FC2ブログ

ニューヨークからメキシコまで

酷暑の日本を早々に飛び出して、ピースボートのご招待で、ニューヨーク〜ハバナ〜ケイマン諸島〜コロンビア〜パナマ〜コスタリカ〜メキシコの船旅に乗船してまいりました。
(時々間違える方がおられるので、あえて先に書いておきますが、捕鯨反対船に乗って網とか切っていたわけではありません。あれはグリーンピースというまったく別の団体です。)

ピースボートは、昨年、ノーベル平和賞を受賞したICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)の構成団体で、豪華客船に1000人以上の乗客を乗せて世界一周の船旅をやるNGOでございます。

とはいえ、実はあたくし、ニューヨークは初めてでしたので、いきなり船に乗るのももったいなく、ホテル代は自分で払うからね、と、3日前にニューヨーク入りを決めたのですが、あとでニューヨークってホテル代がバカ高いのに気づいて顔面蒼白。ユースホステルの相部屋が80ドルとかって、あんまりじゃね?

とはいえ、Airbnbの助けを借りて、無事、マンハッタンで安い民泊のお部屋をゲット。もちろんミッドタウンではなくてハーレムなんですけど、なんの問題もなかったっす。ていうか、ハーレムだと、ミッドタウンまで地下鉄ですぐなのに、物価安いし、美味しいテイクアウトのお店いっぱいあるし、普通に街角に「米国とイスラエルがパレスチナでなにをやっているかについての勉強会」を教会でやるというようなポスターが貼ってあったりして、私のような人間にはすこぶる居心地良かったです。

そういうわけで、お昼にはメトロポリタン美術館を皮切りに、近代美術館(MOMA)〜グッゲンハイム〜フリッツ・コレクションなど、美術館三昧を愉しませていただきました。

メトロポリタンの巨大さはさすがでしたが、個人的には、印象派以後を近代の抽象芸術の萌芽とみなしたMOMAの一連の作品展示に、蒙を啓かれました。じつは、アメリカンポップアートって大嫌いだったのですけど、あの空間で、ロイ・リキテンシュタインやジャスパー・ジョーンズのオリジナルを見ると、あれはけっして悪ノリを持て囃したようなものではなく、激しい主張なのだというのがよくわかりました。美術作品はやっぱりオリジナルです。どんなによく撮れているものであっても、写真集ではわからないものがそこにありました。それからね、ジャクソン・ポロックは天才だわ。

それとは対照的なフリッツ・コレクションも、本当に値打ちがありました。アメリカの金持ち半端ない。ティツァーノやブリューゲルやアングルやゴヤやベラスケスがぽんぽんあるんだもの。しかも、フェルメールを3点も見られるなんて。それも名品です。
ここの展示作品は、他の美術館に貸し出しをしないそうなので、本当にここに行かないと見られない逸品がたくさんありました。

で、ピースボートに乗船しましたところ、スタッフの方に「今晩、国連関係のイベントあるので、全編英語ですけど、いかがですか?」
好奇心旺盛なあたくしとしては、もちろんOKして、時間の少し前に会場にまいりますと............なんと正装・盛装のレディース&ジェントルマンがご入場中ではありませんか。そうなのです。ジーンズ+Tシャツで入れるような雰囲気ではなかったのです!
慌てて船室にかけ戻って、超特急でメイクしてドレスに着替えて、やっと入場。
ハイソな雰囲気だったのも当然で、国連の正式な共催イベントで、国連事務総長代理、国連理事会議長、各国大使といった人たちがぞろりといらっしゃっていたわけです。ああびっくりした。

まあ、そういった旅のあと、キューバを経て、メキシコに戻ってきたわけですが、メキシコは7月1日の歴史的大統領選挙の熱気がやっと落ち着いてきたところでした。

なぜ、歴史的かといいますと、ここ20年以上、有力野党候補に対するメキシコ版陸山会事件といえるような冤罪でっち上げ事件(といっても時系列的にはこっちの方が先)や不正選挙疑惑、その挙げ句の汚職三昧や麻薬戦争で国が大混乱、と、ここ10年以上いいところのなかったメキシコで、奇跡的に民主派が勝利、それも圧勝した選挙だったからです。
というか、相当の買収や票の入れ替えもあったようなのですが、それでも、民主派候補の得票があまりに圧倒的だった、というのが真相のようで。
https://www.bbc.com/japanese/44678849

