよいよ詰みの段階に入ったようです。

それにしても、亡くなられた方の立場を思うとやりきれません。報道のように、文書の改ざんなどに関係しておられたなら、どんな理由で、どんな思いでそのような「役人としてやってはならないこと」に関係することになられたのか。自ら命を絶たれるというからには、よほどのご苦悩があったことでしょう。
それだけに、ご冥福をお祈りしつつも、このようなことが二度と起こらないよう、この事件、きちんと解明されなければならないと思います。トカゲの尻尾だけが犠牲になるということだけはあってはなりません。

というわけで、帰ったら、数日は温泉でも行ってゆっくりしようかという夢は30秒で破れ、あちこち奔走しております。
というか、中米&キューバ&メキシコの熱気をそのまま持って、激走だよ!

というわけで、帰還したばかりの八木のライブもあります。乞うご期待。

3月15日(木) 六本木 ノチェーロ


(東京都港区六本木6-7-9 川本ビルB1) お問い合わせ/03-3401-6801
1st 19:30 2nd 20:45 3rd 22:00 (入れ替えなし) 
Charge:2,600円(おつまみ一品付)

アクセス/日比谷線・大江戸線六本木駅より徒歩2分
六本木駅至近の最高の立地の音響の良いステージです。美しい歌曲の数々をじっくりお聴き頂きます! 今月は木曜日ですので、お間違いなく!! ギター福島久雄さん。

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プロフィール

PANDORA

Author:PANDORA
ラテンアメリカと日本を拠点に活動する音楽家・作家 八木啓代のBlog
公式サイト http://nobuyoyagi.com

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★新刊情報
刑事司法への問い (シリーズ 刑事司法を考える 第0巻) (岩波書店)
日本の刑事司法の何が問題か、どのような改革が求められているか。刑事法研究者、実務法曹の他、八木も執筆しております。
禁じられた歌ービクトル・ハラはなぜ死んだか(Kindle版)
長らく絶版状態だった書籍をリクエストにより電子書籍で再版いたしました。八木啓代の原点です。
検察崩壊 失われた正義(毎日新聞社)
5刷。この一冊が検察にトドメを刺すことになるかもしれません
リアルタイムメディアが動かす社会(東京書籍)
超濃ゆいメンバーによる講義録!
ラテンに学ぶ幸せな生き方(講談社)
なぜラテン人は自殺しないの?に応えて3刷!好評発売中!
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ラテン音楽ファン必読!キューバ音楽のすべてが理論も歴史もわかります。浜田滋郎氏激賞
貧乏だけど贅沢(文春文庫)
沢木耕太郎氏との対談収録
ハシズム!(第三書館)
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