ちなみに、上記記事では左派と書かれていますが、新大統領ロペスオブラドールことAMLO(アムロ)は、政治的にはゆるい中道やや左派ぐらいの人です。メキシコ政界が極右化していたので、相対的に左に見える、という感じ。ただ、私利私欲がなくてお金にキレイであるという点では、多くの人の意見が一致しているところです。

メキシコの現政権下では、大統領夫妻がお友達に国有地を不正売却したり、便宜を図ったり、大統領のお友達がレイプ事件を起こしてそれがバレても誰も罪に問われないとか、まるで冗談みたいにどっかの国そっくりなことが続いたので、国民の怒りが爆発しての、野党大勝利というわけです。

で、与党のPRIは今回の選挙で、1票2000ペソ(約18000円)でかなりの金をばらまいていたのですが、しかし大敗北。笑ったことに、PRIが堅いとみなしていた地区でAMLOが圧勝した。つまり住民は、金だけ受け取ってAMLOに入れたようです。メキシコ人、賢いよ〜(笑)

とはいえ、メディアはほぼ反AMLOでネガキャンが酷く、ネットもかなり工作されていたので(*この点詳しくはこの記事参照)、はっきりいって、選挙スタッフたちも、ここまで差がつくとは思っていなかったとのこと。

で、12月から大統領職に就くその新大統領。党首を務めるのも、政党はMORENA(国民再生運動)という、旧野党PRDから別れた新政党です。思えば、2005年の大統領選で、最有力候補で当選確実とされていたAMLOが、まさに、陸山会事件そのものの、通常なら訴追の対象にはなり得ないような単なる手続きミスを、不法行為だとして検察が暴走して訴追しようとした事件の時(そういう意味で、陸山会事件とそっくりだった)、当時の所属政党であった中道左派政党PRD(民主革命党)主流派は、不当な攻撃を受けていたAMLOを守ろうとはしなかったのですね。で、最終的に党が割れて、AMLOは親しい議員と共に別の政党を作ったわけです。

で、その古巣のPRDときたら中道左派を標榜してたくせに、大統領選ではAMLO憎さのあまり(?)、右翼政党のPAN(国民行動党)と組むという、まるで前原&細野みたいな真似をやったあげく、地方選挙でもボロ負け。支持率わずか2.8%。5つの州では、10000票もとれないという大惨敗。首都圏でなんとか5%とって、かろうじて政党要件だけはぎりぎり満たした、という、まるで日本のどこかの党みたいなことに。離党者続出状態なので、おそらく次の選挙までは保たないとみられています。そのあたりも、国民民主党日本のどこかの党みたい。

というわけで、まるで日本の政界の鏡像を見ているようなメキシコ政界だったのですが、国民が変にさとったりあきらめたりしないで民主派が圧勝したところが、日本と決定的に違うところです。

ということで、新大統領就任の12月1日以後、いろいろな改革、というより、「改革するとかいう名目の下でぶっ壊されて、与党政治家やそのお友達の食い物にされてきた様々なものごと」の正常化の鉈が振り下ろされるようです。早々にあっと驚く新政策も打ち出される予定。

そのひとつが、麻薬の合法化です。おそらく年明けには日本の新聞でも、ちょっとした騒ぎになるでしょう。
そして、麻薬マフィアとの話し合いについて勝算もあるようです。むしろ、やばいのは麻薬マフィアそのものより、麻薬マフィアから莫大な裏金を受け取っている司法関係者と軍隊。彼らが手を組めば、クーデターも冤罪でっち上げも可能だからです。そういう意味では、安心はできないし、目は離せません

というわけで、八木も9月には、いろいろお土産を持って日本に戻って参ります。
9月13日には、兵庫県伊丹市のイタリアンレストランAntonさんで、ひさびさのディナーライブ。
レストランAntonは、かなり前から八木が大ひいきにしていたお店で、お料理が美味しいのはもちろんなのですが、丹波篠山の鹿肉という超高級ジビエがリーズナブルなお値段で食べられることでも有名なお店です。(呼んでいただけてうれしいわ)
関西方面の皆様には、ぜひ、おすすめです!

また、20日には、東京で恒例のノチェーロでのライブです。いろいろ新曲も準備しておりますので、お気軽においでください。

それから、9月8日にはこんなびっくり講座もあります。お暇な方は、どうぞ!
https://www.asahiculture.jp/yokohama/course/e1d75e0a-18a9-307f-3641-5ae930d9284b


9月13日(木) 伊丹 イタリアンレストランAnton

(兵庫県伊丹市西台3-1-12) お問い合わせ/072-770-2923
Open 18:00 Start 20:00
料金:A:2000円(1ドリンク付)、B.3500円(軽食コース付き・ドリンク別)、C.4500円(特別コース付き ドリンク別)
アクセス/阪急伊丹駅より南側(交番のあたり)道を渡って角が二宮眼科の筋を南下徒歩2分。駐車場は近隣のパーキングを利用可。その場合200円のキャッシュバックあり

ヘルシーな鹿肉料理でも有名な絶品のイタリア料理店アントンさん(実は八木は開店当初からのファンです) 素晴らしいお料理もお得にお楽しみになれるプランです!! ギター:西本諭さん

ネット予約

9月20日(木) 六本木 ノチェーロ
(東京都港区六本木6-7-9 川本ビルB1) お問い合わせ/03-3401-6801
1st 19:30 2nd 21:00 (入れ替えなし) 
Charge:2,600円(おつまみ一品付)
アクセス/日比谷線・大江戸線六本木駅より徒歩2分

六本木駅至近の最高の立地の音響の良いステージです。美しい歌曲の数々をじっくりお聴き頂きます! ギター:福島久雄さん。

ネット予約

検審申立という第2幕が始まりました

5月31日、検察が森友事件に関する一連の告発について、「まとめて不起訴」を出しました。
この「まとめて不起訴」という対応そのもので、はじめからまともに捜査をする気もなければ、本気で起訴する気もなかったということが明らかであったと思います。

だって、たとえ被疑者が同一であったとしても、

(1) 大量の公文書を捨てたと佐川局長が国会で抜かした件
(2) 多数の公文書を改ざんしていたのが朝日のスクープでバレた件
(3) みんなが疑っている、8億円の国有地を1億円で売っちゃって、背任じゃないかと疑われている件

というのは、それぞれ別の問題なわけです。

極端に言うと、死体があったとして、「殺人」と「死体遺棄」と「死体損壊」はそれぞれ別の罪なわけでして、殺人はやってないけど死体遺棄はやったとか、死体損壊はやったとか、証拠隠滅だけやったのかもしれないとか、殺人じゃなくて、過失致死だったかもとか、まともに捜査をしていれば、まあいろいろありうるわけで、他に犯人がいて、まったくの無関係でない限り「本人死にたがってた人で、死んでもかまわない人だったから、死体捨てたのまでバレてて、殺人疑われてるけど、まとめて不起訴」なんてありえないですよね。

で、その不起訴理由というのがまた、記者会見では、

・公用文書毀棄については、「応接記録は、財務省文書管理規則で、保存期間一年未満なので、捨ててもいい書類だった」

・虚偽有印公文書作成及び行使に関しては、「文書の内容に大きな変更はなかったし、嘘を書いたわけではない」

などと、女性特捜部長さんがおっしゃったそうです。

アホ抜かせ。

と、そこで、大阪人である私は、つい大阪言葉で毒づいてしまったわけですの。

財務省管理規則にはどこを探しても、「応接記録は、財務省文書管理規則で、保存期間一年未満なので、捨ててもいい書類だった」などという項目などございませんのよ。
いくら、記者の方が、財務省管理規則を全文暗記しているわけがないので、その場でツッコミができないだろうからって、よくもぬけぬけと、そんなボケかましてくれますよね。
そんなにツッコんでほしいのでしたら、徹底的にツッコましていただきますわ。なめてんじゃねえよ。

というわけで、まず、公用文書毀棄について出させていただいた申立書が、こちらでございます。

http://shiminnokai.net/doc/moushitate_kiki_180611.pdf

簡単に言いますと、財務省管理規則では、国有地の売却に関する一連の書類は、保存期間が30年と定められており、さらに、他の省庁(この場合は大阪航空局)との交渉記録は最低10年の保存期間、しかも、相手方に不利益処分のある場合(この場合は、契約に買い戻し特約があること)がある場合は、最低5年の保存期間が定められているので、どっちにしても、1年未満の保存期間などというのは、無理筋の言い訳でしかないこと。

そして、決定打としては、森友学園への土地売却は、一括払いではなく、10年の分割払いになっていたため、支払いが完了しないうちは、事案も契約も終了していない(で、結局、小学校建設の話が潰れたので、問題の土地を更地にして、国に返還しなくてはならない)ので、そもそも、事案は終了していないので、1万歩譲って、「事案が終了したので、細則で廃棄した」という苦し紛れの言い訳自体、はじめっから成立してないし、ということです。

そして、虚偽有印公文書作成及び行使につきましては、申立書はこちらになります。

http://shiminnokai.net/doc/moushitate_kyogi_180611.pdf

「大きな改ざんではない」どころか、どこが、「内容に大きな変更のない」んでしょうね。しかも、わざわざ国交省まで行って書類をすり替えようなどという泥棒みたいな真似までして、バレてやがんの

しかも、この件については、昭和33年の最高裁での判例がありまして、議事録の一部を削除しただけでも、公用文書等毀棄罪と虚偽有印公文書作成及び行使が成立した、というものがあるわけなんですね。
 この判例につきまして、「これは議事録の話であって、財務省の交渉記録ではないから」などという間抜けな論評を書いておられるアレな方もいらっしゃいますが、(見え透いたDD論で中立を装うことで、国会で調査委員会でも立ち上げることになったら、ぜひ入りたいとでも切望していらっしゃるんでしょうか。)、ブログの記事か、せいぜいネットでちゃっちゃと検索できる最高裁判例しかお読みになっていらっしゃらないようです。

この裁判では、印の押された決裁文書は、「毀棄できないことは明らかである」と述べられているだけではなく、原審では、明白に、「(除去した発言等の)部分が要望事項にすぎなかったものとしても、はたまた同部分の議決が無効であるとしても、同部分が前記委員会の会議において 議決されたものであることが動かぬ事実である以上、同部分を故(ことさ)らに脱漏して新たな議事録を作成するがごときことは真実に適合しない虚偽の議事録を作成するものというべく、もとより法の許さざるところであり、これをあえてするときは虚偽公文書作成罪を構成し、またこれを行使するときは同行使罪を構成するものといわなければならない。」
とまで、書かれているわけです。

つまり、要望部分が、議決に何の影響も与えなかったとしても、その部分を削除したら、それだけで公用文書等毀棄罪と虚偽有印公文書作成及び行使が成立するとされているわけです。

で、常識で考えて、村役場の議事録ですらNGなことが、財務省の国有地売却記録で問題ないわけがないということは、皆さんおわかりでしょう。

ていうか、それでも「いや、村役場の議事録では駄目でも、財務省の国有地売却記録では、どんだけ書き換えても、削除しても、内容を変えても、ぜんぶセーフなんだよっ」と言い張る向きがおありなら、だったら、裁判所で判断を仰げばいいんですよ

ということで、この事件、大阪地裁内の検察審査会で、昨日、無事、申立を済ませて参りました。

大阪地裁は初めてでしたので、勝手がわからなかったのですが、大阪の弁護士さんたちより、大阪地裁の内部の見取りから、近場のコーヒーが美味な喫茶店、さらには安くて旨い立ち飲み屋に至るまでの、いろいろ有益なアドバイス多数をいただけたのと、なにより、地元大阪の有志の方にもお手伝いに来ていただけたおかげで、ラビリンスのような大阪地裁の中で、迷子になることもなく、無事、申立と記者会見を行うことができました。
ご協力をいただいた皆様、本当にありがとうございます。(鱧美味しかったです。)

とはいえ、検察審査会のブラックボックスさは定評のあるところ。
あのストーリー田代事件のように、中立であるはずの補助弁護士に、元検察高官がどさくさ紛れに就任していた、などというようなことのないよう、大阪弁護士会にも要望書を提出し、解散となりました。

http://shiminnokai.net/doc/oosakabengoshikai.pdf

さあ、皆様、第2幕はこれからですよ。

「公文書改ざん罪」は存在しません。しかし、3つの犯罪が成立しています。

 財務省で大量の文書の改ざんをやっていたことが、朝日新聞のスクープでバレちゃったのが、先月はじめのこと。結局、財務省は、60ページ以上、300箇所もの改ざんを認めて、自殺者まで出てしまいました。
 そんな中で行われた佐川宣寿元理財局長の証人喚問だったわけですが...。
 佐川氏が「官邸の指示はなかった」ことと「刑事訴追の疑いがあるのでお答えできません」というほぼ2点しか答えなかったことをもって、自民党の一部の方が大喜びしたり、一方で、野党の追及が下手だったとおっしゃる御仁も出ておられますが。
 この人たちって、あの佐川氏が、あの公文書を大量廃棄したとしゃあしゃあと言い切っていたほど面の皮の厚い佐川氏が、証人喚問になった途端に、ホントのことを泣きながら告白するとでも思っていたんでしょうか?
 だとしたら、幼児向けのテレビ番組の見過ぎなんじゃないですかね、まじで。

 野党の追及が下手だった、とか上から目線で書いているような人に限って、「私だったら、ここをちゃんと聞くんだ」みたいなことを、具体的には何一つ書いておられないあたり、プロの試合見ながら、「そこで打てよ! バカヤロー」とかテレビの前で喚いているおっさん臭が凄いです。

 佐川氏が、「刑事訴追の疑いがあるのでお答えできません」なんていうのは、中学生レベルでもわかる「想定内」の話です。つまり「自分に不利な供述を強要されない」というのは、佐川氏の権利。逆に言えば、その部分を答弁拒否する、というのは、そこが「事実を言えば自分にとって不利」であると言っているも同様だ、ということですね。
 その中で、佐川氏についている弁護士が、ドリル優子とか甘利疑惑を不起訴にした自民党御用達の方なんだ、とか、まあ、そういう香ばしさも明らかになる中で、佐川氏が、かなり幅広く「刑事訴追の恐れ」つまり、それが罪になりうることであると認識して答弁拒否しているとか、さらに、官邸や昭恵夫人が関与していないと言ってるそばから、細かいことは知らんと言ったり、文書をいつ見たかも言えないと言い出したりと、矛盾噴出なところが、見応えのあるショーだったわけでございまして。

 そのうえ、ついに、4月4日には、値引きに関しての口裏合わせ、つまり、財務省の方から、森友学園に「嘘をついてくれ」と依頼していたことが、今度はNHKのスクープで明らかになっちゃったうえ、佐川氏自身が籠池氏に表に出ないように指示してたこととか、去年の2月22日に官邸に報告していたことまでバレちゃって、喚問から一週間で、偽証までもほぼ確定するということに。

 森友事件に幕を引きたい人たちには、なかなか気の毒な展開ではありますが、逆に言えば、ここまでの事件がうやむやになってしまうことになったら、法治国家・民主国家としての日本は終わりじゃないかと思います。

 というわけで、本日、財務省と近畿財務局の官僚24名を、公用文書等毀棄、虚偽有印公文書作成及び行使で、刑事告発してまいりました。

 この件に関しては、一部の法律家の方から、「削除しただけであるので改ざんとはいえないため、虚偽有印公文書作成罪には当たらない」、あるいは、「多少の書き換えがあったとしても、文書そのものの本質的な意味を損なう虚偽内容でなければ改ざんには当たらない」とか「公文書を改ざんするのは重大問題だが、現行の刑法では『公文書改ざん』に相当する罪がない」といった消極論も出ていますが、当会の優秀な法律家チームの皆様が、改めて、問題の改ざん文書を精査いたしまして、「削除しただけとはいえない」し、「文書そのものの本質的な意味を損なう虚偽内容」となっていることを立証したものです。

 その告発状は、こちらでダウンロードしていただけますが、簡単に解説いたします。
 
 まず、大量に削除されているのが「特例的扱い」であること、この件が「特殊」であるという文言が全般的に削除されていること。
 そして、政治家からの問い合わせや安倍昭恵夫人との強い関わりの部分がすべて削除されています。
 やましいところがないのであれば、削除する必要はないわけですから、まさにここが「隠したかったところ」であるとしか考えられません。
 また、このことで、「特殊なこと」が「一般的なこと」であるかのような内容になっています。これは、文書そのものの本質的な意味が変わっているわけですから、これだけでも、重要な内容の改変です。

 さらに、改ざん前の文書では佐川氏の答弁は成り立ちません。だからこそ、財務省は、この文書の改ざんが、佐川氏の国会答弁との整合性を取るためのものであったと説明しているわけです。
 つまり、この改ざん前の文書を見ていたとしたら、佐川氏は、国会で嘘の答弁をしていたことになります。
(逆に、国会答弁前に事実と異なるレクチャーをされ、改ざん後の文書しか見ていなかったのだとしたら、佐川氏は国会で嘘を言っていなかったことになりますが、それなら、そういえば済む話だったわけですが、そうは言えず「刑事訴追の恐れ」ということは、ある意味、自白しているようなものですね)
 しかし、そうだとすると、改ざん前の文書と改ざん後の文書は、佐川氏の国会答弁が「嘘を言っている」ことになるか、「嘘をついているわけではない」のかという、正反対なほどの差があることになります。
 つまり、その観点からも、改ざん後の文書は「虚偽の公文書」といえます。

 第3に、これは、うちの発表の前に毎日新聞さんが気づいて書かれちゃったんですけど、財務省の報告書の7ページ目に、驚くような記述があるのです。
 つまり、改ざん前の決裁文書によれば、近畿財務局は、森友学園が実施したボーリング調査の結果について、地質調査会社に意見を求め、「特別に軟弱であるとは思えない」(=値引きの根拠にならない)とする見解を得ていたと、はっきり書かれている。
 ところが、改ざん後の文書では、地質調査会社からのこの記述が削除されて、「ボーリング調査結果について、専門家に確認するとともに、不動産鑑定評価を依頼した不動産鑑定士に意見を聴取したと ころ、新たな価格形成要因であり、賃料に影響するとの見解があり、価格調査により、鑑定評価を見直すこととした。」と、真逆方向に書き換えられているんです。
 悪いけど、この一点だけをもってしても、この改ざんは、「虚偽有印公文書作成」に当たってしまいます。

 そして、トドメです。
 そもそも、役所では、前の文書に何らかの問題があり、訂正を行うことは、実はよくあることです。
 たとえば、単純な書き間違えとか変換ミスとかの類いですね。
 で、そういうときは、二重線を引いて、責任者が訂正印を押します。
 それはどういうことかというと、訂正を行う場合でも、旧文書と新文書との連続性(どういう理由に基づいて、どこをどう訂正したのか)を明らかにしなければならないわけです。これを連続性と言います。
 しかし、今回の場合、前の文書が明らかになってはまずいので、それを消滅させて、新しい文書を作ったわけですね。その間に連続性はない。連続性を明らかにせずに、大量の変更を行ったということ自体が、本質的に内容や趣旨の異なる虚偽文書を作成したことを意味するわけです。

 まとめますと、この改ざん事件は、改ざん前の公文書を「廃棄し」、新たに事実と異なる新文書、つまり虚偽有印公文書を「作成し」、それを国会や会計検査院に提出することで、「行使した」ことになり、3つの犯罪が成立いたします。
 ちなみに、改ざん前の文書が出てきたといっても、それが、国会や会計監査院に提出されるべき時に提出されなかったということそのもので、隠匿ということになります。そして、隠匿の場合でも公用文書等毀棄罪は成立します。

 さらに。この事件は、大阪地検特捜部で捜査することになるでしょうが、その大阪地検特捜部は、2010年にあの「証拠改ざん事件」を起こしています。
 現職の検事が証拠を改ざんするなどということは刑法では想定されていなかったので、「証拠改ざん」罪という罪は存在していませんでした。
 では、そういう罪が存在しないからといって、前田恒彦元検事は不起訴あるいは無罪放免になったでしょうか?
 そんなことはありません。ほかならぬ大阪地検特捜部が、証拠改ざんを「証拠隠滅」罪で逮捕起訴し、有罪にしたのです。
 その例から見ても、同じ大阪地検特捜部が、この「公文書改ざん」を不起訴にすることはできないでしょう。

 ちなみに、3月22日に、会計検査院も、改ざん文書を検査に提出した行為について「会計検査院法に違反する」と判断していることも付け加えておきましょう。

 さらに、この一連の犯罪においては、それを命令した人間が「正犯」であって、やらされた人間は「従犯」でしかありません。自殺された職員の方は、もし、書類の書き換えに手を染められていたのだとしても、明らかに従犯だったのですから、自分一人に罪を押しつけられると誤解され、命を絶たれたのだとしたら、本当にお気の毒でなりません。

 ということで、毎度のごとく、この告発状は、そのまま報告書にして裁判所に出していただければ、被疑者否認でも逮捕状取れますので、特捜検察の皆様としては、国民の期待を背負って、すみやかに行動なさっていただきたいものです。

あのディズニーでもやろうと思えばできるんだよ

 昨日に続いて、もうひとつ、映画をご紹介。

 折しも、ラテンアメリカ圏では、ディズニー映画の最新作が、「アナ雪」をしのぐ大ヒット中なのです。
 少し前から宣伝が始まった日本版ではタイトルをまったく変えられて(ありがちですが)いたので、気づかなかったのですが、原題「ココ」。そして、日本版タイトル「リメンバー・ミー
 この、なんとなくお涙頂戴っぽい英語タイトルに騙されてはいけません。それから、見事なまでに、メキシコ色を排した子供向け映画風の日本版宣伝にも騙されてはいけません。
 この作品は「当たり」です。そして、ラテンアメリカ色、メキシコ色が満開です。

 かの「エビータ」といい、「フリーダ」といい、「ブエナビスタ・ソシアルクラブ」といい、ラテンアメリカを舞台にした、アメリカ制作エンタテインメントの全米ヒット系映画って、本国では大不評、ワースト映画扱い、下手すると地雷ってのが実は多いんですが、この映画に関して言うと、その殻を破って、中南米圏でも大ヒットしただけのことはあるのです。

 というのも、制作陣のメキシコ民衆文化に対するリスペクトが細部にまで感じられ、また、スタッフも相当勉強した上で作っているのもうかがえます。
 じつは、この映画制作前、ピクサーが「死者の日」を商標登録しようとして、メキシコで大バッシングされるという事件があったのですが、その悪いイメージを払拭するだけのものに仕上がっています。

 (ちなみに、この件に関して、ピクサーは、「死者の日」という言葉を自分たちだけのものにしたかったわけではなく、単にタイトルとして使いたかったため、と釈明していますが、批判を受けて取り下げました。六花亭の「そだねー」騒動みたい。)

 主人公はリベラ家で、登場人物としてフリーダ・カーロも出てくる上、さらに言うと、アニメ吹き替えなのに、声優も全員ヒスパニック系にしているうえ、なんと、オリジナル版の準主役の声は、あの、「モーターサイクル・ダイアリーズ」で若き日のチェ・ゲバラを演じたガエル・ガルシア=ベルナル!、さらに硬派のジャーナリストで左派アクティビストのエレナ・ポニアトウスカも声の出演をしているところなど、なにげに反トランプ全開感が(笑)。

 しかも。邦題タイトルにもなっているテーマ曲とは別に、クライマックスシーンで歌われるのが、なんと!
 八木のライブのお客様なら、一度は聞かされたことがあるという、八木の持ち歌でもある、あの曲ではありませんか!
 (道理で、どこに行ってもリクエストされたわけだわ)
この曲に限らず、劇中の音楽もすべて、メキシコの民俗音楽をきちんと踏まえたものになっています。(日本語版のシシド・カフカさんとスカパラのテーマ曲は、別物だと思ってください)

 メキシコでは、11月1日・2日の「死者の日」にあわせて、去年の10月に公開されたのですが、日本での公開がこんなに遅れたのは、おそらく、「こんな、ラテン文化濃厚の映画なんて、日本ではきっと受けない」という、日本側の偏見ではないでしょうか。でも、映画がたくさんの賞を獲得し、しかも世界的なヒットとなったので、あわてて日本でも公開。でも、ためらいがあるから、なるたけメキシコ色を排した、おもいきり中途半端な宣伝、みたいな。

 けれど、ラテンアメリカ文化、とくにメキシコ文化に少しでも興味を持っていただけるなら、是非、ご覧ください。堪能できます。
 そして、ラテンアメリカ文化やメキシコ文化に少しの興味もない人でも、絵の美しい映画として楽しんでください。この世界観と美しい色彩感覚は、むしろ大人にこそ愉しんでいただけるかと思います。

 ディズニーの創業者であるウォルト・ディズニーは、かつて赤狩りにも告発者として関与するなど、いわゆる「ばりばり右」の人で、初期のディズニー作品には、人種差別的要素や男尊女卑的要素がさんざん指摘されているのだけれど、そういう根っこを持つ会社であっても、時代とともに変わることはできる。そして、あえてトランプ政権下で、この作品をぶつけるほど、やればできる、という意味でも、感慨深いです。

 というわけで、あえて、予告編は日本版ではなくて、ラテンアメリカ版を乗っけておきます。



 それから、オスカーを取った主題曲は、こちら

獄友:リアル99.9に挑むということ

 私が検察の問題を知ったのは、例の大阪地検特捜部の証拠改ざん事件の少し前ぐらいからだった。そして、知れば知るほど、その闇の深さに愕然とすることになる。
 その決定打となったのが、あれほどあからさまな「検察の犯罪」だった陸山会事件での報告書でっち上げ事件を、むりやり不起訴にしてしまった件だったが、もちろん、本当の闇は、そんなところだけでは済まない。
gokutomo.jpg
 この日本に、じっさいのところ、どれほどの冤罪事件が存在しているのか。

 このクールでけっこう高視聴率を獲得していたドラマ「99.9」は、民放ドラマとしては画期的に、この司法の闇に切り込んだ番組だったが、その内容のいくつかが、実在の、冤罪の疑いの強い事件を下敷きにしたものであることに気づかれた方はおられるだろうか?
 たとえば、3月11日放送の回は、和歌山カレー事件(犯行に使われた毒の成分の再分析を行った結果、犯行に使われた毒物と「犯人とされた人物が所持していた」毒物の成分が異なっていた問題)、そして、18日放送分は、恵庭女性殺人事件(ガソリンスタンドに立ち寄った時間がずれていた問題)+本庄トリカブト事件(そもそも、被害者の「死因が違ってる」問題)。(他のネタは、みなさん、それぞれ推理してみてね)
 そして、いま話題の森友事件の「おかげ」で、人質司法、つまり、自白しない被疑者を延々と拘置することができる人権侵害的な異様なシステムが、広く知られるようになってきている。

 その一方で、ここしばらくのうち、立て続けにふたつの冤罪の可能性が極めて高い二つの事件の再審請求問題がニュースとなった。
 そのうち、明らかに「99.9」でもネタにされている、恵庭女性殺害事件は、再審請求が無残にも却下。一方、さすがに高裁さえ「無罪を言い渡すべきことが明らかな証拠に該当する」と再審を認めた大崎事件にも、検察が即時抗告を出して、再審を阻止しようとしていることが批判を浴びている。
  
 まさに、ドラマ「99.9」ではないが、こんだけ無罪の証拠が揃っているにもかかわらず、おまえら弁護団が真犯人見つけて自白でもさせない限り、意地でも被疑者の冤罪を認めないつもりかよ、みたいなことになっているのだ。
 政権に近い政治家や官僚やジャーナリストの犯罪は「忖度」して、逮捕状が出ていても取り下げたりして、起訴もしないくせに、弱い者いじめは得意なんである。

 そんな折りに、なかなか濃ゆい映画が公開になった。
 「獄友」



 あの冤罪で再審無罪を獲得した布川事件の桜井さんと杉本さん、足利事件の菅谷さん、狭山事件の石川さん、そして、袴田事件の袴田さん。
 この、「やってないのに全員殺人犯」として合計155年を刑務所で過ごすことになった人たちを追ったドキュメンタリーなのだが、これがね。

 なぜか、上映中、要所要所で、客席から笑い声が起きるんである。

 いや、重いんですけど、テーマはね。でも、この、とんでもなく前向きな「冤罪エリート」の方々のキャラクターが、とんでもなく重いテーマを、いい感じで軽くしてくださるんですわ。そういう意味で、この作品を監督は「冤罪青春グラフィティ」として描いていらっしゃる。
 でも、そうであればあるだけ、警察や検察や栽培所の罪深さ、というか、日本の司法の歪み方が、浮き彫りにもなってくるという仕組みなんです。

 本日から、ポレポレ東中野で上映中。公式サイトはこちら
 http://www.gokutomo-movie.com/
プロフィール

PANDORA

Author:PANDORA
ラテンアメリカと日本を拠点に活動する音楽家・作家 八木啓代のBlog
公式サイト http://nobuyoyagi.com

★CD情報
新作CD”Lagrimas”試聴やご購入はこちらから

★新刊情報
刑事司法への問い (シリーズ 刑事司法を考える 第0巻) (岩波書店)
日本の刑事司法の何が問題か、どのような改革が求められているか。刑事法研究者、実務法曹の他、八木も執筆しております。
禁じられた歌ービクトル・ハラはなぜ死んだか(Kindle版)
長らく絶版状態だった書籍をリクエストにより電子書籍で再版いたしました。八木啓代の原点です。
検察崩壊 失われた正義(毎日新聞社)
5刷。この一冊が検察にトドメを刺すことになるかもしれません
リアルタイムメディアが動かす社会(東京書籍)
超濃ゆいメンバーによる講義録!
ラテンに学ぶ幸せな生き方(講談社)
なぜラテン人は自殺しないの?に応えて3刷!好評発売中!
キューバ音楽(青土社)
ラテン音楽ファン必読!キューバ音楽のすべてが理論も歴史もわかります。浜田滋郎氏激賞
貧乏だけど贅沢(文春文庫)
沢木耕太郎氏との対談収録
ハシズム!(第三書館)
共著で橋下大阪市長を解剖します。

★ライブ情報
9月13日(木) 伊丹・Anton
Vo. 八木啓代 G. 西本諭史
9月20日(木)六本木・Nochero
Vo. 八木啓代 G. 福島久雄

ライブ&講演詳細はこちら



nobuyoyagiをフォローしましょう

カレンダー
08 | 2018/09 | 10
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 - - - - - -
最新記事
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

カテゴリ
検索フォーム
最新コメント
リンク
QRコード
QRコード
RSSリンクの表示
月別アーカイブ
最新トラックバック
  1. 無料アクセス解析